2020.09.21

立地選び次第で資産価値が暴落!?住宅購入の失敗を防ぐ3つのポイント

建てる

人生最大のイベント、マイホーム購入。購入当初は生涯住むつもりでも、様々な理由で売りに出したり、賃貸に出したりする可能性は否定できません。

例えば、子どもたちが自立した後、年老いた夫婦2人で一戸建てに住むのは広すぎて不便だと感じることがあるかもしれません。

若い世代であっても、10年ほど住んだものの、転勤によって家族全員で引っ越すことになり、不在の間マイホームを賃貸に出したい、ということになるかもしれません。

しかし、売りに出すにしても、賃貸に出すにしても、その家に対する「需要」がなければ、買い手や借り手が現れないという状況になります。

購入した額と比較すると、考えられないほどに売却価格が下がったり、想定している家賃を下げなければならなかったりと、「家の資産価値が低下」して、せっかくのマイホームが負債となってしまうのです。

逆に、資産価値の低下を抑えることができれば、家がなかなか売れない・貸せないという状況に陥ることはありません。

資産価値の高い家とは、シンプルに言うと「みんなが住みたいと思うような家」のこと。

将来の不測の事態に備え、資産価値の下がりにくい家はどんな家なのか、そのポイントを見ていきましょう。

ポイント1. 駅近

現代日本の都心への主要なアクセス手段である「電車」。電車の駅に近いと言うことは毎日の通勤通学において大きなアドバンテージになります。

通勤・通学をしている現役世代の人たちが住みたいと考えているのも、やはり駅近の家。そのため、一般的に駅近であることは売却の際にも貸し出す際にも高い値段を維持しやすくなります。

電車の駅は、買い物に便利なスーパーマーケットやショッピングモールなどの商業施設と比べると将来的にその地に残り続ける可能性が高い施設です。

商業施設は日常生活においては非常に魅力的なもので、人気のあるうちは家の資産価値の低下の抑制に寄与することでしょう。しかし、経営不振や不景気により意外とあっさりと撤退してしまう可能性も高いものなのです。

実際に、「ニュータウン」と呼ばれる電車の駅から遠い団地で、若者の流出による人口減に伴い、中心部にあったスーパーが撤退したと言う事例は全国で数多く発生しています。

ポイント2. 立地適正化区域内

これから本格的な少子高齢化と人口減が起こると言われている日本。それに備え、全国各地の自治体も対策を講じており、実に384の自治体で街の規模を縮小する「コンパクト&ネットワーク政策」が実施されています(2018年時点)。

この一環として、自治体が定める「立地適正化区域」と言う区域が定められています。立地適正化区域の地価の維持・上昇を目標に掲げている自治体もあるほどで、将来の自分の家の地価を考えるときに無視できない判断材料と言えます。

ポイント1でも触れた通り、現代においても駅から遠く不便な場所は若者の流出による人口減や、商業施設の撤退に悩まされています。これから人口が少なくなり、中古住宅が供給過多になることがわかりきっている状況で、住みたいと思う人が少ない、あるいはいないような場所に家を建てるのはリスクが高い行為と言えるでしょう。

ポイント3. こまめなお手入れ

これまでの日本の家は、「築20年を超えると家の建物の価値はほとんどなくなる」と言われていました。しかし、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を経て、良質な品質を保っていることが保証された中古住宅は積極的に評価していこう、と言う流れが広まりつつあります。

つまり、こまめに修繕工事やリフォームなどを行って家の老朽化を防止しておけば、将来家を売るときには有利になる可能性が高くなっているのです。「どうせ20年もすれば価値がなくなるのだから…」と、家のお手入れを疎かにしないようにしておきましょう。こまめなお手入れは、売却をせずその家に住み続けることになった場合も無駄にはなりません。

戸建とマンションではどちらが資産価値を維持しやすい?

同じような立地で、立地適正化区域内にあり、適切に修繕していると言う場合、戸建住宅とマンションではどちらが資産価値を維持しやすいのか?と言う点が気になる方もおられることでしょう。

ずばり、マンションの資産価値低下は戸建住宅の2分の1の早さで進むと一般的には言われています。

しかし、マンションには戸建には存在しない「管理費」や「修繕積立金」が存在したり、万が一空室が増えて管理組合が正常に機能しない状態になると負担が増えてしまうと言う集合住宅ならではの難点もあるため、その点を認識しておく必要があります。

みんなが住みたい家=あなたが住むのにも快適な家!

駅近で立地がよく、自治体の立地化適正区域内にあるような家は、現時点でも価格はさほど安くありません。しかし、今妥協して不便な場所に家を買ってしまうと、人口減の進む将来は資産価値の低下に苦しむことになる…と言うことをご理解いただけたのではないでしょうか。

みんなが住みたい!と思うような資産価値の高い家は、仮に売りや賃貸に出したりすることがなくても、自分たちが住みやすい家として長く価値のある買い物となります。

高齢となり体力が低下した時でも、駅に近ければ将来的に買い物や通院などに困るリスクは低くなります。また、適切に家のメンテナンスをしていれば、災害に見舞われた時も安心です。

冒頭で述べた通り、人生最大のイベントであるマイホーム購入。「安物買いの銭失い」にならないよう、資産価値を考えて臨みましょう。