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敷金礼金なしはこんな時に嬉しい!実体験から見る賃貸の初期費用問題

日本では、4月から新社会人となって新生活を始めるという人も多いことでしょう。コロナ禍という特殊な状況下での就職活動を終え、ほっとしている学生の方も多いのではないでしょうか。就職先が実家、あるいは学生時代に住んでいた賃貸住宅から遠く離れた場所に決まった場合、新生活を始めるためにまずは家を借りなければなりません。


賃貸住宅を借りる前に避けて通れないのが、敷金・礼金・仲介手数料などの「初期費用」。仮に家賃の安い部屋を見つけることができたとしても、条件によってはかなりまとまったお金が必要になることがあります。故郷から遠く離れた街に引越しをする場合、引越し費用や現地までの交通費、新生活のための最低限の家具・家電などを揃えていると、この初期費用が大きなダメージとなることがあります。


今回の記事では、就職に伴い広島県から東京に引越し、この「初期費用」に苦労することとなったSさんの実体験を交えながら、近年話題となっている敷金・礼金のいらない「ゼロゼロ物件」や、「マンスリーマンション」のメリット・デメリットについて見て行きましょう。


目次[非表示]

  1. 1.お金に余裕のない新生活にのしかかる初期費用
      1. 1.0.1.Sさんの初期費用内訳
  2. 2.「ゼロゼロ物件」や「マンスリーマンション」ってどうなの?
    1. 2.1.選択肢が少ない
    2. 2.2.家賃が割高
    3. 2.3.原状回復費用を支払わなければならない場合もある
  3. 3.長期的に見ると「お得」ではないがメリットは大きい


お金に余裕のない新生活にのしかかる初期費用


Sさんは大学卒業まで地元の広島の実家で暮らし、新卒として東京の中心部にある企業に就職することになりました。


実家がさほど裕福ではないSさんは、奨学金とアルバイトで稼いだわずかな金額から、就職活動に伴う広島から東京・大阪などの都市への交通費を捻出していたため、貯蓄はほとんどなく、新生活のための最低限の家具・家電と、東京までの引越し費用を支払うと、新しい家の敷金・礼金を支払う余裕がありませんでした。


さらに追い討ちをかけるように、できるだけ会社(東京都港区)の近くに住んでくれと会社側から要請があり、家賃が高い東京の都心部で家を探すことを余儀なくされたSさん。山手線の内側でありながら家賃55,000円という格安の物件を見つけます。


それまで賃貸住宅を借りた経験がなく、初期費用の存在を知らなかったSさん。「とりあえず55,000円あれば住まわせてもらえるだろう」という、何とも楽観的な気持ちで東京へと旅立ちました。しかし、蓋を開けてみると以下のような初期費用の支払いが待ち受けていたのです。


Sさんの初期費用内訳

・敷金(家賃2ヶ月分) 110,000円​​​​​​​

・礼金(家賃1ヶ月分) 55,000円

・初月の家賃 55,000円

・仲介手数料 48,600円

・保証料 36,000円

・火災保険 15,000円


初期費用の合計は実に「319,600円」。前述の通り、引越し費用や新生活の家具・家電に対する出費でお金に余裕のないSさんにとって、到底支払える額ではありませんでした。結局Sさんはカードローンで借金をして初期費用の不足分と当面の食費・光熱費を賄うことに。


22歳の地方出身の若者が、社会人になると同時に一文なしとなり、カードローンと奨学金の返済に追われることになったのです。一部の新社会人が陥る「5月病」に悩まされる以前の、「5月まで生きていかるか」という切実な状況でした。


「ゼロゼロ物件」や「マンスリーマンション」ってどうなの?


Sさんが引越しをした当時は、敷金・礼金なしのいわゆる「ゼロゼロ物件」や、敷金・礼金なしで短期で借りられる「マンスリーマンション」はそこまでメジャーではありませんでした。Sさんのように金銭的な余裕がなく、30万円を超えるようなまとまったお金がない人にとって、このような初期費用のかからない物件が増えていることは非常にありがたいことといえます。


このような状況以外にも、急な転勤が決まったり、よい物件が見つからなかった際の短期的な住まいとして、初期費用のかからない「ゼロゼロ物件」や「マンスリーマンション」を検討するのもよいでしょう。しかし、「ゼロゼロ物件」や「マンスリーマンション」には、以下のようなデメリットもあるため、注意が必要です。


選択肢が少ない

徐々にその数が増えてきたとはいえ、初期費用の発生する通常の賃貸住宅に比べると、これらの物件はまだまだ少数派。たまたま勤務先の近くに物件がある場合もありますが、遠い場所にしか物件がない可能性もあることを知っておきましょう。


家賃が割高

初期費用がない物件は、その分月々の家賃が周辺の通常の物件の相場と比べて割高になっていることがあります。しかし、家具・家電があらかじめ備えてあるマンスリーマンションの場合、当面は自分で家具・家電を購入しなくても済むというメリットもあります。


初期費用の支払いが困難な時に一時的にこのような物件に住み、収入が安定して初期費用が支払える余裕ができたら通常の賃貸物件に引越しをする、という選択肢もあるかもしれません。


原状回復費用を支払わなければならない場合もある

これは契約内容によって異なりますが、敷金を支払わないため、退去時に部屋の原状回復(居室の汚れや破損を修繕する費用)を支払わなければならない場合があります。契約をする際、原状回復の費用が自己負担かどうかをしっかりとチェックしておきましょう。


長期的に見ると「お得」ではないがメリットは大きい


ゼロゼロ物件やマンスリーマンションは、前述の通り家賃が割高であることや、選択肢の少なさゆえに、長期的に住み続ける場合は「お得」とはいえないかもしれません。しかし、高額な初期費用を用意できない人にとって、短期的にせよ住む家を確保できるのは大きなメリットです。衣・食・住は生活の基本という言葉の通り、家に住むことは人間らしい生活を送る上で必要不可欠。家がなければ、新しいことに挑戦することもできません。


面接を受けに行くにしても、住所欄が空欄だとその時点で不採用となる可能性もあります。場合によっては、医療や福祉のサービスを受けることもままならないかもしれません。ゼロゼロ物件やマンスリーマンションは、経済的に苦しい状況下で新生活を始める人にとって、スタートダッシュの大きな助けになる物件であると言えるでしょう。


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