2020.11.17

【Withコロナ】太陽光でセロトニンを出そう!在宅でもできる健やかな生活

暮らしのQ&A

2020年初頭からの新型コロナウイルスの流行は、現時点(2020年11月)でも落ち着く気配がありません。欧州では第二波により再び緊急事態宣言を出す国もあるなど、余談を許さない状況です。

ここ日本でも、収束するまでは不要不急の外出を避けたり、可能は日は在宅でテレワークを行ったりと、「Withコロナ」の新たな日常を過ごしているという方も多いのではないでしょうか。家の中で過ごす時間が長くなると、外に出て太陽の光を浴びる機会が少なくなってしまうかもしれません。

太陽の光と聞くと、日焼けや皮膚がんの原因となってしまう有害な紫外線のイメージが先行する方も多いのではないでしょうか。しかし実は、太陽の光を浴びることは、健康な生活を送る上で必要不可欠と言われており、太陽の光を全く浴びない生活を送ると、逆に健康上のリスクが高まってしまうのです。

今回の記事では、太陽光を浴びることで得られる健康上のメリットや、インドア気味の生活が続いても太陽の光を浴びる工夫について考えていきましょう。

太陽光を浴びると分泌される「セロトニン」とは?

セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれる、精神面で大きな影響を与えるホルモン。セロトニンが不足すると、精神のバランスが崩れやすくなり、うつ病の原因となったり、暴力的になることがあったりと、心の健康にとって非常に重要な物質と言われています。

そして、セロトニンは体内時計を整える働きもある物質。人間の体内時計は、24時間よりも長いと言われ、そのまま放置しておくと徐々に後ろにずれ始めてしまいます。毎朝太陽の光を浴びてセロトニンを分泌させると、体内時計が24時間に同調するため、規則正しい生活が送れるのです。

さらに、セロトニンは、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの原料となるため、セロトニンが十分でないと満足な睡眠を得られないということもあるようです。

セロトニンを分泌する鍵は「明るさ」

このように、心も体も健康で爽やかな生活を送るには欠かせない「セロトニン」。このセロトニンを分泌しているセロトニン神経は、太陽の光を浴びることと、適度な運動をすることで活性化されると言われています。しかし、なぜ「太陽の」光を浴びることが重要なのでしょうか?

その理由はシンプルで、このセロトニンが分泌されるためには、一定以上の「明るさ」が必要だからです。セロトニン神経がセロトニンを分泌するには、1,500~2,000ルクス以上の明るさが必要と言われ、一般的な室内の照明の明るさである500~1,000ルクスでは光量が足りないのです。

それに対し、太陽の光は晴れの日で50,000~100,000ルクス、曇りでも10,000ルクスと圧倒的な光量があるため、セロトニンを分泌するのに適しているのです。

理想的なのが、毎日約15分程度、外に出てウォーキングなどの運動をすることと言われています。しかし、これから感染症のリスクが高まり、日照時間も短くなる冬場は、なかなかそんな時間をとることが難しい、という方も多いのではないでしょうか。

これから、自宅に居ながら十分なセロトニンを分泌させる方法について考えていきましょう。

朝が来たら思い切ってカーテンを開けよう!

カーテンを開けて太陽の光を浴びると、目の網膜に日光が当たることによってセロトニン神経が活性化して、セロトニンが分泌されます。

網膜に光が当たってから脳でセロトニンが合成されて分泌されるまでは、最低でも5分かかるため、意外と長い時間太陽の光を浴びた状態でいなければなりません。

窓越しであっても、太陽の光にはセロトニンを分泌するには十分な明るさがありますが、可能であれば、バルコニーや庭に出るとより効果的です。

前述の通り、運動をするとセロトニンの分泌はさらに促進されます。感染症のリスクや雨天などで外出が難しい時は、お部屋の中や庭でストレッチや筋トレをしたり、ルームランナーで運動することもできるでしょう。

テレワークの人は日差しの入る場所で作業するのも良いかも

「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、ネガティブな気分を軽減させてくれるホルモン。当然、仕事においても、ネガティブな気分が軽減されるというのは大きなメリットと言えます。

自宅でテレワークを行うときは、一日中日差しの当たる場所で作業するのは厳しいかもしれませんが、気温の低い午前中だけでも太陽の光を浴びられる明るい場所を選ぶのも良いかもしれません。

食事も工夫して

セロトニンを増やすには食事も大切と言われています。セロトニンが合成される「トリプトファン」という物質を多く含む食品を食べて、セロトニンを分泌しやすい状態にしておきましょう。

トリプトファンは、牛乳やバター、ヨーグルトなどの乳製品や、納豆、味噌、豆腐などの大豆製品、卵、バナナなどに多く含まれています。どれも朝食に取り入れるにはぴったりの食材ですね。

もちろんUV対策は忘れずに

ここまで、太陽の光を浴びることで脳内に分泌されるセロトニンの重要性について書いてきましたが、太陽の光を浴びるということは、紫外線を浴びることにもなります。

紫外線は肌など体へのダメージだけでなく、家具やフローリングなどが「日焼け」して色あせたり、表面が劣化したりする原因になります。UV対策を行わず、長時間直射日光を浴びたままにするのはとても危険なので、適切に対策を行いましょう。