
2022.05.08
マンション1階の専用庭とは?メリット・デメリットや使い方まとめ
暮らしのQ&A
分譲マンションの1階の部屋は、戸建て住宅の庭のように「専用庭」になっていることがあります。この点は、バルコニーのみの2階以上の部屋との大きな違いと言えるでしょう。マンション1階の専用庭のあるお部屋に住むと、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。また、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。これから見ていきましょう。
マンションの専用庭のメリット

1. 面積が広いので大きな洗濯物も干せる
バルコニーのみの2階以上の部屋と比較すると、バルコニー+専用庭のある1階の部屋の専用スペースは2倍以上あることも珍しくありません。スペースがあるということは、それだけたくさんの物を干すことができるということ。例えば、冬用の掛け布団や毛布、敷布団などを一度に干すなんてことも不可能ではないでしょう。
また、バルコニーは日光の角度によっては上階のバルコニーによって日陰ができることがありますが、専用庭は一般的に遮る物がないことが多いため、日光をフル活用して干すことができます。
2. 土でガーデニングや家庭菜園ができる
2階以上のバルコニーでガーデニングや家庭菜園を行う場合は、基本的にプランターを使って行うしかありません。しかし、大半の専用庭は大地に直接植物を植えることができます。
当然のことながら、本物の大地に植えた植物はプランターよりものびのびと育ってくれるため、マンションに住みながら戸建て住宅の庭でガーデニング・家庭菜園を作っているような感覚を楽しめることでしょう。
3. ピクニックやキャンプ気分を味わえる
前述の通り、面積が広く天井がない専用庭。テーブルや椅子、簡易ベッドなどを持ち出してピクニックやキャンプ気分を味わったり、日光浴を楽しんだりすることができます。
ただし、その様子は上階から丸見えになっていることを忘れず、羽目を外さないようにしましょう。
マンションの専用庭のデメリット

1. 専用庭の使用料がかかる
日頃は自分の専用の庭として使える専用庭。ついうっかり自分の持ち物であると勘違いしてしまうかもしれませんが、あくまでもマンションの共用部分であり、そのマンションの住民全員の持ち物です。
つまり、マンションの共用廊下やエレベーター、階段、バルコニーのような共用部分と同じように、管理費がかかります。2階以上の住民は、管理費として自分の部屋の専用バルコニーの利用料金を支払っていますが、専用庭のある1階の住人は、バルコニーと専用庭両方の利用料金を支払う必要があるため、大半のマンションでは2階以上の部屋よりも管理費が割高になると言われています。
2. 手入れを行う義務がある
前述の通り、専用庭はあくまでもマンション全体の財産。雑草が伸び放題になっていたり、野良猫のフンが放置されていたりすると、マンション全体の美観が損なわれてしまうため、適切に手入れをしておかなければなりません。
マンションの共用廊下やエレベーターの手入れは管理会社やマンションの住民全体で行うことができますが、専用庭は管理会社や他の住民が立ち入れないため、専用庭のある部屋の住人が自分で手入れする義務があります。
3. 上層階から物が落ちてくる可能性
マンションの専用庭の上は、2階以上の部屋のバルコニーがずらりと並んでいます。そのため、専用庭には上階のバルコニーからさまざまな落下物があることが多いと言われています。風によって飛ばされた洗濯物や洗濯バサミ、上階の住民がプランターで育てた植物の葉っぱなどがいつの間にか自分の庭に落ちている・・・という状況はよくあること。あらかじめ覚悟した上で住みましょう。
故意ではない落下物は仕方がありませんが、悪質な住民が処理に困った家庭ゴミなどを1階の庭に向けて投げ落とすということも、現実に起こっています。大きなマンションであるほど犯人の特定が難しく、他の階の住民にとっては関係のないことであるため、管理組合で意見を出しても親身になって考えてもらえないかもしれません(※マンションによって異なります)。1階の部屋ならではの悩みと言えるでしょう。
マンションの専用庭の注意点

1. マンションの他の住民に配慮
前述の通り、マンションの専用庭はあくまでもマンションの共用部分であり、自分の庭ではありません。そのため、戸建て住宅の庭にいる感覚でバーベキューをしたり、大声で話したりしていると、マンションの上階の住民や、フェンスを隔てた隣の部屋の住民に迷惑がかかります。
特に、音は上に向かって結構な音量で聞こえてしまうもの。1階の専用庭で大声を出すと、3階くらいまで会話内容が丸聞こえに。度を超えた馬鹿騒ぎは上階の人から恨みを買い、物を投げ落とされるなどのトラブルの原因になるかも知れません。あくまでも自分は戸建て住宅ではなく、集合住宅に住んでいるという自覚を持って行動しましょう。
2. ガーデニングや家庭菜園をやりすぎてはいけない
地面に直接植物を植えることができるため、戸建て住宅の庭のようにガーデニングや家庭菜園を楽しむことができる専用庭。しかし、これもあくまでもマンションの他の住民に迷惑がかからないように配慮しなければなりません。
例えば、安価だからといって家庭菜園の肥料に鶏糞のような臭いの強いものを使用するのはもってのほか。中には、庭の土を柔らかく掘り返し、そこをペットの猫のトイレにする…といった驚きの事例もありますが、常識的に考えて他の住民の迷惑になるため、控えておきましょう。
3. 大型の物置を設置するのはNG(管理規約にもよる)
マンションの管理規約にもよりますが、専用庭であるからといって、大型の物置を設置するのはNGな場合があります。これは単にマンションの美観が損なわれるという理由だけではありません。
前述の通り、マンションの専用庭はあくまでもマンションの共用部分であり、火災などが発生した際は住民が避難する通路として使われることがあるのです。そこに通路を塞ぐような大きな物があると、避難の妨げになってしまいます。万が一の際、避難の邪魔になるような大きなものを専用庭に置くことは控えましょう。
あくまでもマンションの共用部分であることを忘れずに!

マンションに住みながら、戸建て住宅の庭のような体験ができる専用庭。しかし、専用庭はマンションの共有部分であるが故に、さまざまな制約があります。専用庭があるからといって、戸建て住宅の庭のような自由な使い方はできないことを覚えておきましょう。
マイホームを購入するにあたって、庭でバーベキューや本格的な家庭菜園を自由に楽しみたいという場合は、専用庭のあるマンションにこだわらず、戸建て住宅も検討してみてはいかがでしょうか。