2020.10.12

家づくりで役立つ建築の基礎用語!現役営業と設計士が選んだ15の言葉とは?

建てる

多くの方にとって、人生最大のお買い物である「家」。しかし、家を買うすべての方が建築用語に詳しいわけではありません。

家づくりをするに当たって、住宅メーカーや工務店に赴いて担当者から話を聞く中で、分からない建築用語とぶつかることもあるでしょう。

その場で質問して、どのような意味なのかを確認すれば良いのですが、なんとなく理解したつもりで話を進めてしまうと、家が建ってから「話が違う」ということになりかねません。

今回は、現役の建築の営業マンと設計士に聞いた、お客様から質問されることが多い建築の基礎用語をご紹介! 言葉の意味を理解することで、スムーズで納得のいく家づくりの助けになれば幸いです。

建物に関する用語

(1)「ベタ基礎」

ベタ基礎とは、家の基礎の一種で、家を支える底面を全て鉄筋の入ったコンクリートで覆い、面で家の重さを支える基礎のことです。

家の重さが分散されるため、地震の揺れに強く、底面が分厚い鉄筋コンクリートで覆われているために湿気やシロアリの被害を受けにくいと言われています。

(2)「布基礎」

布基礎も家の基礎の一種で、こちらは複数の鉄筋コンクリートの柱で家を支える基礎です。底面全てを使って支えるベタ基礎と比べ、いわば「点」で家の重さを支えるため、重さが柱の部分に集中するため、ベタ基礎と比べて耐震性では不利に。また、ベタ基礎と比較すると湿気やシロアリの被害を受けやすいと言われています。

ベタ基礎と比べて使用するコンクリートの量が少ないため、コストが安くなることがメリットですが、地震の多い日本でこの先長い期間住むことを考えるならば避けたほうが良さそうです。

(3)「サイディング」

サイディングは、家の外壁に貼る外壁材の一種で、仕上げに貼られる板材のことです。日本で使用されているサイディングの素材の種類には、窯業系・金属系・木質系・樹脂系があります。サイディングは工場で成形された一定サイズの板材(サイディングボード)を貼り付けていくことで外壁が完成します。

塗り壁やタイル張りと比較すると初期費用が安く済んだり、工場で生産するために品質が安定していたり、耐水・耐天候性にも優れるため、広く普及している外壁です。

(4)「スキップフロア」

スキップフロアとは、床の高さを半階層ずらし、1階、2階のような従来のフロアの間に中階層のフロアを作ること。別名「小上がり」と呼ばれることもあります。

スキップフロアを設けることで床面積が増えたり、室内に開放感が出たりといったメリットがもたらされます。

しかし、フロアの間を壁で仕切らない開放的な間取りゆえに、冷暖房の効率が落ちるというデメリットもあります。

(5)「サッシ」

サッシとは、ガラス窓や網戸などの窓枠のこと。

かつて、日本では安価で腐食に強いアルミ合金製のサッシが主流でしたが、近年では断熱性に優れる樹脂製サッシが徐々に普及してきています。

(6)「梁(はり)」

垂直方向に立つ構造部材が「柱」であるのに対し、「梁」は水平方向にかかる構造部材のことを指します。

近年では、天井の梁を敢えて出すことで、開放感を演出した家も多く存在します。

(7)「筋交い(すじかい)」

筋交いとは、柱と柱の間に、斜めに入れることで構造を補強する部材のことです。

構造体の耐震性を高める効果があります。

(8)注文住宅の「造作(ぞうさく)」

造作とは、柱・梁のような主要構造部を除いた仕上げ工事の総称です。天井、床、階段、敷居など、大工による工事によって作られる部分はもちろん、既製品ではない作りつけの家具のことも造作と呼びます。

例えば、既製品の家具ではない作りつけの棚やカウンター、キッチンボードといった家具に対して「キッチンボードは造作のもの」といった具合で表現されることがあります。

(9)「破風(はふ)」

破風は屋根の妻側の端の部分を指します(図を参照)。そこに取り付けられている板を破風板と言います。

古い日本家屋ではこの破風板に彫刻がされているなど、装飾的な要素もありましたが、現代の家はシンプルな構造になっているものがほとんどです。

破風板の役割は、屋根の下や横から風や雨水が屋根に侵入するを防ぐことや、万が一火災になった際は屋根裏まで炎が急速に燃え移らないようにしてくれることなどがあります。

(10)「モジュール」

モジュールとは、設計する上で基準となる「基本寸法」のことです。日本で使用されている代表的なモジュールは次の3つです。

①尺モジュール(910mm)
②メーターモジュール(1000mm)
③インチモジュール(1218mm)

どのモジュールを採用しているかは住宅メーカーや工務店によって異なります。

同じ6畳の部屋でも、尺モジュールの6畳とメーターモジュールの6畳では、基本寸法の違いによってメーターモジュールの方が20%広くなるため、イメージの相違を無くすためにも、これから建てる家のモジュールがどれであるかを確認しておきましょう。

(11)「構造計算」

構造計算とは、建物が、固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風荷重・地震荷重などに対して、どのように変形し、変化が発生するのかを計算することです。特に、地震大国である日本において、地震の衝撃が家に加わったことを踏まえて構造計算をしておくことはとても重要と言えます。

しかし、日本では構造計算を義務付けられているのは学校や病院や共同住宅などの大型の建物や大型の木造建築のみ。一般的な広さの木造住宅では、構造計算を行なっていない木造の平屋と2階建の家が全体の約8割と言われています。

しっかりとした構造計算をしていれば倒壊を免れる可能性が高くなるため、これから家を建てるに当たって非常に重要な要素といえるでしょう。

建物以外の用語

(12)「法面(のりめん)」

法面とは、山を削ったり、盛土をすることによって人工的に作られた斜面のことを指します。崖崩れや地滑りなどを防止するために作られます。

(13)「北側斜線制限」

北側斜線制限は、建築基準法で定められた建物の高さを制限する法規のうちの一種。その家の北側の隣地の日当たりが悪くなることを防ぐための法規です。

北側の隣地境界線を起点とし、「高さ」と「斜線の勾配(角度)」の規制があります。

住宅を「第一種低層住居専用地域」もしくは「第二種低層住居専用地域」に建てる場合、真北方向の水平距離×1.25+5m以内の範囲(図を参照)に建築しなければらならないため、この制限を考慮して間取りの計画を立てる必要があります。

(14)「不動産取得税」

不動産取得税は、土地・建物のような不動産を買った時にかかる税金のこと。納める先は地方自治体です。

この不動産取得税は「固定資産税」、「都市計画税」のような毎年かかる税金や、継続的に支払う住宅ローンとは異なり、土地・建物を取得した時に一度限りかかる、という特徴があります。

不動産取得税の税率は、固定資産税評価額(土地と建物それぞれ)×3%(2020年10月現在)。しかし、2021年の4月から4%に税率が上がるので覚えておきましょう。

また、新築の建物に関しては、①課税床面積が50㎡以上240㎡以下(戸建て以外の賃貸住宅は1戸当たりが40㎡以上)、②個人の居住を目的とした住宅全般に適用される(セカンドハウスも含む)の条件を満たせば、1,200万円の控除を受けることができます。つまり、建物の固定資産税の評価額が1,200万円以下ならば、建物に対する税金がかからないのです。

また、土地に対しても条件を満たせば評価額が下がる、あるいは控除を受けることができる場合があるため、家づくりを相談する不動産業者にしっかりと確認しておきましょう。

(15)「建築確認申請」

建築確認申請は、建築基準法で定められた申請の一種です。

建築確認とは、これから建てる建物や地盤が建築基準法に適合しているかどうかを確認する作業。前出の「北側斜線制限」を守っているかどうかや、室内の採光が十分であるか、シックハウス対策が行われているかなどを確認します。2020年からはさらに省エネ基準に達しているかどうかも確認されるようになりました。

この確認作業は自治体や委託された民間の機関が行い、確認の申請(建築確認申請)を行うのは家を建てる業者や建築事務所が行うため、家を建てる人自らが何か申請作業をしなければいけないということはありません。

わからないことは積極的に質問しよう

ここで取り上げた15の建築用語は、数多くある用語の一部にしか過ぎません。完全に意味がわからない用語はもちろん、なんとなくわかったつもりになっている用語をそのまま放置していると、人生最大のお買い物で大失敗してしまう危険性があります。

用語の意味や説明の意味がわからない時は面倒であると感じても積極的に質問をするとよいでしょう。