
狭小地に注文住宅を建てる時に失敗しないための5つの注意点
国土が狭く、平野部が少ない国・日本。都市部の平地のような便利な場所に注文住宅を建てることを考えると土地価格が高額になってしまいます。そのため、決まった予算内で便利な場所に注文住宅を建てようとすると、狭い土地しか見つけられない場合が多くなります。
しかし、狭小地に注文住宅を建てることは、広い土地に建てる場合と比べて注意が必要です。ここでは狭小地に注文住宅に建てる際に注意しなければいけない5つのポイントについてまとめました。
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狭小地で敷地ギリギリに建てると足場が組めない
民法234条では、建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離と保たなければならないと定められています。この法律は、火災の際の延焼や、ご近所トラブルを避けるために定められたルールです。しかし、将来的に外壁を修繕することを考えると、足場を組むためにもどちらにしろ50センチの隙間は必要になります。部屋を極力広くしたいと感じる場合でも、敷地ギリギリに家を建てるのは避けるべきであることを覚えておきましょう。
エアコン室外機の設置問題
土地が狭いということは、自分の家のブロック塀や隣家との距離が必然的に狭くなるということ。エアコンの室外機とブロック塀の距離が狭すぎると、室外機の給気口と排気口の位置が近くなり、狭い範囲で空気が循環してしまう「ショットサーキット」と呼ばれる現象を引き起こし、冷暖房の効率が落ちたり、故障の原因となったりするのです。
また、隣の家にエアコンの室外機が近すぎるというのも問題です。例えば、お隣の寝室のすぐ横に室外機が設置されていると、シーズン中はずっと大きな音がお隣に響くことになり、騒音トラブルの原因となってしまいます。ショートサーキットとお隣への騒音を考えて室外機を設置しましょう。
防音が重要
エアコンの室外機の部分でも触れましたが、隣家との距離が近いということは、周りからの音が伝わりやすく、自分たちの音も周りに聞こえやすいということです。そのため、広い土地と比べて防音対策を強化した家づくりをする必要があります。
防音について、家を建てた後に対策をするのは難易度が高いと言われているため、家づくりの段階から特に注意しておく必要があります。
狭小地の家は高さが必要になるため強度がいる
狭小地に家を建てる場合、家族全員の寝室やリビング・ダイニングを確保しようと考えると、どうしても縦に空間をとっていく必要があります。例として、駐車場のスペースも取れないような狭い土地の場合、1階を駐車場にして2,3階を住居スペースにするというような必要も出てくることでしょう。
細く高い建築は、必然的に横揺れに弱くなってしまうため、家の倒壊や近隣の家への被害を抑えるためには、通常よりも強度を上げる必要があります。
狭小地では軒が作りにくい
敷地が狭く、隣家との距離が近い狭小地の住宅では、軒を作ることが難しくなります。雨から外壁を守ってくれたり、夏は日差しが室内に入りにくく、冬は室内に日差しを取り込めるように調整したりする役割を持つ軒。しかし、狭小地では隣家の方向に向けての気を作ることはかなり難しいことです。仮に作ったとしても、ほとんど役に立たないような短い軒になってしまいます。
まとめ 狭小地の注文住宅は施工会社や設計士に相談
土地が狭小地である場合、この記事で取り上げたような注意点に留意しなければならないため、広い土地よりも家づくりの難易度が上がってしまいます。ですが、狭小地だからといって決して理想の家づくりができないというわけではありません。
狭小地で失敗しない家づくりをするには、土地探しの段階で施工会社や設計士に相談し、土地に対して最適なプランの提案を受けることが重要になります。土地を扱う不動産屋の中には設計士が所属し、注文住宅を建てることもできるところもあります。そのようなところに相談すれば、土地探しから土地に合った注文住宅のプランまで相談できるため、土地探しの段階からスムーズに家づくりを行うことができることでしょう。