2021.11.05

廊下なしの間取りは後悔する?廊下のない家のメリット・デメリット

建てる

かつて、日本の戸建て住宅では、玄関から家の中に入るとまず「廊下」があり、廊下がリビングやトイレ、和室などに繋がっている…という間取りが一般的でした。

しかし、ここ10年ほどで、下の写真のような「1階の廊下」を作らない戸建て住宅が増えてきているのです。

1階に廊下がない戸建て住宅とは、一体どのような間取りになっているのでしょうか。また、廊下をなくすことでどのようなメリット・デメリットが生まれるのでしょうか。

1階に廊下のない家の間取りはどうなっている?

1. 廊下のある家

かつては図のように、玄関から廊下が伸びて、洗面室やトイレ、そしてリビング・ダイニングへと繋がっているという間取りが多かった日本の戸建て住宅(ピンクで示した部分が廊下)。

2. 廊下のない家

しかし、近年ではこの図ように、玄関ホールが直接リビング・ダイニングに繋がっており、1階に廊下が全くない、あるいは極端に短くなっている家が増えているのです。

この「廊下なし」の間取りは、玄関からの廊下で各部屋をつなぐのではなく、LDKの周りに水回りや個室を配して、LDKを回廊のように使って各スペースにアクセスする仕組みになっています。

廊下のない家の玄関はどんな感じ?

そんなイマドキの廊下のない家の玄関はこのような感じ。玄関土間から一段上がるとすぐにリビング・ダイニングになっています。

こちらはリビングとの間に扉が取り付けられている例。土間から上がった部分は「廊下」とは呼べないほど短くなっています。

廊下のない家のメリット

1. 部屋が広くなる

1階の廊下のない家は、元々廊下に使っていたスペースを部屋として使うことで、リビング・ダイニングなどのお部屋を物理的に広くすることができます。

特に敷地面積があまり広くない場合は、廊下にスペースを割いているとその分リビング・ダイニングが狭くなってしまうため、「廊下なし」の間取りは現実的な選択肢といえます。

2. 開放感がある空間を作れる

玄関から続く廊下の多くは、各部屋につながる狭い通路のようなスペース。

玄関から入ってすぐに開放的なリビング・ダイニングが広がる「廊下なし」の間取りにすることで、家に入ってすぐに開放感を味わえるようになります。

構造上、どうしても圧迫感を感じてしまう廊下を無くすことで、明るくスタイリッシュな空間を作ることができます。

3. 玄関に湿気やにおいが溜まりにくい

廊下は、玄関と各部屋の間につながる扉で区切られた閉鎖的な空間になってしまいがち。そのため、全ての部屋を締め切ると換気が難しくなります。

このために、「廊下には湿気や料理などのにおいがこもりやすい」というケースが多くみられます。 廊下を無くすことで、フロア全体の通気が良くなるというメリットがあるのです。

4. LDKと各部屋がつながり動線がスムーズに

廊下のない家の間取りの多くは、各部屋を繋いでいた廊下の役割をリビング・ダイニング・キッチンのLDK空間が担っています。例えば、リビングの横に和室が隣接していたり、キッチンの奥に水回りの入口があったり、という具合で、LDKが各所につながる回廊のような役割を果たしています。

従来の廊下ありの家では、LDKを出て一旦廊下を通ってから他の場所に移動する必要がありましたが、廊下なしの間取りではそのワンステップが省略され、より移動がスムーズになります。

5. 家族のコミュニケーションが増える

廊下なしの家の多くは、2階へ登る階段もLDKにつながっているものがほとんど。

そのため、玄関から家に入り、2階の個室へと向かう際、必ず他の家族のいるリビングやキッチンのある空間を通ることになります。

廊下のある家の多くは廊下に階段があるため、家族に会わずに自室に帰ることができ、家族とコミュニケーションを取らないままプライベートな空間にこもってしまう…ということも考えられます。家族とのコミュニケーションが自然と取れる構造にすることで、子どもの孤立の防止にも役立つ可能性があります。

廊下のない家のデメリット

1. 動線が交差しやすくなる

廊下のない家は、LDKが回廊のような働きをして各所につながっていることから、家族の動線が交差しやすくなります。
 

写真のように、2階から降りてきた人が右の玄関や水回りの方面に向かう際、リビングでテレビを見ている人の前を頻繁に通らなければならないような家具のレイアウトであれば、お互いが不快感を抱いてしまうかもしれません。

そのため、動線が重なりにくくなるように家具の配置や間取りを工夫する必要があります。

2. キッチンのにおいが広がりやすい

廊下なしの家は、LDKと個室、水回りがつながっているため、個室や水回りキッチンのにおいが伝わりやすいというデメリットがあります。廊下の有無を問わず、キッチンがオープンタイプの場合はどうしてもにおいが伝わりやすくなるため、しっかりと換気対策を行う必要があるでしょう。

3. ドアで隔てられていない場合、玄関から部屋の様子が丸見えになる

この記事の冒頭で取り上げたような、玄関ホールとリビングの間にドアがないタイプの間取りの場合、玄関からリビングなどの室内の様子が丸見えになります。

例えば、宅配業者の方が訪れた際に、リビングでラフな格好のままくつろいでいる状態の他の家族の様子が丸見えになってしまう可能性もあります。気になる場合は玄関ホールとLDKの間に扉のある間取りを選択しましょう。

お部屋の配置を工夫して効率的な「廊下のない家」を考えよう

開放感や広さといった見た目の要素だけではなく、家事動線が短くなる、家族とのコミュニケーションが増える、といった実生活に直結するメリットのある「廊下のない家」。

動線が重ならないように間取りを工夫すれば、限られたスペースを有効活用して、快適な住まいを作ることができます。

そのようなメリットに魅力を感じる場合は、「戸建て住宅の1階には廊下があって当然」という固定概念を取り払って、廊下なしの間取りを検討してみてはいかがでしょうか。