
2019.08.14
再開発により進化を続ける中央駅。「広島駅」周辺エリア
広島の街
広島市の中で、ここ10年最も変わったエリアといえば、広島駅周辺エリアと言ってもよいでしょう。
10年ほど前から、自治体主導で計画されていた再開発プロジェクトが続々と完成し、以前の街とは全く別物の街に変わっている広島駅周辺。その魅力を特集します。
広島駅北口周辺
かつて、広島駅の北口には数十棟のJRアパート、古い戸建て住宅、地元のショッピングセンターなどが立ち並んでいました。
街並みは老朽化しており、女性や子どもが一人で出歩くのは憚られるような、薄暗い雰囲気が漂っていたことは否めません。
そんな広島駅北口の若草町(わかくさちょう)、二葉の里(ふたばのさと)エリアの雰囲気が一変したのが、2008年ごろ。
広島駅の道向かいにあった老朽化した「若草ショッピングセンター」などの一帯が取り壊され、高さ109mのタワーマンション「ザ・広島タワー」をはじめとする複合施設へと生まれ変わったのです。
施設の完成後、薄暗かった街並みは一変、真新しい都会的な雰囲気へと変貌を遂げました。

また、2011年には、広島駅のすぐ横に外資系ホテル「シェラトングランドホテル広島」が開業。
タワーマンションのある施設から、シェラトングランドホテル広島、そして広島駅新幹線口を直接結ぶペデストリアンデッキの建設も開始されました。
それから数年経った現在、このペデストリアンデッキは広島駅新幹線口全体を覆うように拡大しています。
そして、北口(新幹線口)から広島駅南口を結ぶ自由通路の開通により、さらに利便性が向上しています。
様々な施設が移転してきた二葉の里

かつてJRアパートが立ち並んでいた二葉の里地区には、民間や公共の施設が多数移転しています。テレビ局・広島テレビの本社オフィス、エネコム広島ビル、広島県医師会館、スーパーの大手・イズミの本社ビル兼店舗、広島東警察署などの新しい建物が立ち並び、従来の薄暗い街の雰囲気が一変しています。
さらに将来的には、この二葉の里地区の中心部に、都市高速・広島高速5号線の出口が完成する予定です。駅前から高速道路に乗ることができるようになるため、広島の都市としての利便性が格段に上がることが期待されています。
20世紀末から再開発の進む南口

広島駅南口は、1990年代末から再開発が進められ、再開発のAブロックには、地元のデパート「福屋(ふくや)」の入居するエールエールA館と広島駅につながる地下道が1999年に完成していました。
しかし、広島駅南口の東側に位置するBブロック、Cブロックの開発はなかなか進まず、古くからある市場などの古い街並みが21世紀まで残っている状態でした。レトロな雰囲気が特定の人々に支持されていたこのエリア。しかし、かつての北口と同様、独特の雰囲気がありました。
しかし、2010年代に入り事態が大きく動き出します。Bブロックの再開発が始まり、2016年、地下2階、地上52階建てのタワーマンションや家電量販店、パチンコ店などを擁する「シティタワー広島・BIG FRONTひろしま」が開業したのです。

更に、駅に近いCブロックでも2010年代になって開発が始まり、2016年末〜2017年に、家電と本屋を融合させた店舗「蔦屋家電」や、タワーマンションを擁する「グランクロスタワー広島・EKI CITY広島」が開業。
Bブロックと合わせて、南口の雰囲気がガラッと変貌したのです。
実は都心ではなかった広島駅周辺
広島は、中央駅と都心が離れている特殊な街です。この記事でも触れましたが、再開発が行われる前、駅周辺には老朽化が激しい住宅街や市場など、都心とは言い難い街並みが広がっていました。
昔から広島市に住んでいる人にとっては、広島駅周辺はいわゆる「中心街」と呼べる場所ではなかったのです。
しかし、一連の再開発により、駅周辺は中心部の八丁堀(はっちょうぼり)や紙屋町(かみやちょう)と肩を並べるまでは行かないものの、中心街と呼んでも遜色ない街並みに生まれ変わっているのです。
これからも進化を続ける駅周辺

広島の玄関口の風景を一変させた広島駅周辺の再開発。その道のりはまだまだ続きます。
2020年代に入ると、広島駅の駅ビルが大改装され、オフィスやホテルを有する複合ビルが建設される予定です。
また、市内を走る路面電車が一部高架化し、広島駅の2階に乗り入れるように改装されると言われています。
従来の古い住宅街から、都市の中心街へと駅周辺は進化を続けていくのです。