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家の大量消費時代はそろそろ終わる?長持ちする家の可能性について

世界の先進諸国と比較して、日本の家は短命であると言われています。日本の一戸建て住宅の平均寿命は約30年と言われ、アメリカの約100年、イギリスの約140年などと比較して、極端に短くなっています。なぜこのような状況になったのでしょうか。


自然災害の多さ=家の寿命の短さとは言えない


地震、土砂災害、水害など、日本は自然災害が頻繁に起こる国です。2011年の東日本大震災は、1000年に一度と言われる津波の被害がありました。そして西日本地域を2018年に襲い、土砂災害や水害をもたらした平成30年7月豪雨は200年に一度の雨量を記録したと言われています。しかし、平均30年という寿命は、そのような災害によって家が壊滅的なダメージを受けるよりもかなり短いサイクルであることがわかります。つまり日本では、「災害によって家が倒壊するサイクルよりも短いサイクルで建て替えなければならないレベルの家が建てられている」と考えることができるのです。


高度成長期の「大量生産・大量消費」によって生まれた家


1950年代から70年代にかけて、日本は高度成長期にありました。この時期は、若く人数の多い「団塊の世代」と言われる人々がマイホームを買った時代であり、「家をとりあえず建てれば売れる」状況であったと言われています。東京や大阪の近郊にはニュータウンと呼ばれる大型の団地が大量に造成され、ベッドタウンがたくさん生まれました。しかし、この時代に建てられた家の多くは採算性重視だったと言われ、上がり続ける需要に間に合うように、安い家が素早く大量に供給されました。


古くからの職人が手がけた頑丈で長持ちする家よりも、早く安く採算性の良い家を大量に売るという流れが存在していたのです。もちろん、全ての家に当てはまるわけではありませんが、コストを削れば当然品質も下がってしまいます。この時期、住宅のコストを下げる方法として使用されたのが、化学合成品で作られた建材です。例えば、家の骨組みである柱や梁を、断面寸法の小さい木材をボンドで貼り付けた集成材にしたり、外壁を安価ではあるものの継ぎ目が劣化しやすいと言われるサイディングにしたり、内装を合板のフローリングやビニールクロスにしたり、といった具合です。


これらの化学合成品で作られた建材は、新築の時は美しく見えるものの、耐久性で劣る場合が多いと言われています。そのような30年もすればボロボロになってしまう家が大量に建てられたため、日本の家の寿命は劇的に短くなってしまったのです。


住宅の大量生産・大量消費の時代はすでに終焉


今の日本は、誰もがマイホームを求め、質の悪い家でも買ってくれた高度成長期ではありません。長い景気の低迷を経て節約志向が高まり、「嫌消費世代」とまで言われる、欲しがらない若者が増えていると言われています。無駄遣いを嫌う人が増える社会で売れるものは、「無駄ではない物、本当に価値のある物」だと言えます。家のように金額の大きな買い物となるとその意識はなおさら強まることでしょう。安くて早く採算性が良いだけの家は、この先選ばれなくなるかもしれません。


欧米では後世に残ることを前提に家が建てられている


高度成長期の日本とは異なり、欧米では一貫して「後世にまで残ることを前提とした家」が建てられていると言われています。中世の趣をそのまま残した外観の家に住んでいる人々の様子をテレビなどで見たこともある人も多いことでしょう。現在の日本ではそのような伝統的な建物は少数派で、高度成長期以降の寿命の短い家が圧倒的多数を占めています。欧米人と日本人の住宅に対する意識の違いなど、要因は様々でしょう。寿命の短い家は当然資産価値も下がりやすいので、家を「財産」として捉えることが難しくなっているのかもしれません。


しかし、しっかりとした建材で、高い性能を持つ寿命の長い家は、長く住むことができるので資産価値も下がりにくくなります。そのような家が増えていけば、家そのものが「財産」として日本の人々に認知される日も遠くないかもしれません。実際に、日本政府も耐震性やエコ性能に優れる住宅を増やすため、「次世代住宅ポイント制度」のような制度を制定し、良質な住宅を増やそうとしています。住宅に対する過度な需要が落ち着いて社会が成熟していくとともに、日本においても欧米のように長持ちする「後世に残る家」が建てられていくことでしょう。

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