2020.06.03

日本家屋の間取りの特徴とは?現代の家づくりにも取り入れられるメリット5つ

建てる

近年、日本の新築の戸建て住宅の多くは西洋風のデザイン。ここ20年ほどで、家の一室がいわゆる畳やふすま、障子のある「和室」であることもあるものの、リビング・ダイニングやベッドルームはフローリングの洋風のデザイン、という構成の新築の家が増える一方、昔ながらの日本家屋の新築の家はめっきり減ってしまいました。

しかし、西洋風のデザインの家が主流になってきたのは第二次世界大戦後のわずかな期間だけ。それまで長く親しまれてきた伝統的な日本家屋やその間取りには、日本の風土にマッチしたたくさんのメリットがあるのです。これから日本家屋でマイホームを建てたいと思っている方はもちろん、西洋風のデザインでマイホームを建てたいと思っている方にも役立ちそうな、日本家屋の間取りのメリットを5つご紹介します。

日本家屋の間取りの5つのメリット

縁側

縁側(えんがわ)とは、居室と庭の中間にある板張りの廊下のような部分。昔の日本を描いた映画やドラマなどで、縁側に座って庭や星空、花火などを見ているシーンを見たことがある方も多いのではないでしょうか。縁側という中間領域は、家の中にいながら外の空気を感じることができ、気分をスッキリさせることのできる便利な場所。家族や友人たちと縁側でお茶を楽しんだり、庭の手入れに疲れた時にちょっと座って休憩をとったりと、日常的に有効活用できます。

日本家屋の縁側の上には大抵軒(のき)が設けられています。この縁側を覆う軒は、太陽が高い位置に登る夏場は日光が部屋に入るのを防ぎ、低い位置に登る冬場は日光を取り入れてくれる働きがあります。

縁側も軒も、西洋風のデザインの家に設置しても違和感が出にくいため、取り入れやすい設備と言えます。特に近年、夏場の暑さが厳しくなっているため、昔ながらの省エネ設備とも言えるこの2つを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

ふすま

日本家屋でよく見られる、和室と和室を仕切る引き戸のふすま。ふすまを全て開け放たれた状態の、20畳はあろうかというほどの大広間で宴会が開かれている様子を目にしたこともある方は多いのではないでしょうか。ふすまのメリットは、上記の通り、用途に応じて間取りを変えやすいということ。個室が壁やドアで仕切られている場合、取り外して間取りを変えたいと思った場合大規模な工事が必要になります。

それに対して、ふすまは開け放つだけで間取りを変えられます。隅に押しやったふすまを取り外したい場合でも、ドアを取り外すのに比べたら圧倒的に簡単です。

現代の家でふすまが活躍しそうな場面として考えらるのが、前述の宴会のような大人数のホームパーティーを開く時や、子どもが巣立って子ども部屋が必要なくなるなど、ライフステージに変化があった時などでしょう。短期的・長期的いずれの場合にせよ、追加工事なしで間取りが変更できるのは大きなメリットと言えます。

家全体のデザインが洋風な場合は、和紙と円形の取っ手のついたいかにも和風なデザインの襖ではなく、洋風のモダンな引き戸を取り付けることもできるでしょう。

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引き戸

ふすまとは別に、玄関や廊下から居室に入る出入口も引き戸であることの多い日本家屋。引き戸はドアのように開閉のためのスペースを開けておく必要がありません。

そのため、家具や家電を設置できるスペースが物理的に増えることとなり、お部屋のレイアウトの幅が広がるというメリットがあります。模様替えの際も戸の位置をさほど気にせずに行えるでしょう。

また、新築で注文住宅を建てた場合によく見られる失敗例として挙げられるのが、開いた扉の裏側に隠れる場所に照明のスイッチやコンセントの差し込み口を作ってしまった、という失敗。一旦部屋に入って扉を閉じなければ真っ暗で何もできない、となってしまうのです。ドアを採用する場合でも、設計の段階で気をつけていれば問題ないポイントですが、引き戸の場合はそもそも縁のない問題と言えるでしょう。

引き戸もふすまと同様、家が洋風のデザインであれば洋風のものを選ぶことができます。ガラス張りのものを選ぶと、近年の流行とも言える「開放感」を演出することもできるでしょう。

土間

玄関付近の土間も、実は日本家屋の特徴です。西洋の家には、日本のいわゆる「玄関周り」という概念がなく、ドアを開けると靴を履いたまますぐにリビングなどの居室に入るような形式になっている家が多いようです。

この土間の概念は、西洋風のデザインを取り入れたほとんどの日本の家に非常に自然な形で残っています。20平米ほどの狭いワンルームの部屋であっても玄関ドアの内側に狭い土間があり、そこに靴箱が置いてある、という光景を見たこともある人も多いのではないでしょうか。土間は靴を収納するだけではなく、家に持って上がるのは憚られるような様々なものを一時的に収納するのに便利な場所。

最近の洋風のデザインの住宅やリノベーションでも土間は注目されており、自転車を持ち込んだり、雨の日は子どもの遊び場にしたり、DIYを楽しんだりできるような広々とした土間を取り入れた家やマンションが登場しています。

個室ほどの広さがあり、色々な楽しみ方ができる土間のある現代のデザイン住宅もあります。

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自転車を持ち込めるほどの広さの土間をリノベーションで作ったマンションの一室も。

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日本家屋の知恵はこの先も日本人の中に生き続ける

ここで取り上げた間取りの5つのメリット以外にも、調湿機能がある「畳」や光を取り込みながら目隠しのできる「障子」など、古くからの日本家屋には日本での生活に適した知恵が息づいています。純和風のデザインにこだわる場合も、そうでない場合も、日本家屋の優れたメリットを取り入れた家づくりを考えてみてはいかがでしょうか。