2021.05.26

ガルバリウム鋼板の屋根ってどうなの?新築・リノベで人気の素材のメリット・デメリット

リノベする

新築の家の屋根の素材を検討する中で、耳にすることの多い「ガルバリウム鋼板」。瓦の屋根とは違う独特なデザイン性から、建築家が好んで使うようになっていると言われています。この現代的なデザインとの親和性の良さから、リノベーションにおいて瓦の屋根をガルバリウムの屋根に葺き替えることも増えてきています。

戸建住宅のフルリノベーションで、瓦屋根(左)からガルバリウム鋼板の屋根(右)に葺き替えた事例

また、耐久性が高いために屋根のみならず外壁にも使用される例もあります。ガルバリウムとは、一体どのような素材なのでしょうか。また、そのメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

ガルバリウムとは

ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカで開発された金属素材。鉄の鋼板をアルミニウムと亜鉛の合金でメッキ処理した「アルミ亜鉛合金メッキ鋼板」です。それまで広く普及していた鉄の屋根材「トタン」は、鉄に亜鉛でメッキを施したものですが、ガルバリウム鋼板はそれにアルミニウムを足すことでさらに強度を上げています。耐熱性、熱反射性、耐食性を持つアルミニウムと、犠牲防食機能を持つ亜鉛で鉄を守ることで、耐候性が向上している素材です。

ガルバリウムのメリット

優れた耐久性

前述の通り、ガルバリウム鋼板は、メッキの合金に含まれるアルミニウムの耐食性と、亜鉛が持つ犠牲防食機能(亜鉛が犠牲となって防食されることで鉄を守る機能)により優れた耐久性があります。亜鉛のみのメッキのトタン板は、亜鉛が防食されて溶けることで鉄を守る仕組みですが、亜鉛が溶けて消滅してしまうと耐久性がなくなってしまうというデメリットがありました。

アルミと共に合金として加えられているアルミニウムは、その亜鉛の抜けた穴を埋める保護作用があるため、ガルバリウムはトタンと比べると長期間にわたって錆が拡大しにくくなっているのです。その耐久性は実に3〜6倍と言われています。屋根は雨風や雪、紫外線などに常に晒される部分のため、長期に渡って優れた耐久性のあるガルバリウムは、90年代から徐々にトタンに替わって金属製の屋根の主流となっていきました。

耐震性が高い

ガルバリウムは、他の屋根材と比較してとても軽量な素材です。その重さは、土葺きの瓦屋根のおよそ15分の1、スレート屋根(コロニアル)のおよそ4分の1となっており、屋根の重さを軽く抑えられるメリットがあります。

屋根が重いと、地震の際は家が激しく揺れることになるため、建物の倒壊の危険性が高くなります。つまり、軽いガルバリウムは、耐震性が高い屋根材と言えるのです。

加工性が高くデザインが豊富

メッキの層が柔らかいガルバリウム鋼板は、複雑な折り曲げの加工をすることができます。また、アルミニウムを多く含むため耐熱性に優れているため、黒色のような濃い色にすることも可能です。さまざまな形・色にすることができるため、デザインの選択肢が多い屋根材と言えるでしょう。

ガルバリウムのデメリット

初期費用がやや高め

ガルバリウムの屋根は、他の金属と接触すると錆びやすくなる性質があるため、施工時に他の金属と接触させないようにしなければなりません。また、金属の板であることから雨音が室内に伝わりやすくなるため、防音の処理をする必要があります。このような理由で、スレートなどと比較すると初期費用が割高になります。

周辺環境の影響で錆びやすくなる

ガルバリウムは海の近くの潮風や排気ガス、工場の煙などが多い地域では、電食を起こして錆びやすくなり、寿命が短くなる可能性があります。また注意したいのが、落ち葉による変色や変質にも注意しなければなりません。落ち葉が長時間屋根の上に付着していると、落ち葉に含まれる「木酢液」によって錆の原因となるため、自宅付近に落葉樹がある場合はこまめにお手入れが必要でしょう。

割れにくいが凹みやすい

瓦屋根とは異なり金属であることから、割れにくいガルバリウム屋根。しかし、割れにくいものの、外からの衝撃によって凹みやすいという弱点があります。そして、一度凹んだ部分を元に戻すことは実質不可能と言われ、張り替えが必要になります。野球部の練習グラウンドや、子どもたちがボール遊びをする公園が近くにある場合は、他の屋根材と比較・検討する必要がありそうです。

ガルバリウムは「メンテナンスフリー」ではない!

耐久性が高いことから、「メンテナンスフリー」と思われがちなガルバリウム鋼板の屋根。しかし、上述の通り、あくまでもトタン板に比べると長寿命というだけであり、メンテナンスフリーではありません。また、他の金属や木材と長時間触れ合うことで腐食しやすくなるという点も忘れてはいけません。

ガルバリウムの日常的なメンテナンスは、年に1〜2回の頻度で、晴れた日に屋根の上に水かけを行うこと(海岸や森の近くに住んでいる場合は、塩害や落ち葉の汚れの対策として1〜2ヶ月に1回は行なう必要があります)。雨がかかりにくい箇所は汚れが溜まりやすいため、重点的に行ないましょう。

業者選びは慎重に

他の金属製の屋根材と比べると高い耐久性があるものの、ガルバリウム鋼板も経年劣化は避けられません。できれば10年に1度はガルバリウムに詳しい業者の点検を受け、20年を超えたら重ね葺きや葺き替えを検討しましょう。

前述の通り、ガルバリウム鋼板はステンレスのような他の金属と長時間触れると電食を起こして錆びてしまう特性のある、デリケートな鋼板です。そのため、電食について詳しい知識のあるリフォーム・リノベーション業者に工事を依頼しましょう。