2019.09.20

知っているようで知らない塗り壁の代表格・漆喰って何?

建てる

世界中で大昔から塗り壁用の素材として使われ、ここ日本でも馴染深い「漆喰(しっくい)」

近年、高気密化が進んだ新築住宅などで、建材から発生する化学物質が原因で体調を崩すシックハウス症候群が問題となる中、再評価・注目を集めている素材です。

漆喰とは一体何なのか?なぜ体に優しい素材と言われているのか?漆喰の特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

漆喰とは

漆喰は、消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とした塗り壁用の素材。

消石灰にワラや麻スサ、そして海藻などから抽出された糊を混ぜて作られます。

消石灰は、石灰鉱脈から採られる石灰石を焼成加工して作られています。石灰鉱脈は、かつて海底にあったサンゴ礁が地殻変動により陸地に隆起したものと考えられ、日本国内にも多くの鉱脈が存在しています。

つまり漆喰は、基本的に原料や製造される過程で化学薬品などを使用しない素材であると言えます。

ただし、メーカーが作る漆喰の中には、海藻糊に合成樹脂が加えられていたり、化学繊維や顔料が入れられていたりするものもあります。

漆喰はなぜ体に優しい?

ホルムアルデヒドをほとんど発散しない

シックハウス症候群の原因物質は化学物質やダニ、埃など様々であると言われていますが、中でも特に有害であるとされているのが「ホルムアルデヒド」という化学物質。

ホルムアルデヒドは、壁紙や家具などの接着剤に含まれています。つまり、壁紙クロスを接着する接着剤にもホルムアルデヒドが含まれていることがあります。

それに対し、一般的な漆喰は海藻などから抽出された糊によって固まる塗り壁なので、ホルムアルデヒドをほとんど発散させないと言われています。つまり、漆喰という素材そのものが安全であると言えるのです。

ホルムアルデヒドを吸着・分解する

漆喰は、素材自体からホルムアルデヒド発することがないだけではなく、他の建材や家具から発せられるホルムアルデヒドを吸着・分解する性質があると言われています。

漆喰の表面には、顕微鏡で見るとわかる大きさの小さな孔がたくさん空いており、そこにホルムアルデヒドのような化学物質や臭いの原因となる物質を吸着します。

そして、再度空気中に放出されることはほとんどないとされています。 さらに、漆喰は吸収したホルムアルデヒドを化学反応によって、人体に無害な糖に分解するという性質があります。

有害物質を逃さず、分解する。日本で、世界で古くから使われてきた漆喰は、まさに夢のような素材だったのです。

耐火性もある

漆喰には耐火性があります。古くから日本の城や蔵の壁の素材として使われてきた漆喰。先人たちもその燃えにくさを大切なものを守るために利用していたことがわかります。

現代でも、建築基準法第2条第2号の耐火建築物の基準を満たすほどの高い耐火性がある素材なのです。

コスパが高く国内産でまかなえる

漆喰は、塗り壁素材の中でも比較的リーズナブルな素材と言われています。

また、国内産で賄うことができる数少ない素材です。

有害物質を吸着・分解する高機能ぶりと、素材そのものの安全性などを考えると、かなりコストパフォーマンスの高い壁用素材と言えます。

デメリット

ビニール製の壁紙クロスと比較するとメリットの多い漆喰。しかし、当然デメリットも存在します。

施工時間が長く費用が割高

漆喰は塗り壁。養生を施して下塗り→仕上げ塗りの工程を経る必要があるため、貼り付けて終わりの壁紙クロスと比較すると施工時間が長くなります。

手間が多く時間がかかるということは、それだけ施工費用も割高になるということ。注文住宅でマイホームを建てる際は、漆喰の壁のメリットを取るか、壁紙クロスの安さを取るか、じっくりと考えましょう。

ひび割れが起きる可能性がある

漆喰の壁は、施工の手順を誤っていた時や、施工された壁の環境、建物の揺れなどによってひび割れが起きる可能性があります。

看過できないほどのひび割れが発生した場合は、薄く上塗りしてひび割れを処理する必要があります。ただ、ビニールクロスのように湿気によってたわんでしまったり、剥がれてしまったりすることが少ないという特徴もあります。

「健康住宅」の基本と言える素材

壁は通常、単純計算で床の倍ほどの大きな面積を占める部分です。

その部分が、健康に優しい素材でできているということは、シックハウス症候群の被害を防ぐに当たってとても重要であると言えます。

人生で一番大きな買い物の一つである家。壁にこだわり、安心・安全で防火性能もある漆喰の壁を選んでみてはいかがでしょうか。