2020.04.13

なだらかなスロープ「安芸郡府中町八幡・浜田本町」

広島の街

2019年、全国で36番目に住みやすい自治体に選ばれた広島県安芸郡府中町(あきぐんふちゅうちょう)。この広島の街あるきシリーズでは、府中町の様々なエリアを実際に歩き、その街のリアルな情報を発信していきます。

今回歩く府中町八幡(やはた)と浜田本町(はまだほんまち)は、平地から高台にかけて続くなだらかなスロープのような街。今回は、浜田本町からゆっくりと街を歩きながら、スロープを登って行きます。

平地で昔ながらの街並みが広がる浜田本町

浜田本町は、府中町の町役場がある大通(おおどおり)エリアの西に位置する小さなエリア。

南を県道84号線と山陽新幹線の高架が走り、その沿線や大通との境界の道路沿いには、昔ながらの個人商店が点在し、賑わいを見せています。平地であることや、街並みの様子から、隣の大通エリアと体感的にはよく似た街並みが広がっています。

カフェのような外観の雑貨屋。

県道84号線沿いにある「府中町ふれあい福祉センター」は、高齢者向けの福祉施設。デイサービスや高齢者の相談窓口などがあり、町内の高齢者の福祉の増進に役立っているようです。コンクリート、ガラス、アイアンをあしらった、一般的な高齢者向けの福祉施設のイメージを覆す現代的なデザインの建物が、この街で一際目を引いています。

大通との境界線の道路を北へ進むと、西隣の八幡エリアから流れてくる川・八幡川のほとりに出ます。川沿いの道はレンガ造り風に整備され、散歩やジョギングにぴったりの美しい景観が広がっています。

川沿いの道を八幡方面に向かって歩いたところにある「安芸府中郵便局」。住宅街の中にある中規模クラスのこの郵便局は、地域の人々によく利用されています。

住宅街が高台に向かって広がる八幡

便利な平地に隣り合っている八幡エリアでは、戸建てやアパートなどの住宅の新築や改装が活発に行われています。

浜田本町から続く新幹線の高架は、徐々に標高の高くなる八幡で地面と合流し、トンネルに潜り込みます。八幡の西部分は、新幹線が地中を走る上に街が続いているのです。

今となっては珍しい公衆電話のあるバス停。八幡で新幹線の高架は終わってトンネルへ突入します。

新幹線の高架沿いには、小規模の公園「永田児童遊園地」と緑豊かな溜池があります。永田児童遊園地は、隣接する大型マンションから直接公園に入ることができるようになっており、このマンションに住む子育て世帯が子どもたちをこの公園で遊ばせているようです。

溜池には鯉や亀が泳いでいたり、時折カワセミが姿を見せたりするなど、街の中でありながら自然を感じることができます。

余談ですが、その昔、新幹線が高速でトンネルに突入する際、空気の圧縮波が発生し、出口付近で放出されることで非常に大きな騒音が発生していた時代がありました(この現象は俗に「トンネルドン」と呼ばれていました)。

しかし、1997に運用が開始された新幹線500系以降、カワセミの鋭いクチバシ部分を応用した独特のフォルムの先端部分が採用されることで、この騒音問題が解決したそうです。

カワセミのくちばし部分を応用した技術のおかげで、このトンネル下の溜池では、カワセミが住むことができるような静かな環境が実現しているのです。

新幹線を上から見下ろせる丘

新幹線のトンネルよりもさらに西側に向かって坂道を登ると、住宅街の中に新幹線の線路を一望できる場所が。府中町や遠くの広島市も見渡すことができます。新幹線が通過する瞬間は流石に走行音が鳴りますが、振動は全く感じることはありませんでした。

さらに標高の高い場所まで、八幡の住宅街は続いていきます。高台の中にある「八幡ヶ丘児童遊園地」は、公衆トイレや遊具、ベンチなどが揃っており、地元の人々の憩いの場所になっていました。

高台には古い家も多く、古民家と呼んでも良いような趣を感じられる家も見られます。

この地域の家の特色かどうかはわかりませんが、空の青に溶け込みそうな鮮やかな青い瓦屋根の家が多く立ち並んでいます。中には、青い瓦屋根の部分を残して、古い住宅をヨーロッパ風にリノベーションした個性的な家もありました。

高台エリアは、国道の車の騒音もほとんど聞こえず、静かでゆったりとした雰囲気が漂っています。山肌には雑木林が残っている部分もあり、晴れた日には空の青と木々の緑を感じることができます。

八幡の高台を上り切ると、このオルラボでも頻繁に取り上げている府中町最高峰の高台・瀬戸ハイムへと続く階段が現れます。階段の上からの景色はほぼ瀬戸ハイムの下の部分と同じで、府中町や広島市を一望できます。

高低差が大きくバラエティに富んだ街並み

浜田本町から八幡までのスロープのような街並みは、高低差が大きいこともあり、商店の多い街から住宅街まで幅広い街の表情を見ることができました。特に、八幡エリアで家探しをする際は、浜田本町と接する平地エリアと瀬戸ハイムと接する高台エリアでは、同じ町内であっても暮らしが大きく変わってくることでしょう。

良い眺望は望めないものの生活が便利な平地エリアと、見晴らしは良いものの坂道がある高台エリア。生活上どちらに重きを置くかを考えて家探しをした方が良さそうです。

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