2021.10.06

耐震等級とは?万が一の巨大地震の際、命を守る家づくり

建てる

ほとんどの人にとって人生最大の買い物の一つと言えるマイホーム。十分な資金があれば豪華で安全な家を建てることができますが、予算に限りがある場合はどこを重要視して計画すればよいかもよってしまうことでしょう。

長く住むことになるマイホームのデザイン性や断熱性、防音性など、日常生活に影響する部分(見えやすい部分)を追求することはとても大切で、マイホームを計画する楽しみであることは事実。しかし、地震大国・日本において住宅を建てる上で避けて通れないのが、「耐震性能(耐震等級)をどうするか」という問題です。

「意味ない」、「大差ない」とは決して言えない耐震等級

建物の強度を表す指標である「耐震等級」は2019年現在で3段階あります。どの等級も、日本の建築基準法の定めた耐震水準を満たしているという面では共通しているため、「お金をかけて高い耐震等級にしても意味がないのではないか」と感じたり、「耐震等級1と3ではそんなに差が出ないのでは?」と考える方もおられるかもしれません。

しかし、この10年を振り返っただけでも、2011年の西日本大震災や、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震のように、「震度7」を観測した巨大地震がかなりの頻度で起こっていることを知らない方はおられないでしょう。

耐震等級の差は、大まかに言うと、このような巨大地震に見舞われた際に現れることが明らかになっています。地震大国・日本でこれから家を建てる場合、耐震等級をどうするかは決して軽視してはいけない項目と言えるのです。

ここから、3つの耐震等級について詳しく見ていきましょう。

耐震等級1

耐震等級1の家は、建築基準法に定められた基本的な耐震の基準を満たした家。耐震基準2、3と比較すると、建築費用は安くなるため、コスト面で魅力を感じる方もおられるかもしれません。

耐震等級1の水準の目安としては、「数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対しても倒壊や崩壊しない」「数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度」と定められているので、世界的に見るとかなり厳しい(安全な)基準と言えるかもしれません。

しかし、震度6強から7の地震が頻発する現代の日本においては、やや心許ない等級であることは否定できません。

耐震等級2

耐震等級2の家は、耐震等級1で想定されている1.25倍の強さの地震が起きても耐えられる水準の家。現在、日本で家を新築する場合、この等級の家を建てるのがスタンダードだと言われています。また、学校や病院などの耐震性能がこの等級2であると言われています。

しかし、2016年の熊本地震では、耐震等級2の建物が倒壊(全壊)した例が報告されています。これは震度7の地震が短期間に2度も発生したことが原因と言われています。調査の結果、最初の震度7の揺れに耐えることはできたものの、最初の揺れによって耐震性能が下がってしまい、2度目の震度7に耐えることができなかったことが明らかになったそうです。

2016年の熊本地震のように、震度7の揺れが間隔を空けて2度も襲ってくるケースは稀だと感じる方もおられるかもしれません。しかし、現実として起こった事例として胸に深く刻んでおくべきでしょう。

耐震等級3

耐震等級3の家は、耐震等級1で想定されている1.5倍の強さの地震が起きても耐えられる水準の家。前出の耐震等級2の建物が倒壊した2016年の熊本地震でも、耐震等級3の家は倒壊せず、被害が少なかったそうです。消防署や赤十字病院など、防災の拠点がこの等級であると言われています。

耐震等級3「相当」という表記の家は、証明書を発行されていないので要注意

マイホームの建築を依頼しようとしている住宅メーカーが、「耐震等級3相当」のように、「相当」という言葉を付けて耐震性能を謳っていた場合、注意が必要です。

なぜ「相当」という言葉を付けているのかを考えてみてください。理由はとてもシンプルで、堂々と耐震等級3を謳えないからです。耐震等級の認定を受けるには、第3者機関による審査を受けなければならないため、その分の費用(一般的に20〜30万円程度)がかかってしまいます。そのため、この「相当」という言葉を使い、審査を受けずに費用を節約しているのです。

第3者機関による審査を省いた分、住宅の価格が安くなるのであればそちらを選びたい!という人もいるかもしれません。しかし、その「相当」という言葉の根拠は、メーカーや工務店の独自の構造計算と基準によって認定されているもの。そのため、多くの場合地震保険の割引を受けられない可能性があります。

費用との兼ね合いとなるものの、「耐震等級3相当」と謳っている家を買うときは、建築を依頼する会社が信用の置ける会社かどうかじっくりと見極める必要があります。

まとめ 耐震等級は2以上、今後のことを考えたら3を選ぶべき

耐震等級は、ハウスメーカーや工務店によって決められていることもありますが、最終的にどの等級にするかはその家を建てる人が決めることができます。

大規模な地震が起こった際、倒壊した家屋の下敷きになったり、倒壊によって避難経路を塞がれたりといった理由で亡くなる方がたくさんおられることは、無視できない現実。日本全国、どこに住んでいても震度7の揺れに襲われる可能性がある現在、耐震等級は妥協してはいけない点と言えるでしょう。

命を守るはずの家が、命を奪うことにならないためにも、「見えない部分」である耐震等級を妥協しない家づくりを進めてみてはいかがでしょうか。