2022.04.28

エアコンの電気代を節約して値上げの夏を乗り切る!節電の鉄則5ヵ条

暮らしのQ&A

ここ最近、毎年のように記録的な猛暑がやってくる日本。最高気温が35℃を上回る猛暑日が何日も続き、最高気温が40℃を上回ることも珍しくなくなりました。

気温の高くなる時間帯は、エアコンをつけざるを得なくなってきている日本の夏。エアコンを稼働すると当然ながら電気代が多くかかり、夏場と冬場は春秋の倍ほど電気代がかかるという方も多いのではないでしょうか。

2022年の夏は値上げの夏!電気代は過去5年間で最も高い水準に値上げ

この春から、電気代をはじめとする様々なものの値段が上がってきています。電気代に関しては、2022年の5月から日本の大手10社が全て値上げに踏み切り、過去5年間で最も高い水準に値上げが行われるという異常事態です。

電気代が値上げされる理由は、ウクライナ情勢の緊迫化などの理由による燃料のLNG(液化天然ガス)、石炭などの輸入価格の上昇であるといわれています。今後、事態がどのように進展するかは全く予測ができませんが、エアコンの使用により電力の使用量が増える夏に向けて対策をしておくならば、どのような状況になったとしても役に立つことは間違いありません。

何も対策を行わないまま「値上げの夏」に突入しないためにも、これからエアコンの冷房の電気代を節約する方法を見ていきましょう。

1. 風量設定を「自動」にする!

エアコンの風量を「自動」にしておくと、始めのうちに強風でお部屋を冷やし、その後は弱風で室温を調節してくれます。

「始めのうちに強風にするよりも、ずっと弱風にしていた方が節電になるのでは?」と考える方もおられるかもしれませんが、ずっと弱風にしていると室温を下げるのに時間がかかるため、始めに強風で一気に室温を下げるよりも効率が悪くなってしまうのです。

冷房時のエアコンの風量の「自動」設定は、最も効率の良い方法(=電気代のかからない方法)であると覚えておきましょう。

2. 室温の調節は電源のON/OFFで行わず「設定温度」で行う!

エアコンの電気代節約の方法として考えがちなのが、「ある程度お部屋が冷えたらエアコンの電源をこまめに切り、また暑くなってきたらエアコンをつける」という方法。実はこの方法で室温を調節していると、かえって電気代が余計にかかってしまうのです。

実は、エアコンが最も電気を使うのは電源を入れた直後(=上昇した室温を下げる時)。室温を下げる運転よりも、室温を設定温度に保ち続ける運転の方が電力を節約できるのです。室温が低いと感じ始めたら、電源を切るのではなく、設定温度を上げて調節しましょう。

3. 風向は水平に!

お部屋を効率よく冷やすには、エアコンの風向を水平にするのがおすすめです。上向きに風を送るのが可能な機種であれば上向きにしてもOK。これは、冷たい空気が下に向かって移動しやすいこと利用した方法。エアコンの冷風を天井付近に向けて吹くことで、冷たい空気が床に向かって下り、空気の循環が起きて室温が効率よく下がります。

※反対に、暖かい空気は上に向かって移動しやすい性質があるため、暖房の際は風向を下向きにするのがおすすめです。

4. 暑さを感じる時は温度より先に風量を調節!

エアコンをつけてもあまり涼しくならないな…と感じるときは、エアコンの設定温度を下げるよりも先に、風量を一時的に強くして、体感温度を下げてみましょう。設定温度を下げるよりも、風量を上げる方が消費電力を少なく抑えることができます。

5. 理想の設定温度は26℃〜28℃

冷房時のエアコンの設定温度は、1℃上げるごとに約10%の節電になります。設定温度25℃以下の冷風に当たり続けると、体が冷えすぎて健康に悪影響を及ぼしかねません。冷房時のエアコンの設定温度は、26℃以上に設定するのが健康においても、電気代においても理想的であるといわれています。

そうは言っても、これまでの経験上、「26℃では全然涼しくならなかった…」という方もおられるかもしれません。しかし、その経験は、今回取り上げた1.〜4.の方法を試していなかった時のもの。今年の夏は設定温度を下げる前に、風量や風向を工夫して実験してみてはいかがでしょうか。

エアコンの設定以外でも省エネのためにできることがある!

ここまで、「エアコンの設定を工夫する」ことで、冷房の効率を上げて省エネする方法について考えてきましたが、設定以外にも省エネのためにできることがあります。

1. フィルターをこまめに掃除する

エアコンのフィルターが埃で詰まっている状態だと、エアコンの動作が悪くなり、同じ温度にする場合でも消費電力が多くなってしまいます。実は、エアコンのフィルターをこまめに掃除するだけでも4%もの電気代を節約できるといわれており、フィルターの汚れは決して軽くみてはいけないものといえます。

ほぼ毎日エアコンを使うことになる夏場。エアコンのフィルターは2週間に1回くらいの間隔で掃除するようにしましょう。

2. 室外機の前に障害物を置かないようにする

意外に思われるかもしれませんが、エアコンの室外機はエアコンの省エネと密接に関わっています。室外機の吹き出し口の前に障害物があり、排気した熱がこもりやすくなると、その熱い空気を室外機が吸い込んで冷房効率が下がる「ショートサーキット」という現象が発生し、冷房効率が下がってしまうのです。

エアコンの室外機の前には極力何も置かず、風の通り道を作ってお部屋の熱気がうまく外に逃げるようにしておきましょう。

エアコンの「室外機」の環境を工夫して省エネする方法はこちら

3. 窓やドアを開けっぱなしにしない

これは多くの方がすでに実践している方法かもしれませんが、エアコンでお部屋を冷房しているときには部屋の窓やドアを開けっぱなしにしないように注意しましょう。

2年ほど前からのコロナ禍の影響で、大勢の人が集まる施設などでは常に換気をするのは常識となっていますが、家に自分や家族だけがいるという状況では、換気の時間以外は窓やドアなどを閉め、冷気の流出を抑えましょう。

エアコンのつけっぱなしは節電になるの?→時と場合による

「エアコンを外出時に切るよりも、つけっぱなしにしていた方が省エネになる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、この「つけっぱなし」によって得られる省エネ効果は、時と場合によっては有効ですが、やり方を間違えると逆に電気代がかかってしまうこともあります。

エアコンを「つけっぱなし」にした方が省エネになる状況は、主に次の2つです。

・30分くらいの短い外出をする時
・外気温が暑すぎる

この記事でも取り上げた通り、エアコンは起動直後に室温を下げる際に最も電力を使います。そのため、30分程度の外出ならば、電源を切って再度入れるよりも、つけっぱなしの方が省エネになるのです。

また、外気温があまりにも暑すぎる時は、1時間を超える長時間の外出であってもつけっぱなしの方が省エネになることがあります。外気温があまりにも高いと、エアコンを切ると室温がかなり上がってしまうため、再度電源を入れてお部屋を冷やすよりも、実はつけっぱなしで室温を保っている方が消費電力が少なく済むのです。

猛暑日の続く中での節約は無理のない程度に

夏のエアコン使用による電気代の上昇は、毎年猛暑となる日本では避けることのできない問題になりつつあります。実際、40℃を超えるような日は、これまでの生活では考えられない暑さによって体調を崩す方もおられることでしょう。

省エネのためにさまざまな工夫をすることはもちろん大切ですが、節約にこだわりすぎて無理をするのではなく、あくまでも自分や家族の命と健康を第一にして夏を乗り切っていきましょう。