2021.09.13

旗竿地とは?再建築が不可になる条件や意外なメリットを解説

建てる

マイホームの土地を探しているとき、「旗竿地(はたざおち)」という言葉を目にすることがあります。近年、都市部を中心に増加していると言われる旗竿地。一体、どのような土地のことを指すのでしょうか。

「旗竿地」の名前の由来はその土地の形から

旗竿地とは、土地の形が図のように「旗」のような形をしている土地のことを指します。道路に接していない土地「袋地(ふくろち)」から細い土地が道路(公道)まで伸びており、その細い土地のみが道路に接している土地のことです。

空から見たその土地の形が、まるで旗のような形に見えるため、このような形状の土地は「旗竿地」と呼ばれているのです。

旗竿地は家の再建築が不可(建て替えができない)って本当?

「旗竿地は、法律で再建築(建て替え)ができない」と思っておられる方は多いのではないでしょうか。しかし、全ての旗竿地で再建築ができない、というのは誤解であり、次に述べる特定の条件を満たしていれば、旗竿地であっても再建築は可能なのです。

建築基本法では、都市計画区域内で建物を建てるには、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接した土地である必要があると定められています。つまり、再建築ができない旗竿地というのは、いわゆる「竿」の部分の土地の幅が2m以下、あるいはその前面の接道が4m以下の旗竿地に限られます。

条件を満たせば旗竿地でも再建築はできる

しかし反対に言えば、「竿」の接道部分が2m以上で、前面の道路が4m以上であれば、旗竿地であっても再建築が可能なのです。「旗竿地だから再建築ができない」というわけではなく、「接道部分が2m以上で、前面の道路が4m以上かどうか」が重要であることを覚えておき、土地探しを依頼する不動産業者に念入りに相談しましょう。

「旗竿地」のメリット

通常の土地と比べ価格が安い

旗竿地は、同じエリアの通常の土地と比べて一般的に価格が安いと言われています。同じ予算であっても、もっと便利な都心部に住むことができるかもしれません。また、土地代を低く抑えた分、家や家具・家電などにお金を回すこともできるでしょう。

土地価格の高い人気のエリアに住んでみたい…が、予算が…!という方は、再建築可能な条件を満たした旗竿地の物件を探してみるのもいいでしょう。

周りが家に囲まれているので、道路からの騒音が少なめ

家の側面が直接道路と接している土地は、道路側の部屋が自動車やバイクなどの道路の騒音によってうるさくなってしまう可能性があります。接道が国道やバス通りなど、交通量の多い道路の場合、深夜になっても騒音に悩まされてしまうかもしれません。旗竿地は、周囲を家に囲まれている分、周りの家がクッションとなり、騒音が軽減される傾向があります。

「旗竿地」のデメリット

駐車が不便

旗竿地は、車で家の前まで駐車する際、道路に接している狭い「竿」の部分の土地を入らなければならないため、駐車が不便になってしまいます。道路までの通路となる竿の部分の土地幅が2mほどしかない旗竿地だと、小型の普通車で通路に入るのも困難になってしまいます。

陽当たりと風通しが悪くなる可能性がある

道路の騒音を防いでくれる周りの家は、場合によっては日光や風も遮ってしまうことがあります。旗竿地の周りの家が密集している場合や、3階以上の高い建物の場合は、陽当たり、風通しが悪くなる可能性が高いため、購入前に注意が必要です。

また、周囲が家に囲まれている場合は、高窓を作って室内に光を取り込む作りにしたり、中庭を設けて風通しをよくするという方法もあるので、検討するのも良いかもしれません。

デメリットは多いが、工夫次第で魅力的な家に

「安いものには訳がある」という言葉の通り、デメリットも多い旗竿地。しかし、接道義務を満たしており、陽当たり・風通しなどが比較的良好な条件の良い旗竿地は、工夫次第で通常の家よりも魅力的な家にすることも可能です。

例えば、竿の部分の広さが比較的余裕のある旗竿地ならば、自宅へと通じる「通路」にお洒落な敷石を置いたり、ガーデニングをしたりして、通常の家では不可能なストーリー性のあるエントランスを作ることもできるでしょう。土地価格が安い分、同じ予算でも家や庭、家具などにお金をかけることができる旗竿地。住んでみたいエリアに理想の旗竿地がないか、チェックしてみてはいかがでしょうか。