2020.10.19

マンション・アパートの防音性を改善する方法とは?(リノベーション編)

リノベする

同じ建物の中に複数の世帯が入居し、壁を隔てた隣が他の人の生活空間になっているマンションやアパート。分譲の場合でも、賃貸の場合でも、人気を呼ぶことが多い最上階の部屋や角部屋。その人気の理由として、見晴らしがいいことや窓が多いことなどもありますが、上階や左右の部屋からの騒音が少ないことを挙げる人も多いようです。

また、戸建て住宅と比べると大きな通りに面して立っていることも多いマンションやアパート。交通量の多い大通りに面しているマンションやアパートでは、建物内の騒音だけではなく、車や通行人の声などの騒音が気になることもあるでしょう。

古いマンション・アパートの部屋をリノベーションすることで騒音を軽減できれば、毎日の生活が快適になることでしょう。また、賃貸マンション・アパートを経営している場合は、防音性を高めるリノベーションを施せば入居率や定着率の上昇ができるでしょう。防音性を高めるためのリノベーションにどのようなものがあるかを見ていきましょう。

床・天井

集合住宅の音のトラブルの原因で多いのが、上階の住人の足音が響くという問題。例えば、元気な子どもたちやペットたちが走り回る音や、組み立て式家具やDIYなどで金槌を使って釘を打ち込む音などは、真下の部屋以外にも響いてしまうことがあります。そのため、幼い子どもやペットがいる世帯の中には騒音の影響の無い1階を選ぶ人もいるほどです。

このような現象を軽減するためには、遮音性能に優れたフローリング(遮音等級LL-40/LL-45)に張り替えることで、足音の響きを軽減することができます。また、スラブ(下階との境界に当たるコンクリート)の上に直接床材を敷く「直床工法」よりも、スラブと仕上げ床の間に空間のある「二重床工法」の場合は、音が反響してしまう分、直床工法と比べて足音が伝わりやすくなります。

そのため、スラブの上に緩衝材を敷いたり、床下の高さを10cm以上開けると言った工夫が必要になります。上階の人の足音が気になる、という場合は、天井のクロスの裏側に遮音シートを貼ったり、下地そのものを防音性の高いものに変えることで、音を軽減することができるでしょう。

隣の部屋の人の話し声や生活音、テレビ、音楽などの音などが気になる場合は、隣接する壁の内側に防音材を入れることで騒音を軽減できます。壁の防音材は大きく分けて、音を通さずに跳ね返す「遮音材」、音を吸収して小さくする「吸音材」、音の振動を伝えない「防振材」の3種類があります。どの素材をどの広さで使用するかで相場は変わってくるため、施工業者と綿密に相談しましょう。

ただし、壁に防音材を入れるということは、その分壁が分厚くなる可能性が高いということ。居住面積がわずかではあるものの狭くなってしまうかもしれないことを認識しておく必要があります。

また、壁の防音は建物の外からの音を軽減するのにも有効です。マンション・アパートの前が、交通量の多い大通りである場合は、通りに面した側の壁にも防音材を入れた方が騒音は少なくなることでしょう。しかし、外からの音に関しては、後述の窓や換気口の防音も合わせて行うことが重要です。

外からの光と共に、音も取り込んでしまう窓。窓を防音性の高いものに取り替えることで、車などの騒音を軽減することができます。元々の窓の内側に内窓を取り付け、二重窓にすると、外窓と内窓の間の空間が音を伝えにくくするクッションのような役割を果たし、室内に伝わる音が軽減されます。

窓のガラスを遮音性の高い複層ガラスに交換することも有効な方法です。しかし、二重窓と比較すると防音効果は高くありません。あまりに外からの騒音が大きい場合は、二重窓と併用して複層ガラスを導入する、という選択肢もあります。

窓は共用部分なので注意が必要!

分譲マンションの一室に住んでいる人が窓を防音仕様にする際は、勝手に窓に手を加えてはいけません。

窓は、そのマンションの共用部分(共用廊下や階段、エレベーターなどと扱いが同じ部分)のため、分譲でマンションの一室に住んでいる場合、勝手に窓ガラスを複層ガラスに変えることはほとんどの場合不可能。ほとんどのマンションで、交換する際は管理組合の了承を得る必要があります。

自分の専有部分に作ることになる内窓に関しては、専有部分なので原則自由であることが多いと言われていますが、念のために管理規約に違反していないか確認をしておいた方が後々安心です。

換気口

マンション・アパートの壁にある換気口。壁や窓を防音仕様にしても、壁に換気口の穴が空いてれば当然音はそこから入り込んできます。屋内の換気口を防音仕様のものに交換したり、吸音材を入れることができます。

間取り変更で防音効果を生むことができる可能性

マンション・アパートの構造が「ラーメン構造」の鉄筋コンクリートであれば、占有部分の室内の壁を取り払って大規模な間取り変更を伴うスケルトン・リノベーションを行うことができます。

この際、隣の部屋と接する壁の面を、クローゼットなどの収納や浴室などに変え、隣の部屋の人の居室と直接隣り合わないような間取りにすると、物理的に距離が生まれる分、音が伝わりにくくなり、防音効果が期待できます。

また、壁一面を収納などに変えることにより、壁が分厚くなった分部屋が狭くなってしまうことを感じにくくなるでしょう。

集合住宅において「騒音」はとても重要

分譲マンションに住む人にとっても、賃貸アパートを運営するオーナーの人にとっても、集合住宅の防音性を強化することはとても重要なことと言えます。なぜならば、騒音が原因で集合住宅の入居者同士がトラブルになることは現代においても頻繁に起こることだからです。

部屋の防音性をリノベーションによって高めれば、周囲の人に迷惑をかけてしまったり、逆に周囲の人の騒音に悩まされてしまったりするリスクが低下します。その部屋に長く住み続けたい、あるいは賃貸住宅の入居者に長く住んで欲しい場合は、リノベーションで防音性を上げることで得られるメリットは大きいと言えるでしょう。