2021.03.03

木造とどこが違う?重量鉄骨造の戸建てのメリット・デメリット

建てる

マイホームを検討する際、家の「構造」をどうするのか迷う方も多いのでは無いでしょうか。日本の戸建て住宅の多くは木造住宅ですが、近年では鉄骨造や鉄筋コンクリート造の戸建て住宅も増えてきています。

今回取り上げる「重量鉄骨造」は、戸建て住宅を作るというよりもアパートやマンションなどの集合住宅やビルといった大型の建物を建築する際に頻繁に用いられる構造。重量鉄骨造の戸建て住宅にはどのような特徴があるのでしょうか。

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いとは?

鉄骨造の建物には、大きく分けて2つの種類があります。賃貸アパートやマンションの物件情報を見ていて、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」という感じで軽量・重量という言葉を明記している物件を見かけたことがある方も多いのでは無いでしょうか。

この鉄骨の軽量・重量を分ける基準は、鉄骨に使用されている鋼材の厚みです。 鋼材の厚みが6mm未満の鉄骨が使われている建物を「軽量鉄骨造」、それ以上の厚みの鉄骨が使われている建物が「重量鉄骨造」と呼ばれています。

軽量鉄骨は軽いため建築の際に扱いやすく、重量鉄骨は厚み分だけ頑丈さが高いという特徴があります。戸建て住宅の住宅メーカーが「鉄骨造の住宅です」という場合、多くは軽量鉄骨の住宅を指していると言われています。

しかし、地震や豪雨に伴う洪水など、自然災害の規模が年々大きくなっている日本でこれから家を新築するに当たって、頑丈な重量鉄骨の家が注目を集めています。2015年9月に発生した、鬼怒川の決壊に伴う大洪水の際、周辺の家が全て流されてしまう中、たった一軒耐えた「奇跡の白い家」が話題となりました。

この白い家は重量鉄骨造の戸建て住宅で、構造が頑丈であることや基礎がしっかりと作られていることで濁流に耐えることができたと言われています。今回は、頑丈さが際立っている重量鉄骨について詳しく見ていきましょう。

重量鉄骨造のメリット

耐震性が高い

軽量・重量ともに、鉄骨造の住宅は鉄や鋼が「しなる」ことで地震の揺れを吸収する仕組みになっているため、耐震性に優れています。一般的な木造住宅と比較すると、鉄骨造の住宅は完全に倒壊する可能性が低いと言われています。

さらに、重量鉄骨造の住宅は骨組みにあたる鉄骨が分厚く頑丈なことや、建物を支えるために基礎が地盤改良を行うなどしてしっかりと作られているためより頑丈であるといえます。

広い空間が作れる

重量鉄骨造の家は柱となる鉄骨の強度が高いため、木造の家と比較して建物を支える柱の数を少なくすることができます。そのため、広々としたリビング・ダイニングや吹き抜け、一面ガラス張りの窓など、思い切った開放的な間取りの家を作ることができます。狭い土地や変形地などに家を建てる際も、建物の強度を保ちながら広い空間を取ることが可能です。

品質が安定している

鉄骨は木材とは異なり、工場で製造されています。木材は生き物のため、生育環境などによって品質にばらつきがあることもありますが、鉄骨の場合はその差が小さく済むため、「当たり外れが少ない」素材であると言えるでしょう。

重量鉄骨造のデメリット

地盤改良に費用がかかる可能性

重量鉄骨は厚く頑丈な分、重い素材。そのため、重量鉄骨を支えるために基礎をしっかりと作る必要があるため、木造や軽量鉄骨よりも費用がかかると言われています。地盤が弱い場合は地盤改良を行う必要もあるため、費用とともに時間がかかる可能性もあります。

夏と冬は外気温の影響を受けやすい

木と比べ、鉄は熱を非常に伝えやすい素材。そのため、木造の住宅と比較すると、「夏暑く、冬寒い」家になりがちと言われています。壁の断熱材や気密性、設備などで、このデメリットを補えるよう対策しておきましょう。

重量鉄骨の防音性は?

鉄骨造の家のデメリットとして挙げられることの多い「防音性の低さ」。特に軽量鉄骨造のアパートに暮らしたことがある人の中には、壁が薄いために隣の部屋の音が丸聞こえだったという経験をした人もいるようです。壁にコンクリートの入っている鉄筋コンクリート造の建物と比べ、木造と鉄骨造の建物は防音性が低いと言われています。

しかし、防音性に関しては「鉄骨造であること」よりも、「壁の厚さ」や「防音材が入っているかどうか」が重要。軽量鉄骨よりも柱の太い重量鉄骨は壁がより厚くなるため、軽量鉄骨よりも防音性が高くなるといえます。何もしないよりも当然費用はかかってきますが、防音材を入れるなどしっかりと対策を行えば防音性を十分に高めることができます。

コストがかかる分メリットも多いのでよく調べよう

柱の数が少なく済むために開放的な空間が作れ、地震や洪水などにも強い重量鉄骨造の戸建て住宅。重量鉄骨造の戸建て住宅は、集合住宅やビルなどに使われる工法で戸建て住宅を作っていることになるため、通常の木造や軽量鉄骨造の住宅よりも費用がかかってしまうものの、マイホームの安全性を重視する人にとっては、魅力的な工法と言えるでしょう。

自分たちのマイホームを木造にするべきか、重量鉄骨造にするべきか迷うときは、それぞれの工法を得意とする施工業者に相談に行くのも良いでしょう。