2022.05.25

壁のない間取りの家ってどうなの?メリットとデメリットまとめ

建てる

ここ最近、新築の注文住宅やマンションのリノベーションなどで広まりつつある、壁や扉を設けない間取り。家の中に壁が少なく、リビング・ダイニング、居室などが一つの空間につながっている間取りです。モデルハウスを見学した際や、雑誌などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

側から見ると現代的でおしゃれな印象の壁なしの間取りですが、いざ自分がその家に住むことになった場合、果たして快適に暮らせるだろうかと疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、このような壁なしの間取りのメリットとデメリットを取り上げ、壁なしの家でどのように生活スペースを区切るのかということについても取り上げます。

壁のない間取りの家のメリット

1. 開放感がある空間を作りやすい

家の中の壁を取り払い、一つの大きな空間を作り出す壁なしの間取り。通常の戸建て住宅では、一般的に15帖〜20帖位の広さのリビング・ダイニングが家の中で最も広い空間。しかし、壁なしの間取りの家は客間や玄関などの仕切りも取り払うことでさらにその上をいく大空間を作ることが可能です。

また、建物の広さをあまり広く取れなかった場合でも、壁を取り払って1つの空間にすると開放感を得ることが可能なため、狭小地で戸建て住宅を建てる際もこの壁なしの間取りは役に立つといえるでしょう。

2. 採光性がよい

室内の壁がないということは、外に面した窓から入る光を遮るものがないということ。壁なしの間取りの家は、外からの光が家の中心部まで入りやすいため、日中は照明なしでも明るい室内になります。

家を建てる場所が狭小地や障害物の多い土地であっても、吹き抜けや天窓、高窓などを利用すれば家中を明るくすることができるでしょう。

3. 家族の気配を感じやすい

壁をなくすことで、家の中にいる家族の気配を感じることができ、どこにいるかが把握できるようになります。例えば、キッチンや書斎などで作業をしているときにも、子どもたちがリビングで遊んでいる様子を見たり、音を聞いたりすることができるため、万が一の転倒などのトラブルにもすぐに対応できるでしょう。

また、家に帰ってきた家族と顔を合わせる機会が増えるので、コミュニケーションが取れることも大きなメリットです。

4. 家具のレイアウトを変更しやすい

前述の通り、壁なしの間取りの家は、通常の家よりも大きな空間がある家。そのため、家具のレイアウトの変更をするのが簡単で、生活スタイルの変化や気分転換など、さまざまな理由で気軽に模様替えをすることができます。

また、「家具が大きすぎて部屋に入らない」、「部屋に対して家具が大きすぎた」といった、家具のサイズと部屋のサイズのミスマッチも起こりにくくなります(全く起こらないというわけではありません)。

5. 建具の費用が少なくすむ

注文住宅で家を新築する場合は、壁のない間取りにすることで必然的にドアや引き戸などの建具の費用を削ることができ、その分建築費用を安くすることができます。例えば、建具の中でもドアは大きな出費となり、手頃なものでも10万円程度で、高価なものだと30万円ほどすることもあります。それが複数の部屋に付くと計算した場合、決して小さな額ではありません。

壁のない間取りの家のデメリット

1. プライバシーの確保に工夫が必要

容易に想像できることですが、壁のない家ではドアで締め切った密室のスペースを作ることができません。そのため、プライバシーが守られる空間を作りたい場合は、家具の配置やお部屋の形状を工夫して目線を入りにくくする必要があります。

実際、原則壁のない間取りを取り入れているという人の中にも、寝室のみ壁と扉を作っているという人もたくさんいます。実際に暮らし始めてからリノベーションで壁や扉を作るということも含め、痩せ我慢をせずに臨機応変に対応した方が無難でしょう。

2. 音や臭いが家中に広がりやすい

壁や扉があることで、ちょっとした生活音や、料理などの臭いが他の部屋に広がりにくくなっていることは、わざわざ言うまでもない現実です。壁なしの家は音や臭いの防御となる壁や扉がないので、それらが家中に広がりやすくなっています。

例えば、テレワークで仕事をしている時や、子どもが勉強しているときに、リビングのテレビの大きな音が聞こえてきたために、家族間で喧嘩になってしまう…ということもあるかもしれません。「壁がないということは、このようなことが起こりうる」と認識し、対策を建てる必要があります。

3. 来客時に家の中が丸見えになることもある

近年増えているのが、玄関付近の壁も取り払い、玄関ホールの廊下が無くなっている間取り。家の広さを引き出し、開放感を出すことができる間取りですが、玄関に来客があった際には家の中が丸見えになってしまうというデメリットがあります。

気になる場合は、壁を作らないとしても、リビングなどの生活空間に視線が抜けないような配置にするなど工夫する必要があるでしょう。

4. 冷暖房が効きにくく光熱費が高くなる可能性がある

壁なしの間取りは、従来の部屋よりも大きな空間を家の中に作ることになります。そのため、エアコンは当然広い部屋の冷暖房に対応したものを選ぶ必要があります。

また、断熱が不十分の場合、夏場と冬場にはエアコンが効きにくく、光熱費も高くなってしまう場合があるため、注意が必要です。

壁のない間取りの家ではどうやって生活スペースを仕切る?

壁のない間取りの家であっても、個人の作業スペースや寝室のような部分はどうしても仕切りを設けたくなることがあるかもしれません。実際に壁のない間取りの家に住んでいる人の多くは、背の高い本棚などの家具を置いて空間をゆるく仕切ったり、カーテンやロールスクリーンなどで臨機応変に仕切ったりという方法を取っているようです。

また、引き戸を活用して、個室としても続き間としても活用できるようにしておくならば、開放感を維持しながらもよりはっきりと空間を仕切ることが可能です。

メリットも多いが導入するにはそれなりの準備が必要

通常の家ではあり得ないような大空間を作ることができたり、狭小地でも広い空間を作ったりできるため、近年徐々に広まりつつある「壁のない間取りの家」。

しかし、完全に壁がないという間取りは、子どもが成長して思春期を迎えた時など、将来的に支障が出る可能性はゼロではありません。この記事でも取り上げたように、仕切りを作る家具のレイアウトを工夫したり、引き戸をリノベーションで付けたりといった対応策を考えなければならない可能性もあることを覚えておきましょう。