2022.01.28

広島市の住みやすい街はどこ?広島市の8つの「区」の特徴

広島の街

人口120万人に迫る、中四国最大の都市・広島市。 広島市は、広島県西部を流れる一級河川の「太田川(おおたがわ)」の三角州を埋め立てて作られた城下町が起源となった街。広島市の市域は戦後しばらく三角州の平野部とその近辺のみでしたが、1970年代から今世紀に至るまで、近隣の山間部の地域の自治体と次々と合併を繰り返し、どんどん広がっています。

1980年に政令指定都市に移行した際、7つの区(中区、南区、西区、東区、安芸区、安佐南区、安佐北区)が設置され、1985年の佐伯郡五日市町(当時)の編入により佐伯区が設置、現在の8つの区が設置されました。

同じ市であるとはいえ、三角州の平野の部分と山間部では街の雰囲気が大きく異なる広島市。それぞれの区の特徴や交通網について見ていきましょう。

広島市の政治・経済の中心部「中区」

人口:136,234人(2021年4月)
※国土地理会調べ(以下、この記事における人口は全てここから参照)https://www.kokudo.or.jp/service/distribution.html

広島市の中区(なかく)は、広島市の三角州の平地のほぼ中央に位置する、政治・経済の中心地。戦国大名・毛利輝元によって築かれた広島城のある中区基町(もとまち)には、現在も県庁が設置されています。広島を代表する繁華街である紙屋町(かみやちょう)、八丁堀(はっちょうぼり)、本通(ほんどおり)もこの中区にあり、広島市では最もお買い物やグルメを楽しめる街と言えるでしょう。

地元企業の本社や、全国的な企業の支社・支店も中区に多く立地しているため、広島市の交通網はこの中区と郊外を結んでいるものが多くなっています。

オフィスビルや店舗などの商業ビルが多い中区ですが、分譲マンションや賃貸マンション・アパート、戸建て住宅なども多くあります。

公共交通の主役はバスと路面電車

広島の中心地で、多くのオフィスビルや店舗が集まる中区。広島市には地下鉄がほぼないため、交通の中心はバスや路面電車が主流です。北部の白島(はくしま)にJRの駅があり、中心部の本通や紙屋町付近に新交通システム「アストラムライン」の駅はあるものの、いずれも中区を細かく網羅しているとは言い難い状況です。

特に、中区の南部(海側)から中心部へのアクセスはバスか路面電車に限られている状況です。バスも路面電車も、信号や渋滞の影響を受けるため、余裕を持って移動する必要があります。

広島の玄関口のある「南区」

人口:142,326人(2021年4月)

中区の東隣に位置し、JRの各路線と山陽新幹線の停車する「広島駅」、そして南部には海の玄関口である「広島港」がある南区。中区と同様に平地にあるため、オフィスや店舗も多い南区ですが、中区よりも住宅が多めな印象で、やや静かな街並みが広がっています。

北部には、広島駅や地元のプロ野球球団「広島東洋カープ」の本拠地・MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島、緑あふれる比治山(こうえん)公園など、ちょっとしたレジャースポットが多くあります。

大通り沿いは高層ビルが立ち並んでいるものの、街の中に入ると戸建住宅や低層のマンション・アパートなどの静かな住宅街が広がっています。

公共交通はバスが主役

南区の北部にはJRの山陽本線が走り、西部には広島駅と広島港を結ぶ路面電車が走っているものの、中部や東部、南東部から広島市の中心部に移動するにはバスを利用する他ありません。しかし、比較的平坦な土地で中心部に物理的に近いため、短い時間で通勤・通学ができるエリアといえます。

中心部に近く、高級住宅街の多い「西区」

人口:188,613人(2021年4月)

中区の西に位置し、海沿いの平地から山にかけて街が広がる西区。平地の部分は中区に近いこともあり、大通り沿いには商業ビルや店舗などが多く建っています。南区と同様に、平地であっても街の中に入ると戸建住宅や低層の集合住宅が多い街並みになっています。

西区の海沿いには、広い敷地を生かした大型の商業施設があり、南部の観音新町(かんおんしんまち)にあるショッピングセンター「広島マリーナホップ(2025年3月に閉鎖予定)」、扇(おおぎ)にあるショッピングモール「LECT」などがあります。

西区の北西部は高台になっており、広島の街並みを一望できる場所にたくさんの戸建住宅の団地があります。その中でも高須台(たかすだい)、古田台(ふるただい)、井口台(いのくちだい)などは、広島市内有数の高級住宅街として有名です。

便利な公共交通は地域によって異なる

西区は海沿いから高台までの起伏に富んだ地形のため、便利な公共交通も地域によって異なります。平地の部分から広島市の中心部に出る際は、中区や南区と同様にバスと路面電車が主要な交通手段になります。

JR山陽本線の通る海沿いの地域は、JR路線が便利です。広島駅に向かう際には直通15分程度で行くことが可能です。広島市の中心部にアクセスするには西区にある「西広島駅」までJRを使い、その後路面電車かバスに乗り換える形になります。高台の住宅街に関しては、公共交通はバスが主流となっており、多くの団地で「西広島駅」や広島市中心部とを結ぶ路線バスが運行しています。

広島駅に近く、住宅街の広がる「東区」

人口:119,561人(2021年4月)

東区は中区の北東に位置するエリア。南西側は中区や広島駅と隣接し、都会的な雰囲気もありますが、基本的に住宅の多い街並みが広がっています。

広島駅周辺は高層ビルやタワーマンションが立ち並ぶ一方、北東部の馬木(うまき)や福田(ふくだ)方面では、森林の中に田畑の広がるのどかな風景が広がっており、同じ区とはいえかなり異なる表情を持つ街です。

公共交通はバスが主流

東区の主な公共交通手段は路線バス。広島駅や広島市中心部を結ぶ路線バスが多く運行されています。基本的に山が多い東区は、バス通りを中心とした山肌に住宅団地が作られていることが多く、通勤ラッシュ時には、山の上の団地から多くの通勤者がバス通りへと下ってきます。

例外として、東区の西端の牛田(うした)エリアは、広島市の中心部に直通の路線・アストラムラインが通っているため、バスに加えてアストラムラインを利用することも可能です。

JR路線が走る郊外地域「安芸区」

人口:78,614人(2021年4月)

南区の東側に位置する安芸区は、海沿いから山間部まで街並みが広がるエリア。ここも、平野部と山間部の街の様子が大きく異なっており、平野部はやや都会的な雰囲気ですが、山間部には豊かな自然があります。

JR2路線が走る安芸区

安芸区は安芸郡海田町(かいたちょう)を挟んだ飛地になっており、北のエリアと南のエリアに分かれています。北のエリアは山あいに沿ってJR山陽本線が走っており、南のエリアにはJR呉線(くれせん)の駅があります。広島市の中心部へは、最寄りのJRの駅まで徒歩や自転車、バスなどで行き、広島駅までJRを利用するという流れが主流となっています。

アストラムラインが走る人気の住宅街「安佐南区」

人口:244,581人(2021年4月)

安佐南区は西区の北に位置するエリアです。この区も平地から山間部までさまざまな表情の街並みが広がっており、場所によって住み心地が大きく異なる場所です。平地の部分は通勤・通学に便利な住宅街として人気を集めており、ショッピンモールなどもあります。

また、山間部には緑豊かな森林の中に大学のキャンパスがたくさん立地しています。

アストラムライン、JR可部線が人気

安佐南区の南東部は比較的平らな土地になっており、新交通システムのアストラムラインJR可部線の2つの路線が利用できます。アストラムラインは、広島市の中心部と繋がっており、JR可部線は広島駅と繋がっているため、この2つの路線が走る南東部のエリアは、近年、広島市内でも人気の住宅街となっています。特に、アストラムラインとJR可部線が交差する乗換駅「大町駅」周辺は、郊外地域としては随一の利便性の高さがあると言えるでしょう。

安佐南区の山あいをぐるりと回る形で走っているアストラムラインの沿線には、山肌に沿った住宅団地が多く作られています。

JR可部線・芸備線が便利な「安佐北区」

人口:142,050人(2021年4月)

安佐南区の北に位置する安佐北区。広島市の区の中で最も面積の広い区(353.33㎢)です。

広島市の三角州の始まる場所である可部(かべ)などの一部の平地を除き、区域のほとんどが緑豊かな山間部となっています。

公共交通はJRかバス

安佐北区には、西部にJR可部線、東部にJR芸備線(げいびせん)の2つのJR路線が走っています。この2つの路線の近くに住んでいる場合は、この路線を利用して広島駅や中心部にアクセスするのが便利でしょう。また、広島市の中心部とつながる路線バスも多く運行されているため、JRとバスのどちらを使ったほうが良いのかを比較する必要があります。

市街地から温泉地まで広がる「佐伯区」

人口:140,610人(2021年4月)

1985年に広島市の8つ目の区となった佐伯区(さえきく)。広島市の西端に位置する区で、廿日市市(はつかいちし)や安芸太田町(あきおおたちょう)などに隣接しています。

佐伯区も、平地の都会的なエリアと山間部の自然豊かなエリアの違いが大きい街で、2005年に広島市に編入した湯来町(ゆきちょう)には、広島では珍しい温泉があります。

公共交通は海沿いのJR山陽本線が有力

佐伯区から広島市の中心部へアクセスするための主な公共交通は、海沿いを走るJR山陽本線が中心的な存在となっています。JR山陽本線の沿線の平地のエリアはもちろんですが、山間部からのバスも五日市駅(いつかいちえき)や新井口駅(しんいのくち)、西広島駅といった山陽本線の駅までを結んでいるため、ほとんどの場合バスから山陽本線に乗り換えることになります。

例外的に、北東部の「西風新都」と呼ばれるエリアからは、広島高速4号線を経由する直通の路線バスがあり、このエリアからは広島市の中心部まで乗り換えなしでアクセスできます。

公共交通を利用する場合は要注意!同じ「区」でも全く生活が変わる広島市

広島市は中区と南区を除いてほとんどの区が起伏に富んだ地形をしており、同じ区であっても生活の利便性が大きく変わるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

特に、東京や大阪のような公共交通の発達した地域から広島に引っ越してきた人が驚くのが、郊外の電車の路線の少なさかもしれません。電車の通っていない場所は、公共交通はバスのみになるため、渋滞に巻き込まれると大幅に時間が遅延する可能性があります。

広島市周辺で、公共交通での通勤・通学を考えている場合、単に中心部への距離の近さだけではなく、公共交通の充実度を考えて物件探しを行なってみましょう。

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