2024.06.27

無垢材の床のお手入れ方法とは?日常の掃除方法やトラブルの対処法などをご紹介

建てる

自然の表情が豊かに感じられる無垢材の床は、空間に穏やかな印象を与えてくれます。しかし自然素材であるため、お手入れ方法には気を使わなくてはなりません。無垢材の床を正しくメンテナンスすることで、美しい経年変化を魅せてくれます。

この記事では、無垢材の導入を検討している方・すでに住まいに無垢材の床を取り入れている方に向けて、無垢材の床のお手入れ方法についてご紹介します。

無垢材とは?お手入れをするために塗料の種類を知ろう!

無垢材の床とは、木をそのまま加工しているフローリングのことを指します。人工木材を使用していないため、木本来のぬくもりや風合いを感じられる点が、無垢材の床の特徴です。

また、無垢材は呼吸をするため、調湿効果も得られます。木本来の優しい香りが漂うのも、無垢材が選ばれる理由の1つです。

メリットが豊富な無垢材ですが、木を削り長方形の床板の形にしたあと、そのまま出荷されることは、じつはほとんどありません。多くの場合、無垢材の床には木の風合いをより長く楽しめるよう、塗装が加えられています。無垢材に使用する塗料は、おもに次の2種類です。

浸透系塗料(自然塗装・オイル塗装)

浸透系塗料とは、その名のとおり無垢材の内部に浸透する塗料のことを指します。表面を覆わず木本来のぬくもりや機能性はそのままにして、水分や汚れをはじく役割だけを加えるのが、浸透系塗料の特徴です。

効果の持続力は高くないため、浸透系塗料を用いる場合は1年に1回の塗り替えが必要です。

コーティング系塗装(ウレタン、UVウレタン塗装)

コーティング系塗装とは、無垢材の表面を覆う塗料のことを指します。ウレタン・UVウレタン塗料と呼ばれることもあります。

コーティング系塗装は木の表面を覆うため、木の呼吸を止めてしまい、調湿効果や自然の香りが損なわれる点がデメリットです。しかし汚れや傷に対して高い耐久力を無垢材に加えてくれます。

また、1度塗布すれば10〜20年はコーティング力が持続するため、メンテナンスの手間が少ない点も魅力です。

無垢材の床のお手入れ方法

無垢材の日常のお手入れ方法は、浸透系・コーティング系塗料のどちらを使用していても、差はありません。しかし特別なメンテナンス方法は、塗料によって違います。それぞれのお手入れ方法について見ていきましょう。

日常的なお手入れ方法

無垢材の毎日のお手入れ方法は、塗料の種類にかかわらず、ゴミを吸い取るだけでOKです。掃除機で表面の汚れを取り除きましょう。掃除機を乱暴にかけると床に傷がついてしまうため、注意してください。

また、フローリングの隙間に入り込んだ汚れは、爪楊枝など細い棒でかき出すのがおすすめです。乾燥をしている冬場は無垢材の木が収縮して、フローリング板同士の隙間が広がります。ゴミが入りやすく取り出しやすい季節のため、冬場はフローリング隙間の掃除頻度を上げると良いでしょう。

無垢材の床は水分が苦手

無垢材の床は水分が得意ではありません。お子さまの足跡などの汚れがつき水拭きをしたい場合は、硬くしぼった雑巾で軽く拭き取りましょう。その後、から拭きをして水分を除去するのを忘れないようにしてください。

クイックルワイパーや化学モップの使用は避けよう

無垢材とクイックルワイパーをはじめとする化学モップも、相性がよくありません。クイックルワイパーや化学モップなどに含まれる薬剤は、油分を含んでいることがあります。

そのため、長時間無垢材に触れさせていると、床に黒い油染みができてしまうことも考えられます。お手軽で便利なお掃除アイテムですが、クイックルワイパーなどを無垢材で使用するのは避けたほうが良いでしょう。

年に1度の特別なお手入れ方法

無垢材は、年に1回ほど日頃のお手入れとは違うメンテナンスが必要です。大掃除のタイミングで実行すると良いでしょう。浸透系塗料の無垢材は、年に1度、塗料の塗り替えをしてください。塗料を塗る際は、表面の埃を取り除き、きれいにした上でおこないましょう。

コーティング系塗料の場合は、基本的に特別なメンテナンスは必要ありません。コーティングの光沢が剥がれているようであれば、再塗装をしましょう。

コーティングの再塗装は素人では難しいため、専門の会社に依頼をしたほうが安心です。

無垢材の床でトラブル!対処方法とは?

無垢材の床は人工木材でできた複合床フローリングよりも繊細です。そのため、こぼしたり汚したりしたとき、思い切った掃除やメンテナンスはできません。

ここからは無垢材の床のよくあるトラブルとその対処方法について、見ていきましょう。

水・ジュースをこぼした

水やジュースをこぼしてしまったときは、素早く乾いた雑巾で拭き取りましょう。水分を残しておくと、カビや歪みといった無垢材の劣化を早めてしまいます。

マヨネーズやケチャップなどの油をこぼしてしまった!

マヨネーズやケチャップなど、油分の多い調味料類をこぼしてしまったときは、濡らして固くしぼった雑巾に中性洗剤を薄く塗布して、拭き取ってください。ごしごしこすらずに、叩くようにして油汚れを吸い取りましょう。その後、乾いた雑巾で拭くのを忘れないようにします。

ペンで落書きをしてしまった

無垢材の床に、お子さまが油性ペンでシミを付けてしまった、というトラブルは少なくありません。油性ペンは木に染みこみやすく、落とすのが困難です。水拭きでゴシゴシとこすっても落ちない場合は、消しゴムか紙やすりで表面を削って、油性ペン跡を消します。完全に消すのは難しいため、油性ペンを使用する際は無垢材の床に染みこまないように注意しましょう。

無垢材の床がへこんでしまった

重たい物を落としてしまい、無垢材の床にへこみができてしまうこともあるでしょう。浸透系塗料の無垢材の床がへこんだ際は、へこんだ場所に濡らした布巾をあてて5分ほど放置します。その後、布巾の上から低温のアイロンを5〜10秒ほどあてましょう。これを2回繰り返してみてください。

濡らす・温めるを繰り返すことで木の伸縮が促されて、へこみが改善する可能性があります。コーティング系塗料の床の場合、熱で塗装がはがれてしまう可能性があるため、この方法は避けたほうが無難です。

無垢材の床を取り入れた事例

無垢材の床がある部屋は、複合フローリングやクッションフロアの床の空間とは違う、穏やかで優しい雰囲気が漂っています。ここからは無垢材の床を導入しようか迷っている方の参考になる、無垢材の床がある住まいの事例についてご紹介します。

自然素材をふんだんに用いた住まい

こちらは中古マンションをリノベーションで生まれ変わらせた事例です。穏やかな雰囲気の住まいは、無垢材の床のほかに漆喰・サイザル麻などの自然素材も積極的に採用しています。

マンションですが戸建て住宅のような、伸びやかな雰囲気の住まいが完成しました。

事例の詳しい内容はこちら

 

自然素材が開放感をつくるコンパクトな住まい

10坪ほどのコンパクトな住まいには、無垢材の床がおすすめです。自然素材の明るい雰囲気が、空間に開放的なイメージを与えてくれます。 キッチンや家具にも木の気配が漂う、隠れ家のようなリラックス感が強い住まいです。

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無垢材でつくるインダストリアル × ナチュラルな住まい

こちらはインダストリアルテイストと無垢材の床を組み合わせた住まいです。インダストリアルの無骨な雰囲気に上品で優しい無垢材の表情が加わり、ナチュラルで落ち着く空間に仕上がりました。黒と木のカラーコーディネートが美しく、経年変化でどのような表情が生まれるのか、今から楽しみな住まいです。

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無垢材の床をお手入れして長持ちさせよう!

無垢材の床は正しいお手入れ方法を知ることで、より長く美しい状態を保てます。また、無垢材は経年変化も魅力です。より豊かな表情を楽しめるように、床材に合ったお手入れ方法を取り入れましょう。