
2021.03.04
窓の多い家は後悔する?メリットとデメリットを解説
建てる
窓が多い家って、開放的でカッコ良さそうだな…マイホームを建てるなら大きな窓がたくさんある家にしたい!
と、考えている方も多いのではないでしょうか。大きな窓がたくさんある家は、確かに開放的で未来的な印象になります。実際に、建築家の設計したおしゃれな家でも、大胆なほどに大きな窓を取ったものも見られます。今回は、窓を多くすることで得られるメリットと、デメリットを見ていきましょう。
窓の多い家のメリット

開放感が出る
大きな窓が多い部屋は視線が外に抜けるため、壁に囲まれている部屋よりも開放感が高く、実際の広さよりも広く見えます。外の風景を楽しむことはもちろん、子どもが庭で遊んでいる様子をリビングやキッチンから見て安全を確認することもできるかもしれません。
お部屋の方向にもよりますが、朝日や夕日を見たり、季節の移ろいなどを感じたりしながら生活ができることでしょう。
採光性が上がる
窓が多いと、必然的に外からの光を多く取り込むことができます。そのため、室内が明るくなり、日中は照明を点けずに生活することができるかもしれません。時間帯によって太陽が差し込まなくなる東向きや西向きの家の場合は、天窓やハイサイドビューを活用しましょう。
風通しが良くなる

お部屋の換気を行う際は、お部屋の2面の窓を開けると風がよく通ります。窓が多いと空気の出入り口が多くなるため、室内の換気をスムーズに行うことができるでしょう。
外観がおしゃれになる
開放的で未来的な空間は、部屋の外から見てもかっこよく見えます。窓が多い家は、現代においても「普通の一般的な家とはちょっと違う」と感じさせる個性となります。マイホームにオリジナリティーを持たせたい場合には打って付けの手法と言えるでしょう。
窓の多い家のデメリット

外気温の影響を受けやすい
窓は壁に比べて断熱性が低くなります。実際に、家の中の熱が外に出る原因の約70%が窓であると言われています。窓が多いということは、それだけ室内の熱が外に伝わってしまうことであり、逆に外の熱が室内に伝わってしまうということ。
春や秋は問題ないかもしれませんが、35度を超えるような真夏日や氷点下になる冬の日は通常の家よりも暑くなったり寒くなったりしやすいということ。その分、暖房・冷房のための光熱費もかさんでしまいます。窓をたくさん配置したい場合は、窓ガラスを複層ガラスにしたり、窓サッシを樹脂製のものに変えることで、断熱性を高めて対策しましょう。
防犯性やプライバシーが心配

空き巣の侵入経路の約6割が窓からであると言われています。残念なことに、窓が多いということは、少ない家よりも空き巣被害に遭うリスクが高いということになります。防犯カメラの設置など、セキュリティーを強化する必要があるでしょう。また、ロケーションにもよりますが、窓が多いということは外からの視線が入りやすくなるということ。
せっかく大きな窓をいっぱい付けた家にしたのに、視線が気になるあまりほとんどカーテンやブラインドをしているのでは、窓を多く付けた恩恵が受けられません。
すぐそばに人通りの多い道路や隣の家の窓があるような場合は、視線の入りづらい角度を考えて窓を設置したり、マジックミラーの窓にするなど対策が必要です。
遮音性が下がる
窓は、壁に比べて遮音性が低い部分。外が交通量の多い幹線道路や線路沿いのような騒音のある場所だと、窓を多く作った分音が部屋に入って来やすくなってしまいます。そのような周辺環境の場合は、道路や線路とは反対側に窓をつけたり、価格は高くなるものの防音性の高い窓や二重窓をつけて対策しましょう。
しかし、外の音が入ってきやすいということは、環境によっては悪いことではありません。例えば海沿いの家であれば、海の波の音が聞こえやすくなり、森のそばの家であれば小鳥のさえずりも聞くことができるでしょう。
家具の配置に困る
窓が多い部屋で意外と困ってしまうのが、家具の配置です。例えば、本棚やタンスなど、壁沿いに置くタイプの収納家具を窓際に配置すると、外から見たら家具の裏側が見えてしまうことになり、美しいとは言えません。

また、家具も人と同じように長時間紫外線に晒されると「日焼け」をしてしまいます。特に紫外線に弱い暖色系の色の家具は、直射日光に晒されるままにしているとすぐに色褪せてしまいます。また、家具の表面の塗装がざらついてきたり、革製品がひび割れてくる可能性もあるため、家具を長時間日光に晒すのは避けた方が良いのです。
家具を長持ちさせたい場合は、直射日光の当たる時間はカーテンをしたり、直射日光の当たらない場所に配置するなどの工夫が必要です。
メリットもあるが通常の家にはない手間も多い

窓が多い家は、通常の家にはない開放感や明るさ、おしゃれさをもたらしてくれます。しかし、断熱性や防音性の低下など、他の家とは違っていることによる代償もあることを理解しておきましょう。高い買い物であるマイホーム作りにおいて、窓の多いことによるメリットを取るか、生活の快適さを取るか、家族でしっかりと検討しましょう。
また、自分たちだけで考えるのが不安な場合は、土地探しや施工経験の豊富な住宅会社に相談してみるのも良いかもしれません。