catch-img

郊外の団地はなぜ高齢化・過疎化しやすいの?


目次[非表示]

  1. 1. 高度経済成長期と団地
  2. 2. マイホームを持たない若年層の増加
  3. 3. 都心回帰が進む
  4. 4. 団地に残る親世代の高齢化
  5. 5. 現在造成されている団地は今後どうなる?
  6. 6. リフォームやリノベーションによる再興の兆し


東京都の多摩ニュータウン、大阪府の千里ニュータウン、そして、広島にある高陽(こうよう)ニュータウン。高度成長期に大都市の郊外地域に作られたニュータウンと呼ばれるような「団地」には、かつてたくさんの人が住み、賑わいを見せていました。しかし、現在は住民の高齢化や過疎化に悩まされています。多くの郊外型の団地は、なぜ現在高齢化・過疎化に悩まされているのでしょうか。その原因を考えていきましょう。


1. 高度経済成長期と団地


昭和30年代、40年代の高度経済成長期には、日本の大都市の郊外地域に、たくさんのニュータウン(巨大な団地)が造成されました。戦後まもなく誕生した団塊の世代が家庭を持つことにより起こったベビーブームも追い風となり、若い世代が郊外の団地にどんどんマイホームを購入していたのです。


かつての団地は、団地の中にスーパーマーケットや医療機関、教育機関などが揃っていることがほとんどで、団地の中から出なくても生活に困ることが少なかったようです。「作れば売れる」と言う状況が約20年も続いた結果、都市部よりも土地価格の安い郊外地域に多くの団地が作られていきました。


2. マイホームを持たない若年層の増加


平成に突入する頃には、日本の高度経済成長が終わり、バブル崩壊によって長期間の不景気がやってきました。多くの若者が非正規雇用などの収入の少ない仕事をせざるを得ない世の中となり、企業の従業員のリストラなども頻繁に行なわれるようになったことで、土地や家がかつてのようには売れなくなってしまいます。そのため、高度経済成長期のように、若い層がニュータウンにマイホームを買う、と言うことが少なくなってしまったのです。


3. 都心回帰が進む


バブル経済の崩壊により、異常な土地価格の高騰が収まり、かつては手の出ないような値段だった都市部の土地価格が落ち着きました。そうなると資金に余裕のある人は通勤に便利な都市部の土地やマンションを買うようになります。わざわざ山奥の不便な土地を買い、坂道に耐えて長時間電車に揺られる、と言う生活に魅力を感じる人が減ってしまったのです。結果、団地出身であっても、自分の住処は都市部にすると言う人が増え、団地の過疎化が進んでいきました。


若年層の多くが比較的便利な都市部に住むようになったため、団地の中にあるスーパーマーケットなどの売上は当然右肩下がり。スーパーマーケットも営利企業である以上、採算性の悪い店舗は閉店しなければなりません。しかし、団地の中にあったスーパーが撤退すると、そもそも商店の少ない田舎の山の中にある団地での買い物はとてつもなく不便になってしまいます。この不便さにより、さらに転出者が増えていきます。


4. 団地に残る親世代の高齢化


団地出身の若年層(子どもたち)が、続々と都市部に移住した後、団地に住み続けているのは親世代です。団地が造成された頃にはまだ若かった親世代も、団地の造成からおよそ50年が経過している現在は高齢者。そのため、残された住人の高齢化がハイスピードで進んでいるのです。年齢を重ね、足腰が弱くなった住民にとって、山の中にある団地の坂道の移動はとても苦しいもの。経済力のある人は、子どもたちの住む近くに転居することを考えるのも当然です。このような出口の見えない問題が重なり、団地ではますます高齢化・過疎化が進んでいます。


山を切り開いて造成された団地は、造成されてから10年くらいの間に分譲が完了します。そのため、家を買う人たちの世代が重なる傾向にあります。その団地が造成された頃に、家を買うことを考え出すような働き盛りの世代が多いのです。そのような年齢の近い住民が、同じように歳をとり、その子どもたちが都会へと巣立つことにより、ある時を境に団地の高齢化・過疎化が急激にやってくるのです。


5. 現在造成されている団地は今後どうなる?


現在でも、郊外地域の「団地」は造成され続けています。広島市の佐伯区(さえきく)と安佐南区(あさみなみく)にまたがる西風新都と呼ばれる一帯には、広島高速4号線による中心部へのアクセスの良さや、大型ショッピングモール「THEアウトレット広島」の存在をPRして、新しい団地が次々と造成されています。この西風新都は、将来的に広島の新交通システム「アストラムライン」の西広島駅までの延伸の恩恵を受けると予測されている地域。都市部から離れた地域でも、しっかりとした交通機関があれば、現代でも団地に家を建てる人がいるようです。


しかし、やはり都心からは離れていること、坂道が多いこと、入居する人々の年代が重なっていることなどの条件は、旧来の団地と変わりません。新しい団地に入居する人々の子ども世代が、引き続き団地に住み続けるかどうかは、その時になってみないとまだわからないと言えます。


6. リフォームやリノベーションによる再興の兆し

住民も、建物も高齢化した団地の家を、現代の若者にとって魅力的にリフォーム、リノベーションして、古い団地を再興する動きがあるようです。東京の多摩ニュータウンは、行政が都営住宅の建替を行なったり、老朽化したマンションの再生の支援を積極的に行なったりしているようです。この試みが功を奏し、団地に若者が戻って来れば、必然的に商店も戻ってくるかもしれません。


.

広島の絶景を味わえる安芸郡府中町『瀬戸ハイム』とは

便利な街へ変わりつつある広島の大型団地『五月が丘』について

関連記事

NEW

PICK UP


MONTHLY RANKING

TODAY RANKING


CATEGORY