2019.02.15

メリットがたくさん!一戸建ての賃貸住宅

暮らしのQ&A

日本で賃貸住宅の大半を占めているのが、マンション・アパートなどの集合住宅。

近年増加してきたとはいえ、一戸建ての賃貸住宅はまだまだ少数派です。しかし一戸建ての賃貸住宅にもメリットがあります。

入居者の自由度が高いので人気に

マンション・アパートのような集合住宅では、入居者が他の部屋からの騒音に悩まされたり、自分の部屋で音楽や映画などを大音量で楽しめなかったりといった、集合しているがゆえの息苦しさがあります。

それと比較して、一戸建ての賃貸住宅は、入居者のプライベートゾーンが広いため、騒音を気にせずに生活することができます。

また、庭や複数台駐車できる駐車スペースなど、集合住宅ではほとんど見られない設備があることも、入居する人にとっては魅力となります。

更に、集合住宅には居住者全員が守らなければならない規約があります。

また、一戸建てと比較して住民同士の距離が近いため、トラブルが起こりやすいという傾向もあります。

そのような煩わしさ、息苦しさの少ない環境で生活できる一戸建ての賃貸住宅は、生活の質を重視するようになった現代日本人にとってとても魅力的な物件なのです。

マイホームに住んでいるような感覚を低リスクで味わえるので人気に

一戸建ての賃貸住宅には、庭を自由に手入れできたり、専用の駐車場があったりというメリットがありますが、この自由度の高さが「まるでマイホームに住んでいるような感覚」を強めると言われています。

自由度が高く、自分らしい空間を作る事ができるので、入居者が家に愛着を持ちやすくなっています。

一般的に、2年以内に転居する入居者が多いマンション・アパートと比較して、一戸建てに住んでいる人は長期にわたって住み続けてくれると言われています。

転勤が多くマイホームの購入に踏み切れない人、一戸建てに住みたいが十分な資金が作れない人など、様々な事情によってマイホームを持てる人は限られています。

比較的気軽にマイホームに住む感覚を味わえることが、一戸建ての賃貸住宅の人気を支えているようです。

集合住宅に比べ供給が圧倒的に少ないので人気に

冒頭で、賃貸住宅の世界では一戸建ての物件の数はまだまだ少数派だと書きました。

しかし、数が少ないにも関わらず需要は増しているため、一戸建ての賃貸住宅は今、大変人気を呼んでいます。

需要が多いということは、多少公共交通機関の駅から遠くても、多少家賃が高めであっても借り手がつきやすいというメリットがあります。

多額のローンを組んで地価の高い場所にマイホームを建てるよりも、一戸建・長屋建の賃貸に住みたいという人は大勢いるようです。

初期費用を抑えながらも高い家賃を設定できる

例えばワンルームのマンションを一棟新たに建設する場合、初期費用が1億円を超えてしまうこともあるでしょう。

しかし、一部屋辺りの家賃はそこまで高くできません。

しかし、一戸建・長屋建の住宅は一棟辺り800万円ほどで建てることができるので、例えば5棟建てても5,000万円ほどです。

しかも、ワンルームよりもはるかに高い家賃を設定することができます。

ここで、仮に広島県広島市南区の土地に一戸建ての賃貸住宅を建てた場合の利回りをシミュレーションします。

広島市南区の新築一戸建て賃貸住宅の家賃相場は14~16万円ほどと言われています。

家の建設費用を800万円と仮定し、家賃を低めの14万円に設定すると、一年の家賃収入が14万×12ヶ月で168万円なので、利回りはなんと約21%になります。

単純計算ですが、5年ほど住んでもらえれば初期費用分を回収できてしまうのです。

家賃を高めに設定できるので質の良い入居者が集まりやすい

一戸建て住宅は家賃を高めに設定できるため、収入が高いファミリー層など、問題行動を起こす確率の低い入居者が集まる傾向があると言われています。

収入が高さほどくなくても、家賃扶助制度がある大企業に勤めている人が借りるケースもあるため、家賃滞納などのリスクを低く抑えることができます。

売却する際は一般の住宅として販売できる

マンションを丸ごと一棟売りに出す場合、買い手はおそらく投機目的の投資家になることがほとんどでしょう。

そのような買い手は絶対数が少ないため、長期間にわたって売れない状態が続くかもしれません。

一戸建ての賃貸住宅はごく普通の中古住宅として売りに出せます。

買い手は購入する人はわずかな投資家だけではなく、マイホームを検討している大勢の一般の人々まで範囲が広がります。

投資目的の不動産よりも、一般の住宅として売れた方が一般的に高く売れると言われています。

また、複数の一戸建て賃貸住宅を所有している場合は、一戸建ての独立性を生かし、全てを売らずに一部を売却することも可能です。

土地の形状による影響を受けにくい

土地の形状が四角形ではない場合、ほぼ四角形に近いデザインの多い集合住宅を建てた場合、どうしてもデッドスペースが生まれてしまいます。

デッドスペースを駐車場などにして活用することも不可能ではありませんが、車の進入路の確保など、自由度が高いとは言えません。

それに比べ、一戸建ての場合は、土地の形に沿って無駄なスペースを少なく建てることが可能な上、デッドスペースを庭として活用することできるので、土地の形状に影響を受けにくいと言えます。

一戸建て賃貸の人気は今後も安定か

すでに供給が需要を上回っていると言われる集合住宅と比べ、一戸建ての賃貸住宅はまだまだ供給が足りていないため、これから先もその人気は続いていくでしょう。

ワンルームなどと比較して退去率が低く、空室になる回数が少ない一戸建て賃貸住宅は、入居者が退去するたびに発生するリフォーム費用や広告費用も抑えることができます。

一戸建て賃貸住宅が、賃貸経営の新たなトレンドとなる日も遠くないかもしれません。