2019.07.29

賃貸物件の敷金・礼金や敷金礼金なし物件ってなに?

暮らしのQ&A

初めて賃貸住宅を借りて住むという方は、申し込み時にかかる初期費用に驚くのではないでしょうか。

一般的に、賃貸住宅に入居する際は、初月の家賃(日割り計算の場合もあり)、仲介手数料、敷金、礼金です。

これらを合計すると、仮に家賃が5万円程度であったとしても初期費用が20万円を超えるということも珍しくありません。

賃貸住宅に対して特に知識のない方でも、これから実際に住むことによって発生する「初月の家賃」と、物件を仲介してくれた不動産会社の利益となる「仲介手数料」に関しては、その存在理由を理解できるかもしれません。

しかし、これから家賃を払っていく大家さんに対して支払われる敷金・礼金とは一体どのような費用なのかという点は、なかなかわかりにくいのではないでしょうか。

敷金とは

敷金とは、借りた部屋を退去する際に、借主が生活で作った傷を修繕したり、清掃を行う費用として、入居前に大家さんに支払うお金です。

意図的に部屋を傷つけようとしていなくても、通常の生活の範囲内で壁や床に傷ができてしまったり、扉が開きにくくなってしまったりということは避けられないもの。大家さんは入居者が退去するたびに、次の入居者のために部屋を修繕しなければなりません。

大家さんはその費用を入居時に払われた敷金から捻出します。その後、修繕・清掃のために使われた分を引いた敷金は、退去後に入居者に返ってきます。

したがって、もし入居者が修繕の必要がほとんどないほど綺麗に部屋を使っていれば、敷金から修繕費を出さなくても良いので、クリーニング代などを引いただけの、割と多めな敷金が戻ってくるのです。

敷金の相場は、家賃の1ヶ月分が目安と言われていますが、物件の広さなどによっては2ヶ月、3ヶ月となっていることもあります。

礼金とは

礼金とは、その名の通り、部屋を貸してくれた大家さんにお礼の意味で支払うお金です。

そのため、礼金は敷金のように戻ってくることはありません。まだ賃貸住宅が少なかった時代、競争率の高い中部屋を貸してくれた大家さんにお礼として支払う風習があり、それが現代にも残っているようです。

しかし、賃貸住宅がそこら中に乱立している現代においては、入居者の争奪戦となっている状況のため、物件の差別化を図るために礼金を取らない大家さんもいるようです。

礼金の相場は、一般的に家賃1ヶ月分となっています。5万円程度の単身者向けの物件ならばまだ負担は軽いかもしれませんが、家賃が20万円を超えるような物件の場合、かなりの負担となるため、注意が必要です。

敷金礼金なし物件とは

近年、CMなどでも話題となっている敷金・礼金なしのいわゆるゼロ・ゼロ物件。敷金・礼金が無い分初期費用が少なく済むため、まとまった初期費用を捻出することが難しい入居者にはとてもありがたい制度です。

なぜ、このような制度が生まれたのでしょうか。背景には、礼金の部分でも触れたように、現代は賃貸住宅がそこら中に乱立しているという状況があります。

空室を出したくない大家さんや不動産会社が、敷金・礼金なしでも入居してもらいたいと考え、このような制度を生み出したようです。

敷金礼金なし物件はどのように利益を出しているのか

競争力を高めるために敷金・礼金を撤廃したものの、これまで契約が結ばれるたびに固定で入ってきていた敷金・礼金がなくなるということは、大家さんにとってはシンプルに収入ダウン。特に敷金がないと、退去時のクリーニングや修繕の費用をどこかから捻出しなければなりません。

常識の範囲内で部屋を使ってくれる入居者ならばまだしも、壁紙を傷つけたり、フローリングがバキバキに壊れていたりなど、大規模な修繕が必要になるようなケースがあると、出費がかさんでしまいます。

このようなリスクに備え、ゼロ・ゼロ物件を貸している大家さんの中には、入居者が負担にならない程度で家賃が高く設定しているケースがあるようです。

例えば、家賃を月5,000円ほど上げるだけで、1年間にすると60,000円になるため、契約時に敷金を徴取しなくても回収することができる、という仕組みです。

しかし、たとえ家賃が割高になったとしても、様々な理由でまとまった初期費用が払えないという入居者にとっては、ゼロ・ゼロ物件は魅力的だと言えます。

大家さんにとっても、物件の競争力が上がるというメリットがあるので、まさにWIN-WINの関係であると言えます。

まとめ

入居時に初期費用を多く払い、比較的安い家賃で住むことができる従来型の賃貸住宅。

それに対して、家賃はやや割高になる可能性があるものの、初期費用がほとんどかからず住めるゼロ・ゼロ物件。

もし、転勤が決まっているなどの理由でその物件に1年程度しか住まないのであれば、ゼロ・ゼロ物件を選んだ方が節約になるかもしれません。

しかし5年、10年と長く住むつもりであれば、ゼロ・ゼロ物件の場合、その期間中ずっと割高の家賃を支払わなければならないため、トータルで見ると従来型の方がお得になります。

それぞれのメリットを考えて、賢く物件選びを行いましょう。