
2022.08.18
イオンモール広島府中以外も充実!地元民が選ぶ広島市のモール7選
広島の街
人口120万人に迫る都市・広島市。広島市の中心的な繁華街は、中区(なかく)の紙屋町(かみやちょう)や八丁堀(はっちょうぼり)といったエリアですが、2000年代以降は郊外型のショッピングモールに人が集まり、新たな「繁華街」として、従来の繁華街を凌駕するような賑わいを見せています。
専門店などでお買い物をしたり、映画館で映画を楽しんだり、レストランで食事をしたりなど、中心街に繰り出したような体験ができる郊外型のショッピングモール。今回は、広島市近郊の大型のショッピングモール7つをご紹介します。
1. イオンモール広島府中

イオンモール広島府中は、広島市に隣接する安芸郡府中町(あきぐんふちゅうちょう)の、元々はキリンビールの広島工場だった土地に2004年3月オープン。開店当初は「ダイヤモンドシティ・ソレイユ」という名称でしたが、運営会社の合併により現在の名称に変更されました。正式名称から「ソレイユ」という名前は消えたものの、地元の人々の間では現在でも「ソレイユ」の愛称で親しまれています。2016年の11月に増床棟がグランドオープンし、店舗数約280、総賃貸面積が中四国最大のショッピングモールとなりました。
モールから徒歩5分の場所には、このモールの完成に合わせて開業したJR天神川駅(てんじんがわえき)があります。また、広島駅からもシャトルバスが運行されており、広島県の各地からのアクセスも大変便利になっています。
2017年〜2020年まで4年連続で広島市周辺最大の繁華街に君臨
前述の2016年の増床工事により、このイオンモール広島府中のある安芸郡府中町は、地元紙・中国新聞発表の「広島市広域商圏調査」の「よく利用する繁華街」ランキングにおいて、4年もの間トップになっていました。従来の中心部である紙屋町や八丁堀を抜き去るこの快挙は、広島市の商圏が郊外に移動していることの象徴的な出来事といえます。
しかし、従来の中心街もこのまま黙って衰退していくわけにはいきません。最新の2021年のランキングでは、昨年までは別々の街としてカウントされていた紙屋町と八丁堀がまさかの合同集計(紙屋町・八丁堀の名義でカウント)となり、府中町は第2位に甘んじることとなりました。
このようなランキング上ならではの荒技とも言える集計をしなければならないほど、広島市周辺におけるイオンモール広島府中の存在感は大きなものとなっています。
2. ゆめタウン広島

広島市南区の皆実町(みなみまち)に、2008年2月にオープンしたゆめタウン広島。この敷地には元々日本たばこ産業(JT)広島工場が立地していました。「ゆめタウン」を運営する株式会社イズミは、広島市に本社を置くスーパーマーケットを展開する企業です。このゆめタウン広島は、広島市の中心部に初めて開店するゆめタウンとなり、開店当時は中国地方のゆめタウンで最大規模の店舗でした。
広島市南区という、比較的中心部に近い立地でありながら、郊外型のショッピングモールに引けを取らない規模を誇るため、広島市の中心部に住む人たちが気軽に遊びにいくことができる場所として愛されています。
3. LECT(レクト)

2017年4月に、広島市西区の扇(おうぎ)にオープンしたショッピングモール。前出のゆめタウンを展開するイズミが運営するショッピングモールです。この地はかつて1989年の「海と島の博覧会」のメイン会場の一画として使用されていましたが、博覧会終了後からこのLECTが誕生するまで、ずっと更地のままで残っていました。

LECTの名の意味は、「Living, Eating, Culture, Town」の頭文字をとったもの。150のテナントが入り、店舗面積はおよそ39,000㎡になります。1,2階には、書店とカフェが合体した「蔦屋書店」があります。広島市周辺でこの「蔦屋」があるのは、このLECTと広島駅前の「エディオン蔦屋家電」の2箇所のみ(2022年7月現在)のため、上質な空間で読書とカフェを楽しみたい人々に愛されています。
4. アルパーク

広島市西区に1990年4月にオープンした、複合型大型ショッピングセンター。開店当時、広島市周辺にはアルパークに匹敵する規模のショッピングセンターが存在せず、広島市周辺の人たちから注目され、人気を呼んでいました。東棟・西棟・北棟の3つの建物があり、さまざまな店舗が入居しています。西棟にはかつて百貨店の天満屋が入居していましたが、2020年1月に売上不振のため閉店。2022年4月に無印良品などのテナントが入りリニューアルオープンしました。
西棟の無印良品は世界の32カ国・1000店舗を展開する無印良品の店舗の中でも最大級の店舗であり、無印良品の基本的な商品とサービスを提供する大型店「生活全部店」に位置付けられています。2022年現在、「生活全部店」は東京の「無印良品 東京有明」に次ぐ2店舗目。無印良品のファンにとってはとても魅力的なスポットになっています。
5. ゆめタウン廿日市

広島市のお隣廿日市(はつかいち)市に、2015年6月にオープンしたショッピングモール。前出のゆめタウン広島やLECTと同じイズミが運営しています。これまで広島で最大のゆめタウンであったゆめタウン広島を抜く最大規模の店舗となりました。
雑貨や衣類、飲食などの専門店計183店が入居しており、広島県西部の人々を中心に賑わいを見せています。
6. イオンモール広島祇園

イオンモール広島祇園は、広島市安佐南区の祇園(ぎおん)に2009年にオープンしたショッピングモール。商業施設面積が57,000㎡、130店舗が営業しています。
広島市安佐南区は、広島市の8つの区の中で最も人口の多い区。この大型ショッピングモールの完成により、安佐南区の住宅地としての人気がさらに加速したと言えそうです。
7. THE OUTLETS HIROSHIMA

THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ アウトレット広島)は、広島市佐伯区石内東(いしうちひがし)に2018年4月にオープンしたアウトレットモール。この地区で広島電鉄が開発したニュータウン「西風新都グリーンフォートそらの」の商業施設エリアに、イオンモールが「西風新都プロジェクト」の一環として建設しました。
かつて、このエリアには大型の商業施設がなく、広島市の中心街まではバスや路面電車を乗り継ぐ必要があったため、いわば大型ショッピングモールの空白の地に誕生したこのモール。広島初出店となるテナントも含む全127のアウトレットショップが軒を連ねます。また、映画館やボウリング場、そして通年で利用できるスケートリンクといった、お買い物以外のレジャー施設も充実。家族みんなで楽しめるモールになっています。
広島市周辺ではなぜ郊外型のショッピングモールが賑わっているの?

冒頭でも述べた通り、かつては広島市中心部の紙屋町や八丁堀に人が集まっていた広島市。しかし、郊外地域に数多くのショッピングモールが増えたことで、休日に市の中心部まで繰り出すのではなく、郊外のショッピングモールでお買い物を済ませるという人が増えてきています。
このような状況の大きな要因として考えられるのが「無料の駐車場の有無」。人口の割に公共交通機関が充実しているとは言い難い広島市では、自家用車で移動する人が多く、駐車料金の高い中心部よりも無料もしくは時間内無料の駐車場があるショッピングモールが好まれる傾向があります。
中心街or郊外のモールという「選択肢」があるのが魅力とも言える広島市

「郊外型モールの賑わいによって中心街が寂れてしまった」というネガティブな見方もある一方で、「中央に集中していた人出が分散されたことにより、逆に混雑が解消されて気軽に中心街に出られるようになった」というポジティブな見方もできる広島市。従来型の中心街に加え、郊外型のショッピングモールが増えるということは、そこで生活する市民にとってはより住みやすい街に変化していると見ることもできるでしょう。
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