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高齢化・過疎化による買い物難民問題から見る家探しのポイント

「買い物難民」という言葉をご存知でしょうか?現代の若年層で、その意味を知っている人はさほど多くないかもしれません。


各省庁の定義によると、買い物難民とは、

・流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれている人々(経済産業省による定義)

・自宅からスーパーなど生鮮食料品販売店舗までの直線距離が500メートル以上離れ、自動車を持っていない人(農林水産省による定義)

のことを指します。


つまり、何らかの理由で買い物に行くことが非常に困難な人のことを指す言葉です。農林水産省の定義による、生鮮食料品販売店舗までの距離が500メートル以上離れている人で、かつ自動車を持っていない人は現在全国に850万人ほどいると言われています。なぜ、こんなにもたくさんの買い物難民が生まれてしまったのでしょうか。


一般的な人でも、将来的に「買い物難民」になる可能性がある


生鮮食料品販売店舗まで距離が遠いと聞いたら、まず山間部や離島などをイメージするかもしれません。しかし、そのような場所は元々の人口も多くありません。850万人という大きな数字は、主に都市部に原因があると言われています。


ここで、日本のどこにでもいる一般的な人が「買い物難民」になってしまう状況について、Aさんの例を用いて解説します。


大都市近郊の山間部のニュータウンにマイホームを建てたAさんのケース

Aさんは40年ほど前、大都市近郊の山間部にできた「ニュータウン」と呼ばれるような団地にマイホームを建てました。当時、ニュータウンには子育て世代が多く住み、徒歩10分ほどのニュータウンの中心部にはスーパーがありました。


時は流れ、子供たちが進学や就職により都市部へと出て行き、街を歩けば人が少なくなっていることがわかるほど、人口が減少してしまいました。若い世代は都心部に賃貸住宅を借りて住んだり、分譲マンションを購入したりして、山間部のニュータウンに移住してくる人はほとんどいませんでした。


そして、事態が動きます。ニュータウンに住み始めて30年が経過した10年前、人口が減って顧客が少なくなった地元のスーパーが、経営不振のため撤退してしまったのです。


隣町のスーパーまでは車で30分ほど、バスと電車を乗り継いだら1時間もかかります。車の免許を持っておらず、専業主婦として生活していたAさんの妻は、買い物に行くことが一気に困難になってしまいました。


そして、ニュータウンに住み始めて40年が経った今、Aさん夫婦は新たな問題に直面しています。それは山間部にある団地の「坂道」です。35歳でマイホームを購入したAさんは現在75歳。バス停から自宅までの険しい坂道が足腰に負担をかけているのです。


5年前、35年にわたるローンを返済し終わったAさん。身体的にも精神的にも不便になってしまったマイホームを売却し、便利な場所への引っ越しを検討しています。


都市近郊の高齢化・過疎化により買い物難民が増加


先ほど取り上げたAさんのような例は現在、全国の大都市近郊のニュータウンと呼ばれる団地で現実となっています。人口の減少によって地元の商店が閉店する一方、残された住民は高齢化により車を運転できなくなってしまうという負の図式です。


東京都の多摩ニュータウン、大阪府の千里ニュータウンなどの巨大な団地においても、このような問題が騒がれ、社会問題化しているのです。


将来、買い物難民にならないための家探し


これから家を買う予定の若い人は、将来自分が買い物難民になるかもしれない、と言われてもピンとこないかもしれません。しかし、生きている以上、老いは誰にでも平等にやってくるのです。もし、将来ずっと住み続けられるマイホームを建てたいと考えているならば、想定できる未来を見据えた土地探しから始めなければなりません。


1. できるだけ平らな土地に住む


若い今、さほど気にならない程度の坂道であっても、年齢を重ねて足腰が弱くなった時歩くことが難しいような坂道だらけの場所は避けましょう。そもそも、街全体が坂道だらけだ、という場合は、せめて最寄りのバス停や駅から自宅まで平らな道で行ける場所を探すと良いでしょう。


2. 閉店するリスクの高い商店より、公共交通機関を見ておく


先ほどのAさんのように、団地の中に唯一あったスーパーが業績不振により撤退することは珍しいことではありません。しかし、バス・電車などの公共交通機関がしっかりしていれば、年齢を重ねた後でも遠方に買い物に出ることができます。


ただ、注意しなければならないのが、公共交通機関も乗車率の低下などにより廃線となる場合がある、ということです。したがって、現時点で廃線の危機が叫ばれている路線の沿線に住むことはお勧めしません。


立地条件は安かろう悪かろう…という次元ではなく命を左右する問題

家は生活の基盤です。退職後、家で過ごす時間が長くなればなるほどその価値を実感することとなります。若い時、少々高めの値段に尻込みせず、良い立地にマイホームを建てていれば、買い物難民となるリスクも低くすることができるかもしれません。


ほとんどの人にとって、一生に一度の買い物であるマイホーム。マイホームをどこに建てるかを決められるのは、住み始める前だけです。家の立地は真剣に吟味する必要があるでしょう。​​​​​​​

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