2020.02.04

注文住宅の価格を抑える11のポイントとは?

建てる

家の形や間取りなどを自分で決めてつくることができる注文住宅。しかし、自分で決められる分、規格化されてコストダウンされた建売住宅と比較すると価格が高くなってしまう…。というイメージを持っている方も多いことでしょう。

事実、SUUMOの調査によると、注文住宅と建売住宅では土地と建物両方の平均価格がおよそ1,000万円の差があると言われています。しかし、間取りやデザインを自由にできない建売住宅を買うことは、賃貸住宅に住むことと体験的には全く変わりません。

もし建売住宅の間取りやデザインに対してわずかでも納得できない部分があるならば、これから数十年にわたって不満を抱えながら生活することになってしまいます。

それに対して、「自分たちにとって重要ではない部分のコストを抑えて、重要視している部分にお金をかけることができる」のが注文住宅の利点です。したがって同じ予算で建売住宅と注文住宅の購入を検討する場合、注文住宅の方がより満足度の高い家をつくることができる可能性が高いのです。

抑えるべきところは抑え、お金をかけるべきところにかけられる注文住宅。具体的にどのような部分でコストを抑えることができるのでしょうか。これから、価格を抑えることができる12のポイントを見ていきましょう。

床面積をベストな広さに

広くて大きな家に住みたいのは、多くの人の自然な欲求かもしれません。しかし、床面積の広い大きな家をつくれば、その分建築資材や工事が増えることになり、当然コストがかかります。自分たちのライフスタイルを熟考し、本当にその広さが必要かどうか、設計の前に考えておきましょう。

家を広くし過ぎてしまうと、生活動線が長くなり、家事をするのも寝室に行くのも大変になってしまいます。最適な長さの生活動線を考え、自分たちにフィットした広さの家を考えることは、この先の人生の快適さを大きく左右することでしょう。また、敷地が極端に狭い場合を除き、床面積を抑えればガレージや庭のスペースに余裕が生まれたり、建物が密集している場所では隣家との距離も確保できたり、というメリットもあります。

総2階建にする

総2階建とは、1階と2階の面積が同じ家のこと。1階と2階の面積が異なる複雑な家よりも、基礎・柱などの構造部分と、屋根のコストが最小限で済みます。

また、1階と2階の面積が同じなので、見た目のデザインもすっきりとシンプルなものとなります。好みの問題となりますが、シンプルなデザインが好きな人にとって総2階建の家は、好みのデザイン性とコスト削減の一石二鳥となることでしょう。

切妻(きりづま)、寄せ棟(よせむね)、方形(ほうぎょう)、片流れなど、屋根の形状には多くの種類があります。切妻屋根や片流れ屋根のようなシンプルな形の屋根は建築資材と工事の節約になるため、他の形状の屋根よりもリーズナブルになっています。

しかし一般的に、軒のほとんどない片流れ屋根の家は雨漏りのリスクが高いと言われているなど、リーズナブルとはいえ見過ごすことのできないポイントもあるため、屋根選びは軒の長さを含めて慎重に行いましょう。どの屋根が一番良いと断言することはできませんが、一般的に初期費用とメンテナンス費用のことを考えた場合、切妻屋根が総合的に無難であると言われています。

家の形をシンプルに

図のように、床面積は同じでも形の複雑さで外壁の面積は大きく増えてしまいます。

屋根と同様、家の形は凹凸を減らして四角形に近い形にするとコストを抑えることができます。同じ床面積でも、凹凸の多い形状の家は外壁の面積が増えて構造も複雑になってしまいます。また、形が複雑だと基礎、内部構造、屋根の形も複雑になり、費用が上がってしまいます。

しかし、四角形の家はシンプルである反面、個性的な家にすることが難しいという難点もあります。せっかく注文住宅を建てるのだから、複雑な形にして個性をアピールしたいという場合は、コスト面とのバランスを考えましょう。

壁とドアを作りすぎずオープンな間取りに

家の中に壁やドアが多ければ多いほど建築コストが上がることは容易に想像できることでしょう。つまり、不要と思われる壁や扉を極力取り払えばコスト削減になるのです。流石に、トイレやバスルームなどの空間の壁やドアを無くしてしまうことは現実的ではありませんが、頻繁に出入りするキッチン横のパントリーやウォークインクロゼットの入口のドアを無くせば、日々の家事がグッと楽になるのは目に見えています。小物などを「見せる」収納としてオシャレに活用することもできるでしょう。

家族それぞれで価値観が異なる部分ではありますが、子ども部屋のドアを作らないことはメリットの多いコスト削減と言えます。子どもは学校に通い始めると昼間は学校に行って不在となり、子ども部屋は荷物を置いたり眠ったりするだけの場所に変わっていくことでしょう。更に、社会人になると独立して巣立ってしまう可能性もあります。ドアを設けなかったことで、子どもが巣立った後の子ども部屋をリビング・ダイニングの延長のスペースにしたり、ゲストルームとして活用したりすることもでき、選択肢が広がります。

また、扉がないことで日頃から親子がコミュニケーションを取りやすくなるというメリットもあります。扉で隔てられた空間に子どもが閉じこもってしまう…という懸念が存在しなくなるので、子どもの孤立を防止することができるでしょう。

箱形階段

箱形階段とは、周囲を壁に囲まれた階段のことです。コの字型や直線型が多く見られます。このタイプの階段は、多くの部分が壁に隠されているため作りやすく、階段の裏側が見える「ストリップ階段」や手すりなどが付いた「鉄骨階段」よりもコストを抑えることができます。

また、箱形階段は階段の下の隠れた部分を収納やトイレにしてスペースを有効活用できるため、床面積の広くない家には嬉しい実用的な階段と言えます。

水回りの場所を集中させる

家の中で、バス・トイレ、洗濯機置き場、キッチンなどの水回りの位置がバラバラに離れていると、配管が複雑になりコストがかかってしまいます。水回りの配置は、住んだ後の生活の快適さがかかっているとも言える重要な部分のため、自由に配置したい部分ではありますが、コストダウンを狙うならば極力一箇所に集中させましょう。

水回りが集中していることは、家事をするうえでは嬉しいことがたくさんあります。例えばキッチンと洗濯機置き場が近くにまとまっていれば、料理と洗濯を同時にしなければならないような時間のない時もスムーズに移動ができ、家事の負担を減らせます。

戸建て住宅の場合、寝室を作ることが多い2階にもトイレを作ることは珍しいことではありません。しかし、トイレが一つ増えることで50万円〜60万円ほど費用が増えてしまいます。2階にもトイレが必要かどうかを設計前に家族で相談しておきましょう。

また、トイレが2箇所あるということは、トイレ掃除も倍になるということ。トイレを1階にまとめることで、こちらも家事負担の軽減につながることでしょう。

キッチン、お風呂、トイレなどのグレード

キッチンや浴槽、便器などは、およそ20年後には傷み出し、交換が必要になる可能性がある設備です。コストダウンを考えているならば、過度に豪華な設備を選ばず、その設備や機能が本当に生活で必要なのかどうかをじっくりと見極めましょう。

特に、見栄えは良いが高価な材質を使った設備を選ぶと、コストが一気に跳ね上がってしまいます。ずっと使う設備であるからこそ、見栄えよりも耐久性で選ぶことで、長期的にもコストダウンを実現できるでしょう。

WIC

今時の住宅に必ずと言っていいほど設置されているウォークインクローゼット(WIC)。個室ほどもある広いスペースが丸々クローゼットになっている設備です。実はこのウォークインクローゼットは、注文住宅のコストダウンを考える上では非常に合理的な設備と言えます。

家の収納をこのウォークインクローゼットに集約し、各個室にそれぞれ作る収納を減らせば、かなりのコスト削減になります。今時でおしゃれな上にコストカットができる素晴らしい設備です。

無垢の床材の樹種

合板に比べて体に優しいと言われ、時間の経過とともに味わいを増すことから人気を集めている無垢材。同じ無垢材のフローリングにする場合でも、樹種によって価格が変わってしまいます。

例えば、材質が硬く反り・縮みが少ないと言われるナラ、メイプル、ウォールナットなどの広葉樹系の床材は比較的高価であるのに対し、やわらかめで肌触りが良く人気のスギ、パインなどの針葉樹の床材は手ごろな価格になっています。

既製品のカーテンで対応できる窓

リビングの窓は開放的に大きなものにしたい…!と考える方も多いことでしょう。しかし、窓を大きくしすぎると、その窓にカーテンをする場合は特注品を頼まなければならなくなり、コストがかかってしまうことでしょう。そして、紫外線によって色あせしたり汚れたりしたカーテンを交換する際も、同じように特注品を頼む必要が出てきます。カーテンを変えて模様替え…なんてことも、気軽に行えなくなるでしょう。

既製品で対応できる窓にすると、コストカットもできる上に、気分が変わったら既製品の安いカーテンで気軽に模様替え!ということもできます。

価格を抑えてはいけないもの

ここまで、注文住宅の価格を抑えるポイントを取り上げてきましたが、家の性能・機能・強度に関しては決してコストを抑えるべきではありません。

家は災害などの万が一の際に自分や家族の命を守る場所であるべきです。内装や外観のような表面的な部分に費用を割きたいと思っても、耐震構造や地盤補強などの目に見えない根本的な部分の費用はしっかりと確保しましょう。