2023.03.28

かわいい子には部屋を与え…ず!?子ども部屋なしの家の意外なメリット

建てる

これからマイホームを建てる際、小さなお子さまがいる、あるいはこれから子どもをつくる計画がある人たちが悩みがちなのが、「子ども部屋をどこにつくるか、何個つくるか」という問題。

一方で、明確な子ども用の部屋をあえて設けない「子ども部屋なし」の家を建てる方も、近年増えてきています。従来の考え方の斜め上を行くような「子ども部屋なし」の家にはどのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。

子ども部屋なしの家の意外なメリット

1. 子どもが幼いうちは家族が見守ることができる

小学校に入学する前の幼い子どもは、大人が予測しないような動きをすることがよくあります。そのため、子どもが幼いうちは子ども部屋のような隔離された空間で遊ばせるよりも、親の目の届くリビングや小上がりスペースなどで遊ばせる…という方も多いのではないでしょうか。

また、子どもが幼いうちは親と一緒に眠ることも多いため、意外と子ども部屋を利用する時間そのものが少なくなってくるかもしれません。最初から仕切られた子ども部屋を作らなければ、家族で一緒に暮らすスペースをより広く取ることが可能です。

2. 子どもが部屋にこもってしまうことがない

思春期を迎えた子どもの中には、家族と顔を合わせたり会話をしたりすることを嫌い、子ども部屋に引きこもってしまう子が出てきます。特に学校での人間関係がうまくいっていないなどの理由で子どもが自分の殻に閉じこもって孤立してしまうと、早めに対処しなければその後の人生に深刻な影響を与えてしまうかもしれません。

仕切られた子ども部屋をつくらない場合、常に家族が声をかけたり、様子を確認したりすることができるため、子どもが部屋にこもって孤立してしまうのを防ぐことができるでしょう。

また、子ども部屋をつくる場合でも、玄関からリビングを経由せずに個室に入ることができない「廊下なし」の間取りを導入することで、家族のコミュニケーション不足を解消できると言われています。

廊下のない家のメリット・デメリットはこちら

「なんでも揃っている」子ども部屋はとても危険

テレビやゲーム機、パソコン、漫画本などの、娯楽のアイテムを大量に置くスペースがあり、食事やトイレ以外は外に出る必要がない「なんでも揃っている」子ども部屋は、子どもが部屋の外に出なくても楽しく生活できるようになるため、子どもの性格によっては部屋にこもりがちになってしまうかもしれません。

お子さんが部屋にこもりがちになったと感じたら、ゲーム機はリビングに、漫画本は書斎に、という要領で分散させ、子どもが部屋にこもる原因をつくらないように対策をしてみましょう。

3. 子どもが巣立った後もスペースを有効活用できる

子どもが成人後も実家に住み続け、受け継ぐ意思がある場合は問題ありませんが、子どもが独立して巣立つ場合、子ども部屋は空き部屋になってしまいがち。

そもそも子ども部屋を作らなければ、子どもが将来的に巣立った後も生活スタイルを変えることなく過ごすことができるでしょう。

子ども部屋なしの家のデメリット

1. 就学後は勉強に集中できない可能性がある

子どもが小学校に入学すると、宿題やテスト勉強をするスペースが必要になります。壁で仕切られた子ども部屋があれば、リビングなどの他の部屋の音が聞こえにくいため、子どもが勉強に集中できるというメリットがあります。

しかし、これは子どもの性格による差が大きい部分とも言えます。親の目が届かないところでは勉強をせずに遊んでしまう…という子の場合、子ども部屋で勉強をさせるのは逆効果。また、近くに大人がいるリビングやキッチン近くのワークスペースで勉強をして、わからないところを大人に気軽に質問できる環境の方がいいという子もいることでしょう。

また、音の問題は、子どもが勉強している間は家族が思いやって静かにしてあげたり、耳栓やノイズキャンセリングイヤホンを利用したりと、対策が全くないわけではありません。

2. 思春期を迎えるとプライベートな空間が欲しくなる可能性がある

子どもが中学校に入学する頃になると、自分のプライベートな空間が欲しくなる可能性があります。例えば、親と言い合いになった後、1人になって心を落ち着けたいという子もいることでしょう。

しかし、例えば書斎のような「子ども部屋でない部分」にそのようなスペースがあれば、この点も解決できるかもしれません。親と喧嘩した後、前述のような「なんでも揃っている」子ども部屋に子どもが引きこもってしまうと、最悪の場合長期にわたって外に出てこない可能性もあります。

3. 自己管理能力や自立心が育ちにくくなる可能性がある

子ども部屋がないと、子どもが自分の部屋をきれいに片付けようという心が育たず、親に掃除を任せるため、自己管理や自立心が育ちにくくなると言われています。

しかしこれは、自分の居住空間を散らかさずに掃除するよう親が教育すればよい話。子ども部屋がないからと言って自己管理能力や自立心が育たないというのは偏見であるといえます。全て親が片付けるのではなく、子どもに片付けを任せたり、子どもと一緒に片付けたりするよう心がけることができるでしょう。

必要に応じて仕切りを設けられるようにしておくと便利

ここまで子ども部屋なしの家のメリット・デメリットについて考えてきましたが、近年、子どもが成人後も実家に住み続けるケースは珍しくありません。大人同士が一緒に住むということで、さすがに独立した部屋の必要性を感じることもあるでしょう。

必要になった時にリフォームして壁を作ることもできますが、あらかじめ家具や引き戸などを活用して仕切りを作ることができるように計画しておけば、このような状況に対応することもできます。

ちょっとした工夫でプライベート空間を確保する5つの方法についても下記の記事でまとめていますので、「リフォームはちょっと・・・」という方はそちらも併せてご覧ください。