2022.05.07
建売住宅の賢い選び方とは?ここだけは見ておきたいポイント5選
建てる
戸建てのマイホームを購入する多くの人が直面するのが「注文住宅か建売住宅か」という選択。注文住宅とは、家を建てる土地探しからスタートして、家の構造やデザイン、間取りなどを自分の思うように「注文」して建てていく家のこと。それに対し、建売住宅はあらかじめ建築会社が建築した建物を購入します。
こだわりのデザインや間取りを一から考えられる代わりに、土地探しやプラン決定といった時間や、予算がどんどん膨らんでしまいがちな「注文住宅」。それに対し、「建売住宅」は土地・建物が一挙に手に入るため時間が節約できる代わりに、デザイン・間取りがありふれていたり、仕様に不安が残ったりすることもあります。
今回は、建売住宅を購入する際に確認しておきたい5つのポイントを見ていきましょう。
建売住宅のメリット・デメリット
建売住宅には、すでに建っている家を買うため時間の大幅な節約ができたり、実際に建っている家を内見して購入できるために内装の実際の質感や動線を確認できたり、といったメリットがあります。共働きなどで、家族が揃って家づくりの打ち合わせを行うことが難しいという人にとっては嬉しいメリットだと言えるでしょう。
しかし、間取りや外観・内観のデザインを自分たちで決めることができなかったり、断熱性能や耐震性能が自分達の満足いくグレードのものではなかったり、といった、家づくりに関わることができないがゆえのデメリットもあります。
現実的に、自分達の希望に完全にピッタリと合う建売住宅を見つけることは至難の業。そのため、ある程度優先順位を決めて、一部は妥協する必要があるかも知れません。これから、建売住宅の購入を考える際に、必ず確認しておきたい5つのポイントを見ていきましょう。
見ておくべきポイント
1. 間取り(動線)・収納
これから長い間住むことになるマイホーム。自分達に合わせた間取りの家を建てる注文住宅とは異なり、建売住宅は建築会社が建てた家の間取りのまま過ごすことになります。
そのため、単に家族の人数と個室の数やリビングの広さを気にするのではなく、玄関からリビングまでの動線、キッチンからダイニングやトイレ・脱衣場・浴室といった水回りまでの動線、2階の個室までの動線などをしっかりと確認しておく必要があります。実際に住んだ時どのような暮らしになるかをイメージしておきましょう。
また、内見しただけでは見落としがちなのが収納です。収納が少なかったり、生活する上で不便な位置にあったりすると、長く生活する上でストレスが溜まってしまいます。これから家族が増える可能性のある場合、今よりも物が増えることは避けられません。将来的に収納に余裕がありそうであるかを確認しておきましょう。
2. 窓の位置
単に間取り図を見ただけではわからないのが窓の位置の適切さ。多くの建売住宅は、間取りや仕様を規格化することでコストを落としている場合があり、規格化された間取りのまま土地の実情を考慮せずに建てられることがあります。その結果、窓の大きさや位置が適切ではないことがあります。
実際に内見をすると近隣の建物の影になって光が入りにくかったり、隣の家の視線が気になる位置であったりすることがあるため、注意が必要です。 建売住宅を内見する際は、日中に家の中に明るい自然光が入ってきているか、窓の外の様子に問題がないかを確認しましょう。
3. 断熱性
四季のある日本。家の断熱性が低いと、夏暑く冬寒い家となり、冷暖房費がかさんでしまします。家の中と外の間で、最も熱が出入りするのが、窓などの開口部。窓サッシが断熱性の高い樹脂サッシであれば、従来のアルミサッシと比較してかなり断熱性が上がります。また、窓ガラスが複層ガラスであることも断熱性を考える上では重要です。
窓サッシや窓ガラスは内装や外観と比較すると目立たない部分のため、窓サッシがコストカットのためにアルミサッシになっていることもあります。目に入りやすい内装デザインだけではなく、窓の部分にも注目しておきましょう。
4. アフターサービス・保証
マイホームは購入がゴールではなく、そこからの生活が本番です。入居してから困ったことがあった際、気軽に相談できるアフターサービスがあったり、万が一の際の保証があったりといったことは、長く生活を送る上でとても大切。将来のことを考えて、どのようなアフターサービスや保証がどれくらいの期間受けられるのかを、住宅会社に確認しておきましょう。
5. 将来的なリセールバリュー
ずっと住むつもりでマイホームを購入したものの、転勤や退職など、ライフステージの変化によって売却することになる可能性は意外とあるものです。木造住宅の場合、上物(建物)の価値は築22年ほどで0になると言われるため、高いリセールバリューを保つためには、家のある土地の値段が重要になってきます。その家が、将来売却する時に買い手がつくような場所にあるかどうか、冷静に考えてから購入に踏み切りましょう。
注文住宅レベルの高性能な建売住宅も登場
冒頭で述べたように、日本の戸建て住宅は、自分達のライフスタイルに合う間取りや仕様を選ぶことができる反面、時間とコストがかかってしまいがちな「注文住宅」と、時間・コストの節約なる一方で住宅の間取りや性能に不満や不安が残ることがある「建売住宅」に二分されてきました。
しかし、最近では、分譲住宅という形態を取りながら、注文住宅のようにその土地に合わせて独自に設計され、高いデザイン性や住宅性能を備えた建売住宅も登場しています。
人生最大のお買い物と言われるマイホーム。「建売住宅だから妥協は当たり前」と考えるのではなく、同じ建売住宅の中でも自分達に合った満足度の高い家を探してみてはいかがでしょうか。