2021.05.12

タンクレスのトイレって実際どうなの?思わぬデメリットに注意したいトイレ選び

リノベする

トイレの便器の奥にタンクがなく、見た目がスッキリとしてスタイリッシュな「タンクレス」のトイレ。イマドキのおしゃれな新築の家やデザイナーズ住宅ではお馴染みのこのトイレを、リノベーションの際にぜひ取り入れてみたいと考える方は多いのではないでしょうか。タンクレスと、タンクありのトイレは見た目だけではなく構造に違いがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。

したがって、初めてタンクレストイレを導入する場合、タンクレストイレならではの注意点を知っておかないと後で大変な思いをすることになる可能性があります。この記事では、まず、タンクレストイレとは何かをご紹介しながら、タンクレストイレのメリットとデメリット、特性を見ていきます。

タンクレストイレとは?

タンクレストイレとは、文字通り従来型のトイレの便器に付いている、水を流すための「タンク」がないトイレのことです。便器の後ろの四角いタンクがなくなることで、トイレのスペースが広く感じられ、スタイリッシュな印象になります。

タンクレストイレは、タンクから水を流すのではなく、水道に直結しており、水道水の水圧で水を流す構造になっています。この構造は、メリットにもデメリットにもなりうる大きな特徴と言えます。

タンクレストイレのメリット

省スペースでスタイリッシュ

前述の通り、タンクレストイレは水道直結式のため、便器の後ろの大きな四角いタンクがありません。そのため、便器自体が高さも奥行きも低くコンパクトになります。その差は高さが30cmほどで、奥行きは10cmほど。数字にすると僅かな差に思えますが、さほど広くないトイレスペースの場合、この違いが空間のゆとりに大きな差をもたらすことでしょう。また、タンクレストイレはスタイリッシュなものが多いため、お部屋に高いデザイン性を求める人には嬉しいトイレです。

お手入れがラク

タンクレストイレはタンクない分、平面部分が多く凹凸が少なめな形をしている機種が多くあります。そのため、タンク式のトイレよりも拭き掃除がラクであるというメリットがあります。また、便器自体がコンパクトになっているので、タンク式のトイレのタンクが邪魔になって掃除しにくかった便器の側面の部分にも手が届きやすくなります。

タンク式と比べて節水になる

水道から直接水を取り入れて流すタンクレストイレは、タンク式と比較すると節水になるように設計されています。その違いは、タンク式が1回流すごとに約13リットルの水を使うのに対し、製品ごとの差はあるものの、タンクレストイレの場合は3〜4リットル程度で済むというかなり大きな差があります。一人暮らしならさほど差はないかもしれませんが、3人家族や4人を超える家族の場合は大きなメリットになるのは間違いありません。

連続して水が流せる

タンク式のトイレの場合、一度水を流してしまうと、再びタンクに水が溜まるまでトイレを流すことができません。そのため、一度で綺麗に流れなかったり、お掃除をする際など、数分程度待つ必要があります。しかし、タンクレストイレは前述の通り水道に直結しているため、水が溜まるのを待つ必要はありません。

タンクレストイレのデメリット

停電時・電気系統の故障時に水を流しづらい

タンクレストイレは、水道と直結している部分に「電磁弁」というフタをして、水を流す時以外に水が流れないようにしています。この電磁弁は電気で制御されているため、停電時や電気系統が故障すると、通常の方法ではトイレが流れなくなってしまうのです。

もしトイレで用を足した後にこのような事態になった場合は、流す方法がわからず、慌ててパニックになってしまうかもしれません。メーカーによって異なりますが、便器側面のサイドカバーを外してレバーを引いて電磁弁を開けられるようになっていたり、停電が長引く時には乾電池を入れてトイレを動かせるようになっているなど、非常時の対策が取られていますので、パニックになる前に説明書をよく読んでおきましょう。

水圧が低いと設置できない

タンクレストイレは水道の水圧で流す方式のため、水道の水圧が弱い場合、そもそも取り付けることができません。タンクレストイレには、使うために必要な「必要最低水圧」が明示されており、それを下回る水圧のお部屋には設置することができないのです(機種によって最低水圧は異なります)。

特に、マンションの高層階では一般的に水圧が弱くなっていることが多いため、リノベーションのための中古物件を購入する際は注意して確認しておきましょう。

温水洗浄便座の部分のみを交換できない

タンクレストイレはトイレ本体と温水洗浄便座の部分が一体になっており、温水洗浄便座の部分のみを交換することができません。もしも温水洗浄便座が故障してしまい、修理もできないという事態になると、本体を丸ごと交換する必要があり、高いコストがかかってしまいます。

手洗いスペースが別途必要

タンク式トイレ(左)とタンクレストイレ(右)。タンクレストイレは便器周辺はスッキリとするものの、別途手洗いを設ける必要がある。

タンク式のトイレの多くはタンクの上に手洗いが付いています。しかし、タンクレストイレにはタンクそのものがないため、トイレスペースのどこかに別途手洗いを設置する必要があります。当然ながら、その分工事費もかかります。便器周りが省スペースである代わりに、手洗いのスペースが別途必要であることを覚えておきましょう。

停電時・電気系統の故障時には冷静に対応しよう

タンク式は停電時でも水を流すことができるのが強み

タンクレストイレのメリット・デメリットを挙げてきましたが、「停電時や電気系統が故障した時に流すのが難しくなる」という点は、知識がないとパニックになってしまうことでしょう。特に自宅のトイレではなく出先のタンクレストイレでこのような事態が起こった場合、自分だけでは対処法がわからず、他の人にトイレに入ってきてもらう必要があるかもしれません。

反対に、自宅を訪れたお客様がトイレを利用しているとき、万が一停電や電気系統の故障が起こった場合に備え、トイレの外から適切に対処法を指示できるよう、しっかりと対処法を覚えておきましょう。