2019.08.08

人によっては角部屋よりも魅力的?マンションの中部屋の特徴とは

暮らしのQ&A

多くのマンションで、人気が高い角部屋。部屋が横並びになっているような従来型のマンションは、基本的にワンフロアに2つ前後しかない希少性と、日当たり・眺望の良さが人気を呼んでいます。

近年ブームとなっているタワーマンションでは、建物の四隅を角部屋にして、高まる「角部屋需要」に応えています。

そんな人気の角部屋と比べ、両側が住戸に挟まれた中部屋の魅力はあまり取り上げられることはありません。

しかし、多くのマンションの中で、中部屋は多数派。中部屋の良さを知らず、角部屋が埋まっているからといって、そのマンションに住むことを諦めてしまうと、後悔することになるかもしれません。

これから、中部屋の特徴について見ていきましょう。

中部屋のメリット

角部屋よりも室温が安定

左右が鉄筋コンクリートで包まれているマンションの中部屋。

片側が窓となっている角部屋よりも、室温の安定感で勝ります。

採光性が良いことが魅力の角部屋ですが、裏を返せば日光の影響を受けやすいということ。夏場の強い日差しの影響で部屋の温度が上がりすぎるなんてことは珍しくありません。

それに対して、中部屋はバルコニーと玄関の面のみが外と接しており、左右からは外気の影響を受けないため、室温が比較的安定しています。

室温が安定しているということは、夏場・冬場の冷暖房費が安く済むということ。中部屋は天然の省エネ住宅と言えるのです。

角部屋よりも結露が起きにくい

室温が安定しているということは、結露が起きにくいということでもあります。

冬場、冷たい外気に触れる面が多い角部屋で室内を暖房で温めると、寒暖差が大きくなって結露が出やすくなります。

しかし、両側の部屋の存在が断熱性を高めてくれる中部屋は、角部屋ほど気温差が生まれないため、結露が起きにくくなると言われているのです。

しかし、結露が起きにくいといっても、高気密な構造であるマンションには湿気がたまりやすいため、換気を心がけるようにしましょう。

遮音性が高い

外の世界と接する面積が多い角部屋。マンションの角部屋のすぐ横に道路や鉄道が通っているような場合、車や列車の騒音などがダイレクトに聞こえてきます。

その分中部屋は、両脇の部屋が天然の遮音効果を生むため、角部屋と比べると静かに過ごすことができるでしょう。

ただ、ベランダ側の面が道路や鉄道に面している場合もあるため、この遮音性に関しては物件の立地条件によって差が出ます。

プライバシー性が高い

角部屋は中部屋と比べて、窓やベランダの数が多くなる場合があるため、外から家の中が見えやすくなってしまいます。

せっかく眺望の良い窓の多い角部屋に住んだとしても、外から丸見えになってしまうのは苦痛だという方もいるでしょう。

プライバシー性を確保するためには、2面すべての窓を覆う大量のカーテンを購入しなければなりません。

それに比べ、中部屋は主にベランダと通路側の小さめの窓からしか内部を見ることができません。カーテンも少なく済むため、プライバシー性が高いと言えます。

中部屋のデメリット

上下左右の部屋の騒音

マンションの作りや、住民の質にもよりますが、他の住戸と接する面が多い中部屋は他の住戸からの騒音のリスクが上がります。

しかし、集合住宅である以上、角部屋に住んでもこのリスクは避けられません。

玄関側の通路を人が通ることが多い

マンションの住人は、エレベーターから降りて自室に向かう際、自室までの間にある中部屋の前を通ります。

そのため角部屋以外の部屋は、他人が自分の玄関の前を通ることになります。

換気などのために玄関側の部屋の窓を開けていると、至近距離から中が見えてしまうかもしれません。

角部屋と比べて通気性が悪い

窓の多い角部屋は、風の流れが良いため、通気性に優れています。

それに対し、中部屋はベランダ側の窓から玄関側の窓へと空気を通す必要があるため、通気性で劣ると言えます。

また、換気の際は、他の住人が至近距離を通る玄関通路側の窓を開ける必要があるため、玄関側の部屋のプライバシー性が損なわれます。

意外と多い中部屋のメリット

ここまで、中部屋の特徴を列挙してきましたが、中部屋のメリットが意外と多いと感じる方もいるのではないでしょうか。

角部屋と比べて多数派である中部屋は、流通している物件数も多く、多くのマンションを選ぶことができます。

角部屋にはない中部屋の良さを知ることで、家探しの幅も広がるのではないでしょうか。