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ハイリスクハイリターン「タワマン節税」について知っておきたいこと

都心を中心に増え続けているタワーマンション。抜群の眺望が望める上層階は、1億円を超える価格で売られていることが当たり前になっています。


規模にもよりますが、タワーマンションは総戸数300戸を超えることがほとんど。仮に300戸・40階建てのタワーマンションで、20階以上の部屋の数を計算すると、150戸はプレミアム価格で販売されていることになります。特に、最上階などは立地によっては2億円以上もすることも珍しくないようです。


そんなタワーマンションはすでに大量に林立しているにも関わらず、新しいタワーマンションが建つと高層階から飛ぶように売れていくようです。高層階の部屋の値段を1億円から2億円程度と考えたら、150戸の高層階の部屋全体を考えると100億円以上のお金が動いていることになります。


タワーマンションの高層階が人気の理由としては、居住用に住むことはもちろん、海外からの投資や、賃貸目的での購入など、様々な理由があり、ここ10年ほどで「タワマン節税」が話題となっています。


タワマン節税とは


「タワマン節税」と呼ばれる行為は、多額の相続を控えた被相続人が、莫大な遺産でタワーマンションを購入し、相続人が市場価格より低い相続税評価額で相続を行なった後に売却して、相続税の納付額を低く抑えるという行為です。タワマン節税は、購入するのが市場価格の高い上層階であるほど、その効果が大きくなります。


不動産に対する相続税評価額は占有面積によって決定され、マンションの階層に関わらず一定です。例えば、同じ占有面積ならば1階の部屋と52階の部屋の相続税評価額が同じなのです。しかし一般的に、市場価格であれば52階の部屋の方が数倍の価値があるとされています。大抵、相続税評価額を大幅に上回る額で売却できるため、節税効果が大きいと言われています。


法改正によりメスが入れられる可能性も


タワーマンションは、かつて不動産取得税、固定資産税も階層に関係なく一定でした。高層階に住んでいる方は、その部屋の市場価値の割に安い不動産取得税、固定資産税を払うだけで済んでいたのです。


しかし、法改正により、2017年4月以降に新築・売買契約をされたタワーマンションは、階層によって不動産取得税・固定資産税が変動するようになりました。高層階の税金は割高で、低層階の税金は割安となる制度に変わったのです。ここでは、住宅用の高層建築物で高さ60m(20階建程度)を超えるマンションが対象となっています。


現状では、中古のタワーマンションにはこの改正は適用されず、相続税に関してはこの改正の対象ではありません。もしもこの流れが相続税の評価額まで及ぶようになれば、いわゆる「タワマン節税」は難しくなってしまうでしょう。


あからさまなタワマン節税は、租税回避と捉えられて失敗する可能性がある

国税庁の「財産評価基本通達 第1章総則6項」には、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」と定められています。


国税庁から見て、極端に節税目的であることが明らかであると判断されると、タワマン節税をしようとしても現金による相続と同じ額を徴収されてしまう可能性があるということです。実際に裁判となり、相続人(納税者)が負けてしまった例もあります。


相続人は、2007年7月に入院した父の名義で、翌月にタワーマンションの30階の一室を2億9千万円程度で購入しました。マンション購入から1ヶ月後の9月に父が死亡し、相続人は11月に相続登記を終えました。2億9千万円のマンションの一室の相続税評価額は、なんと6千万円弱という値段となりました。その後、相続人は翌年の7月、築1年のマンションを2億8千万円で売却したのです。


この事例で国税庁が動いた原因は、マンションの購入と相続するタイミングがあまりにも近接していることや、購入時の金額2億9千万円と相続税評価額が大きく乖離していること、被相続人が亡くなった翌年に購入価格とほぼ同額で売却していることを問題視したのではないかと言われています。結局、相続人はマンションの購入価格2億9千万円を相続税評価額として、相続税を徴収されたようです。


ハイフロアなタワマン節税はハイリスクハイリターン


相続税の増税とともに話題となっているタワマン節税。しかし、あまりに極端で節税目的であることがあからさまな場合は国税庁から指摘を受け、「節税」とならないケースがあるということを心に留めておきましょう。​​​​​​​

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