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失われた城を求めて「安芸郡府中町石井城」【広島の街あるきVol.12】

2019年、全国で36番目に住みやすい自治体に選ばれた広島県安芸郡府中町(あきぐんふちゅうちょう)。府中町の様々なエリアを実際に歩き、その街のリアルな情報を発信しています。この記事では、平野部の鶴江(つるえ)、本町(ほんまち)エリアの東隣に位置し、なだらかな高台になっている住宅街・石井城(いしいじょう)エリアを実際に歩き、そのリアルな姿を見ていきましょう。


ピンクで示したエリアが石井城


鶴江や大須に続く道路沿いに広がる閑静な住宅街


鶴江の西端の交差点「鶴江2丁目」を通過すると、石井城エリアに入ります。エリアが変わったとは言え、街の雰囲気が急に変わることはありませんが、道路がなだらかな坂道になり、鶴江には点在していた商店がなくなるといった微妙な違いがあります。



道路沿いには、戸建やアパート、低層マンションといった住宅が立ち並んでいます。道路沿いに植えられた並木や、家々の庭の緑が景観に潤いを与え、美しい景色が広がっています。


石井城エリア自体にはコンビニやスーパーマーケットはありませんが、エリアを横断するこの道路を利用すれば隣接する鶴江のスーパーやコンビニ、そしてその先の大須にある「イオンモール広島府中」にもアクセスが可能。買い物に不自由することはなさそうです。


道路の南は昔ながらの住宅街


メイン道路の南側には、昔ながらの住宅街が広がっています。計画的に整備された団地とは異なり、不規則な狭い道が続く昔ながらの街並みが広がっています。様々な種類の建物があり、まるで古民家のよう雰囲気の戸建て住宅や、昭和に立てられたような古い住宅もありますが、最近の建築と思われる戸建て住宅やアパートも建っています。



さほど広くない道も多く、車で日常生活を送るには運転の技術が必要になりそうですが、さほど急な坂道がないため、徒歩や自転車での移動はしやすそうな印象を受けました。


日本名水百選に選ばれた「今出川清水」


昭和60年に環境省が選定した日本名水百選。広島県では広島市周辺を流れる一級河川・太田川(おおたがわ)と、今回訪ねる石井城の「今出川清水(いまでがわしみず)」(選定当時の名称は「出合清水(であいしみず)」)のみが選ばれています。


住宅街の中の見つけにくい場所にあるというこの今出川清水。Googleのストリートビューも入れないほどの狭い路地にありました。府中町の北東方にそびえる海抜682.2メートルの山・呉娑々宇山(ごさそうざん)から、水分峡(みくまりきょう)を通じて湧き出ていると言われ、かつては飲み水として利用されていましたが、今は湧き水が少なくなったことで飲用水としては使われなくなってしまいました。


量は減っているようだが澄んだ綺麗な水が湧き出ていた


2012年、古文書の古絵図から、それまで使われていた「出合清水」という名称が、正しくは「今出川清水」だったことが発覚し、現在では今出川清水の名称で呼ばれています(府中町の公式ホームページより)。湧水の少なくなった今出川清水ですが、その歴史ある地域文化を守ろうという声が挙がり、近年では自発的な清掃活動が行われるようになったそうです。


北西エリアには例外的にお店がある

石井城と鶴江の境界線の一部は、県道152号線に接しています。この県道に接している部分に立っているビルには、石井城では珍しくお店が入居しています。



この152号線沿いの一部分は、鶴江と石井城、そして石井城の北隣の城ヶ丘(じょうがおか)のブロックが集結しており、ブロックごとに地名が異なるという珍しい場所になっています。


住宅街の中にある石井城公園


メイン道路からやや南の住宅街に入った場所には、中規模の公園・石井城公園があります。遊具やベンチ、公衆トイレなどを完備した公園で、地域の人々に頻繁に利用されているようです。メイン道路からやや離れていることで、車の騒音も聞こえにくく、ゆったりと休息を取ったり、子どもたちを遊ばせたりするのに適している場所になっています。たくさんの木々が植えられて緑が多く、美しく整備されていました。


かつては石井城という城があった -Un château perdu-


石井城という名の通り、この場所には「城」が存在したと言われています。府中町の公式ホームページによると、鎌倉時代末から南北朝時代初期にかけて存在した一族「石井氏」の拠城跡と伝えられていますが、現在は城郭の以降は残っていません。城山の頂に、石井七郎末忠の碑が建立されていると言われているので、今回はその石井城跡を訪れます。


石井城跡は、石井城公園よりやや北東側に進んだ場所にあります。周辺は住宅街で、戸建て住宅やアパートが立ち並んでいますが、その周辺だけ竹やぶや背の高い木々が残っています。


石井城跡付近からの眺め


平凡な住宅街の中に突然現れるこの史跡。城郭は失われてしまったものの、石井城は地名として残ることで現代にその名残を残しているのです。


程よい利便性と程よい自然が共存

平地の鶴江、本町と隣り合い、商業施設へのアクセスが便利になっている石井城。しかし、平地のエリアと比較するとやや高台にあるためか、緑が多く、自然を感じることができます。一国の主が城を構えるほどなので、昔から好立地であったと考えられる石井城。現代になっても、程よい利便性と程よい自然が共存する魅力的なエリアであると感じました。


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