
2023.11.29
住宅は高断熱仕様がいい?快適に暮らすために知っておきたい断熱性のこと
建てる
住宅展示場や住宅会社の見学に行くと、必ず目にするのが「高断熱の家」という言葉ではないでしょうか。断熱性は高いほどいいような気がしますが、そもそも「断熱性」とは何かご存じですか?
今回は、住宅における断熱性の基本をお伝えしていきます。断熱性を高めるポイントや、目安とする断熱性の基準もお伝えしていきますので、これから家づくりを考えている方はぜひ参考にしてください。
そもそも「断熱」とはどんなもの?

住宅における断熱のイメージといえば、「夏は涼しく、冬は暖かく」過ごせるイメージがありますよね。ここでは断熱性のイメージだけではなく、断熱がどんなものなのか、もう少し理解を深めていきましょう。
断熱性能とは?
「断熱」は文字通り「熱を断つ」という意味で、「断熱性能」は外気の寒さや暑さなどを住宅に入れないように遮断し、室内の熱を外へ逃がさなくする性能のことです。
断熱性能が高いほど外気温の影響を受けにくく、室内を快適な温度に保てます。 断熱と似た言葉に「遮熱」がありますが、遮熱は日射を吸収しないように反射する性能で、熱が室内に入り込む前に熱を遮断します。
断熱と遮熱を物に例えると、遮熱のイメージはブラインドや日傘、断熱のイメージはダウンジャケットです。それぞれ役割が違うことがわかりますよね。
UA値とは?
断熱性と必ずセットで出てくる言葉に「UA値」があります。 UA値は「外皮平均熱貫流率」といって、住宅からの熱の「逃げやすさ」を示す数値です。
熱は逃げにくいほうがいいので、UA値が小さい住宅ほど断熱性は高くなります。 UA値は断熱性の高さを決める基準となっており、国土交通省が定める省エネ住宅の基準はUA値「0.87」です。 しかしこの数値はあくまで“最低基準”なので、基準を満たしているからといって必ずしも断熱性が高い住宅とは限りません。 これから住宅を建てるときに基準にしたいUA値は、後ほど説明します。
断熱等級とは?
住宅の耐震性を示す指標に「耐震等級」がありますが、住宅の断熱性を示す数値は「断熱等級」といいます。正式名称は「断熱等性能等級」で、国土交通省が制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において設けられた基準です。等級には1〜7の7段階あり、数字が大きいほど断熱性が高くなります。等級ごとの断熱性の違いを簡単に見てみましょう。

概要をパッと見ただけではイメージしづらいかもしれませんが、UA値を見てみると数値に大きな違いがあることがわかります。また、先ほど説明した省エネ住宅の基準を満たす断熱等級は4以上になります。
断熱性を高める3つのポイント

住宅の断熱性はどうやって高めるのか、断熱性を高めるポイントを3つ説明していきます。
断熱施工をする
断熱性を高めるために大切なのが、断熱施工をすることです。ひとくちに「断熱材」といってもさまざまな種類があり、それぞれ施工方法や特徴が異なります。断熱材を選ぶときには、それぞれの特徴を知ったうえで決めることが重要です。
たとえば「グラスウール」は安価で耐火性があるものの、施工が難しいのが難点。施工者の技術力によって、断熱効果に大きな差が出ます。そして吹き付けの「発砲ウレタン」は断熱施工と気密施工を同時にできますが、価格はグラスウールの2倍ほどかかります。価格やメリットだけにとらわれず、デメリットも踏まえてどの断熱材を使用するか検討する必要があります。
窓の断熱性を高める
断熱性を高めるために見逃してはいけないのが、窓の断熱です。暑さの7割、寒さの6割は、窓を通して入ってきます。どんなに断熱材を使って住宅の断熱性を高めても、窓の断熱を怠ると「夏は暑く、冬は寒い」家になってしまいます。
住宅全体の断熱性を高めるためには、窓の断熱も意識してみてください。窓ガラスを選ぶときには、断熱性の高い複層ガラスが理想的。サッシは熱が伝わりにくい、樹脂製のものを選びましょう。そして窓の断熱性を高めるために最も大切なのは、むやみに窓を増やさないことです。「おしゃれだから」「開放感がほしいから」という理由で室内のあらゆる部分に窓を設ける方が多いのですが、窓を増やすとその分、断熱性は下がってしまいます。
住宅の断熱性を重視するのであれば、窓の数と大きさは、採光が確保できる程度にとどめておきましょう。
住宅の気密性を高める
「気密性」は住宅の隙間を極限まで減らして、室内と屋外の空気を分断する性能のことです。住宅の断熱性を高めるときには、同時に気密性を高める必要があります。どんなに断熱性を高めて熱を伝わりにくくしても、気密性が低い家は外気の影響を受けてしまうからです。
気密性の数値は「C値」で表され、C値が小さいほど気密性が高い家ということになります。気密施工をしていない住宅のC値はおよそ10㎠/㎡前後ですが、気密施工をするのなら目指す数値は0.5㎠/㎡以下です。C値は実測値なので、家を建てて気密測定をするまで数値はわかりません。断熱性とともに気密性も高めるためには、住宅会社が目標としているC値をあらかじめ確認しておきましょう。
新築の断熱性はどのくらいあればいい?

ここまでは断熱性がどんなものなのか、どうやって断熱性を高めるのかなどを説明してきました。けれどこれから住宅を建てるみなさんが気になるのは、「どのくらいの断熱性があれば快適に暮らせるのか」という部分ではないでしょうか。
先ほども紹介したように、省エネ住宅の最低基準はUA値0.87ですが、広島県で高断熱住宅を目指すのならUA値0.6以下になる断熱等級5のZEH基準。この基準をクリアすれば、ある程度の断熱性は確保できます。そして断熱施工に予算が取れるのであれば、目指したいのはUA値0.46以下のHEAT20 G2グレードの基準です。この数値を目指して断熱性を高めれば、夏は涼しく冬は暖かい家で、1年中快適に暮らせるでしょう。
さらに断熱性を高めるのであれば「HEAT20 G3」の基準を目指すのも良いですが、G1グレードをG2グレードにするためには約40〜60万円に対して、G2グレードをG3グレードにするためには200万円近く追加費用が必要です。
「どこまで断熱性を求めるのか」「断熱施工、気密施工にどこまで費用を充てるのか」を、予算のバランスを見ながら考えてみてください。
高断熱住宅は健康にも家にもやさしい

高断熱の家は1年中快適に過ごせて省エネ性が高いだけではなく、ヒートショックを防ぎ、健康に過ごせるというメリットもあります。これから注文住宅を建てるのなら、UA値0.6以下、断熱等級5のZEH基準以上になる家を目指しましょう。オールハウスの注文住宅は、断熱等級6(HEAT20 G2 UA値0.46以下)を確保しており、暑い夏も寒い冬もエアコン1台で快適に過ごせる仕様になっています。オールハウスの家がどのくらい快適なのか、ぜひモデルハウスに体感しにいらしてください。