
2021.08.19
DIY可能な賃貸住宅の魅力とは?メリット・デメリットまとめ
リノベする
一般的な賃貸住宅では、入居者は壁紙を好きな色のものに勝手に張り替えたり、トイレ、洗面台をDIYで好みのものに取り替えたりするといったリフォームを行うことができません。
通常の不動産賃貸契約では、貸主(大家さん)には「部屋を普通に住める状態にする義務」があり、入居者には「退去するときに借りた時の状態に戻す義務(原状回復義務)」があります。このため、賃貸住宅において勝手に壁紙を張り替えたり、住宅設備を勝手に張り替えたりすることは禁止されているのです。
「DIY可能賃貸」を実現する「借主負担DIY型賃貸借契約」
借主負担DIY型賃貸契約とは、2014年に国土交通省のガイドラインにおいて提示された新しい契約形態です。この契約は、これまでの不動産賃貸契約では一般的であった「原状回復」の義務がなく、逆に貸主は入居中や入居前の修繕を行う義務がない、と言うもの。
つまり、貸主は仮に修繕が必要な状態のままであっても部屋を貸すことができ、入居者は自己負担ではあるものの自分の好きなように部屋をDIYでリフォームすることができる、と言う契約です。「DIY可能」と謳っている賃貸住宅の多くは、この契約形態を取っています。
DIY可能の賃貸住宅のメリット

1. 原状回復の必要がない
前述の通り、DIYを許可している物件は借主負担DIY型賃貸契約であることがほとんどのため、「原状回復」を要求されません。(※個々の物件によって契約内容は異なる可能性があるため、事前に契約内容をチェックしましょう)例えDIYや業者によるリフォームによって壁紙や設備を変えたとしても、退去時に元の状態に戻す必要がないのです。
壁紙や設備の交換といったリフォームの予定がない場合でも、このような退去時の「原状回復」に係る出費を抑えることができるので、一定のメリットがあると言えます。
2. 通常の賃貸住宅ではあり得ないような空間を作ることができる

DIYが許されているということは、アクセントクロスで印象的な空間を作ったり、壁付の棚やテレビボードなど、こだわりのインテリアを自分好みに作ったりすることが可能です。通常の賃貸住宅ではこのようなことは不可能。世界にひとつだけのオリジナルな家を作ることができます。
契約内容にもよりますが、トイレを最新の温水洗浄便座・リモコン完備の機種に付け替えたり、バスタブなどを自分好みのものに付け替えたりすることもできるかもしれません。家の内装や設備を自分の納得のいくものにリフォームすることで、満足度の高い生活を送ることができるでしょう。
3. 成功したリフォームは大家さんにとってもメリットとなる

DIYによって美しくリフォームされたお部屋は、入居者だけではなく大家さんにとってもメリットとなります。入居者が壁紙や設備などを自腹で良いものに交換することで、将来的に入居者が転居することになっても、その部屋の資産価値が上がっている可能性があります。
DIY可の賃貸住宅のデメリット

1. リフォームにお金をかけても賃貸住宅(大家さんの財産)であることには変わりない
DIYが許されているといっても、そこはあくまでも「賃貸住宅」。所有権は当然大家さんにあります。DIYで作り変えた家が自分の財産になることは、物件を丸ごと買い取らない限りありません。
また、大家さんの都合によって立ち退きを求められた際、せっかくDIYした部屋を明け渡さなければならなくなるというリスクがあります。DIY可の住宅でリフォームを行う際は、このようなリスクを踏まえた上で行いましょう。
2. DIYで失敗すると、自己責任となる
万が一DIYによるリフォームが失敗すると、その責任は完全に入居者が負わなければなりません。前述の通り、DIY可能の賃貸住宅の借主負担DIY型賃貸契約では、大家さんが部屋の修繕を行う義務は無いのです。
壁紙の張り替えに失敗したり、トイレやバスタブを自力で交換して失敗したりしてしまうと、当然ながら自己負担で修繕を行う必要があります。そのような心構えを持った上でDIYを行いましょう。
3. 借りる前に適切な修繕が行われていない物件もあるかも
前にも述べた通り、DIY可能の賃貸住宅の借主負担DIY型賃貸契約では、入居前に何らかの修繕が必要な箇所があったとしても、貸主はその箇所を修繕しないまま部屋を貸すことができます。例えば、換気扇や配管が壊れている、ドアがちゃんと開かなくなっている、などの修繕が必要な部屋であっても、入居者が入居後に修繕を行う必要があります。
まとめ

このように、DIY可能の賃貸住宅にはメリットがありますが、同時にデメリットも存在しています。しかし、お部屋を自由にリフォームできると言うことは、中古住宅を購入してリフォームをするのと同じ体験ができると言うこと。将来的に中古の物件をマイホームとして購入し、リノベーションを検討していたり、DIYが大好きという人にとっては魅力的な物件と言えるでしょう。




