
2019.07.18
転倒のリスクが増える老後に備えたい!自宅の階段問題
暮らしのQ&A
老化によって足腰が弱くなってくると、ちょっとした段差でつまずいて転倒してしまうリスクが高くなります。
高齢の方が、若い頃はなんとも思わなかったような引き戸下の段差などにつまずき、骨折などの大けがをした、という事故は後を経ちません。
引き戸下のちょっとした段差でつまずいてしまうのであれば、2階建以上の家の階段はよりリスクの高い設備であると言わざるを得ません。
足腰の弱る老後に備え、どのような対策を取ることができるのでしょうか。
平屋に移住

階段で転倒するリスクが高まる老後を迎えたとき、あるいは迎える前に、階段のない平屋の住宅に移住することにより、「階段」問題を回避することができます。
平屋に移り住む場合、住んでいるのが持ち家の場合は、家を売却する必要があるため、いざ足腰が不自由になってから行動を起こすのでは遅いと言えるでしょう。
まだ問題がない時期に早め早めに移住を計画する必要があると言えます。 また、現在住んでいる家が賃貸住宅で、次の家(平屋)を賃貸で借りることを考えている場合も、時間がかかってしまうことを踏まえた上で行動する必要があります。
何故ならば、日本では高齢になればなるほど、新たに賃貸住宅を借りることが難しくなるという現状があるためです。いずれの場合にせよ、移住を考えている場合は早め早めの行動を心がけましょう。
エレベーターのある集合住宅に移住

2階建以上の一戸建てだからこそ存在する「家の中の階段」。
エレベーターの付いているマンションなどの集合住宅に移り住めば、日常的に階段を利用しなくても済むようになることでしょう。
また、集合住宅は都市部など、土地を見つけるのが難しいようなエリアでも比較的物件数が豊富と言うメリットがあります。
マンションなどの集合住宅に移住する際に注意したいのが、同じマンションに住んでいるご近所様。
一戸建ての頃よりも世帯間の距離が近い集合住宅では、騒音やマナーなどでトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
管理組合がしっかりとしており、住んでいる人々の雰囲気が良さそうな物件を狙いましょう。
2階建ての家を平屋に減築リフォーム
現在住んでいる家の2階部分を取り壊し、平屋にリフォームする減築リフォーム。
住み慣れた家や土地にそのまま住み続けたいと言う人には良い方法だと言えます。
しかし、減築リフォームは一般的に意外と費用かかると言われており、場合によっては2,000万円以上かかるケースもあるようです。2,000万円と言うと、リフォームどころか新築を建てることも視野に入る額です。
また、2階の部分を解体・処分する費用や、リフォームを行なっている間の仮住まいも考えておかなければなりません。
現在の家を減築リフォームするか、全て取り壊して平屋を新築するかをしっかりと検討する必要があるでしょう。
ホームエレベーターを設置
ホームエレベーターは「贅沢な設備」と言うイメージがあるかもしれません。
しかし、高齢化社会に突入して久しいこの頃、各メーカーから低価格な機種も発表され、敷居が下がっていると言えます。
しかし、低価格になっているものでも250万円程度からとなっており、エレベーターを設置するために家をリフォームしなければならない可能性も出てくるため、軽い気持ちでは導入できない代物だと言えるでしょう。
また、エレベーターを設置すると、建物の固定資産税の評価額が上がってしまったり、建築基準法に則った点検(もちろん有料)を受ける必要もあったりするなど、ランニングコストについても考える必要があります。
1階部分だけで生活

ここまで、老後に備えた「階段」問題の対策として、移住やリフォームなどの方法を取り上げてきました。
しかし、現役世代に比べて収入が少なくなってしまうことが多い老後に備えて、余計な出費をしたくないと言う方も多いことでしょう。
そんな方は、費用がほとんどかからない最終手段として、1階だけで生活するように生活動線を見直すと言う方法が良いかもしれません。
日本の多くの家は、浴室やトイレ、キッチンなどが1階に集中しており、2階部分は寝室や個室のみ、と言う間取りで建てられています。
1階のどこかのスペースで眠るようにすれば、2階に行かなくても生活できるようになるのです。
もし、2階の部屋で雨漏りや窓ガラスの破損などのトラブルが発生した場合は、面倒ではあるものの子どもたちや業者に修繕を依頼できます。
平均寿命が世界最高レベルとされる日本。しかし、せっかく長生きすることができたとしても、怪我をして寝たきり状態になってしまっては元も子もありません。
足腰が弱くなってからは、階段のある生活から離れる工夫が必要だと言えるのです。



