2023.08.11

注文住宅で心配な耐震性。絶対に知っておきたい耐震等級3と3相当の違い

建てる

家づくりをするなかで多くの方が心配する、住宅の「耐震性」。 最近ではどの住宅会社も耐震性に力を入れており、「地震に強い耐震等級3」などの広告を見かけますが、実は耐震等級には「相当」というものがあります。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は、強度が大きく異なる場合があるため注意が必要です。今回は、耐震等級3と耐震等級3相当の違いをお伝えしていきます。家づくりをはじめる前に、耐震等級についてしっかりと理解しておきましょう。

そもそも「耐震等級」とは?

そもそも耐震等級とはなにを表す数字で、どのような区分があるのでしょうか。まずは耐震等級の基本をお伝えしていきます。

耐震等級とは?

耐震等級は、2000年に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいた、地震に対する強度を表す指標です。 建物を建てるときには「建築基準法」が適用され、耐震性を評価するときには「品確法」が適用されます。

建物を建てるときには「建築基準法」が適用され、耐震性を評価するときには「品確法」が適用されます。

耐震等級の区分

「耐震等級」は耐震等級1〜3までの3段階で表され、数字が大きくなるほど耐震性も高くなります。まずは耐震等級1~3の特徴を見てみましょう。

「耐震等級1」は、建築基準法の耐震性能に関する水準を満たす建物で、震度6〜7の地震発生時にも倒壊・崩壊しないように建てられています。

そして耐震等級1の1.25倍の耐震強度を持つのが「耐震等級2」、耐震性の中で最も高い耐震基準で建てられているのが「耐震等級3」の住宅です。耐震等級3の住宅は耐震等級1の1.5倍の強度があり、震度7が立て続けに2回起こった熊本地震の際にも、耐震等級3の住宅のほとんどが倒壊・崩壊していなかったことがわかっています。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の違い

耐震等級について説明したので、ここからはこの記事の本題である「耐震等級3と耐震等級3相当の違い」について説明していきます。

大きな違いは耐震等級の申請をしているか、していないか

耐震等級3と耐震等級3相当の大きな違いは、耐震等級の申請をしているか、していないかという部分です。耐震等級3の認定を受けている住宅は「耐震等級3」、認定は受けていないけれど耐震等級3レベルの耐震性がある住宅が「耐震等級3相当」と呼ばれます

実は「耐震等級3相当」という言葉は第三者機関が設けたものではなく、住宅会社が流通させた造語です。耐震等級3レベルの耐震性があることをアピールするために造られた言葉が、耐震等級3相当なのです。耐震等級の認定はハウスメーカーや工務店などの住宅会社が行うのではなく、「住宅性能評価機関」という第三者機関が行います。認定に必要な書類をもって申請したのち公正な評価を受け、認定されることではじめて「耐震等級3」であると言えるのです。

しかし耐震等級の認定を受けるためには、申請と検査の手数料に20〜30万円ほどかかります。そのため耐震等級3と同じ強度で住宅を建てていても、申請費用をカットするために耐震等級3を取得していないケースもあるでしょう。

費用をかけてまで申請するのはなぜ?

耐震等級3と3相当の違いを知ると、「耐震性が保証されるのなら、費用を払ってまで認定を受ける必要はないのでは?」と思いますよね。 20万円以上の費用を払ってまで認定を受けるのには、次のような理由が挙げられます。

・地震保険が半額になる
・フラット35の金利優遇プラン「金利Aプラン」が利用できる

地震保険は耐震等級によって割引率が決まっており、耐震等級1は10%、耐震等級2は30%、耐震等級3は50%の割引率が適用されます。地震保険に加入している間はずっと保険料が半額になるので、地震保険の加入予定がある方にとっては耐震等級3を取得するメリットは大きいです。

また住宅ローンに関しても、当初10年間は基準金利から0.25%引き下げられる「金利Aプラン」を利用できるというメリットがあります。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の耐震性は本当に同じ?

耐震等級3と耐震等級3相当の違いは、耐震等級を申請しているか、していないかの違いだとお伝えしました。しかし耐震強度の計算方法によっては、耐震性に大きな差が出ることもあるため注意が必要です。

耐震等級の計算方法

住宅の耐震性を判断するときには、「壁」「部材」「地盤・基礎」の3つの分野から計算して評価します。まずは耐震強度の計算方法を見てみましょう。

・構造計算:許容応力度計算、保有水平耐力計算など
・性能表示計算:耐震等級、台風等級など
・仕様規定:壁量計算、四分割法、N値計算など

計算の精密さは「構造計算>性能表示計算>仕様規定」となっており、耐震等級2、3を取得できるのは構造計算と性能表示計算を用いて建てられた住宅です。 仕様規定は構造計算の提出が不要で、耐震性能を維持するための仕様に沿って建てられた住宅は耐震等級1となります。

仕様規定で建てられた住宅も耐震等級3相当になる

「耐震等級の認定は受けてないけれど、耐震等級3レベルの耐震性がある場合に耐震等級3相当といわれる」と、先ほどお伝えしました。しかし、この言葉にはやや曖昧な部分があり、耐震等級3相当は耐震等級3レベルの耐震性であると言い切れないケースもあります

なぜなら構造計算が不要な「仕様規定」で建てられた住宅も、耐震等級3相当と謳っていることがあるからです。たとえば、壁量計算を用いて耐震等級1の1.5倍の壁量にした住宅も、「相当」の観点からであれば耐震等級3相当です。

しかし耐震等級3の強度にするためには、壁だけではなく、筋交いや基礎など住宅の強度のバランスを計算しながら耐震性を考える必要があります。壁量計算だけの耐震等級3相当は、耐震等級3とイコールとは言えません。

「耐震等級3相当」の住宅には、認定を受けていないだけで耐震等級3と同じ耐震性がある住宅と、壁量計算のみで耐震等級3相当と表示している住宅があるのです。耐震性に「耐震等級3相当」と記載されている場合には、どのような計算を用いているのかを必ず住宅会社に確認しておきましょう。

耐震性を理解して、安心して暮らせる家づくりを

オールハウスではお客様の安心安全な住まいを提供するために、構造計算(許容応力度計算)を用いた住宅を設計しております。

「最近地震が多いから耐震性が不安」 「耐震等級はどのくらいあればいいの?」 など、耐震性に不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。