2021.08.24

広島の西風新都ってどんなところ?アウトレット開業で変わる郊外の街

広島の街

広島市の中心部から北西に10kmの位置にある「ひろしま西風新都(せいふうしんと)」。広島市民から「西風新都」の略称で呼ばれています。

山の中に突然現れる2本のタワーマンションとビル街、エディオンスタジアム広島をはじめとする競技場群の姿は、初めて見た人にとっては不思議な光景に思えるかもしれません。この西風新都とは、一体どのような街なのか、またこれからどのような発展を遂げる可能性があるのかを見ていきましょう。

1994年のアジア大会に伴い建設された都市

西風新都が整備されるきっかけとなったのは、1994年10月に広島で開催された「第12回アジア競技大会」。この大会のために、それまでは山間部の森林などがあった土地を切り開いた大規模な開発が行われ、競技場と選手村を擁する街や、広島市中心部と西風新都を結ぶ新交通システム「アストラムライン」が建設されました。

2棟のタワーマンションを含む高層マンション群の正体は、このアジア大会の選手村。大会終了後に分譲マンションとして売り出されました。このビル群は「A.CITY(エーシティ)」と名付けられ、この街を中心とした広島市安佐南区や佐伯区の山間部一帯が「ひろしま西風新都」と名付けられたのです。

紙屋町まで乗り換えなしの新交通システム「アストラムライン」

広島市中心部から、アジア大会の競技場や選手村に直通する新交通システムとして作られたのが「アストラムライン」。中区の「本通(ほんどおり)」から東区の「牛田(うした)」、安佐南区の「大町(おおまち)」などを経由して、エディオンスタジアムをはじめとする競技場近くの「広域公園前」までを結んでいます。

大会が終わっても運行は続けられているため、西風新都に住んでいるならばアストラムラインを広島市中心部への通勤の足として利用することができます。バスや路面電車とは異なり、道路の信号や渋滞などの影響を受けない新交通システムなので、事故や悪天候などの理由を除いて定刻通りの到着が期待できることも強みです。

2030年を目標に延伸計画の進むアストラムライン

このアストラムラインは、2030年ごろの開業を目指し、JRの「西広島」駅までの延伸が計画されています。現在のアストラムラインは、西風新都から北上し、安佐南区の住宅街を経由するルートしか運行されていないため、西風新都から広島市の中心部に行くことを考えるとやや遠回りをするルートになっていました。

現在、アストラムラインは西風新都の「広域公園前」から広島市中心部の「本通」までを約37分で結んでおり、直線距離が10km程であることを考えると、やや不便と言わざるを得ません。しかし、西風新都から南東の西広島駅までの延伸が実現すれば、西風新都から広島市の中心部までの所要時間はさらに短縮され、中心部へのアクセスが改善されることが期待できるのです。

広島高速4号線から車で広島市中心部まで直通

A.CITYのメインストリートから直接繋がっている「広島高速4号線」を使えば、広島市の中心部の西区中広(なかひろ)まで、車で一本道で行くことができます。高速道路の終点の中広からは紙屋町や八丁堀が近いため、車でショッピングなどに行くのも便利です。高速の利用料金は普通車で片道410円(ETC時間帯割引を利用すると370円)。また、山陽自動車道の五日市(いつかいち)ICも近く、遠方に旅行に行くのも便利です。

「ジ・アウトレット広島」開業で買い物が激変

西風新都にはもともと、郊外型の大型スーパーやホームセンターなどが立地しており、生活必需品を揃えるのは不便ではない場所でした。

しかし、郊外型のモールがなかったため、おしゃれなファッション用品などの専門店を利用したり、映画を見に行ったりするには、広島市中心部か、山を南に下った井口(いのくち)にある「アルパーク」まで行く必要がありました。

2018年、西風新都の南の広島市佐伯区『西風新都グリーンフォートそらの』地区に、イオンモールが運営するアウトレットモール「ジ・アウトレット広島」が開業。西風新都でも広島市中心部に遊びに行くような感覚を味わうことができるようになりました。

様々な競技場と緑が豊富な広域公園

かつてアジア競技大会の競技施設として使用された競技場が多く残り、緑の豊かな都市公園、「広域公園」。西風新都に住んでいれば気軽に足を運ぶことができます。近年、移転計画が進行していますが、広島のサッカーチーム「サンフレッチェ広島F.C」のホームスタジアムの「エディオンスタジアム」もこの広域公園内にあります。

その他にも陸上や球技、テニスの競技場が多数立地し、広島で最も競技場の多いエリアといっても過言ではありません。広い敷地に大量に作られたこれらの競技場と豊かな緑の風景はとても壮観です。

広島を代表する大学が近くに立地

西風新都のすぐ近くには、「広島修道大学」、「広島市立大学」が立地しています。西風新都に住みながら、これらの大学に通うことになれば、緑豊かな環境で、ゆったりとしたキャンパスライフを送ることができるでしょう。特に広島修道大学は、アストラムラインの終点(2019年時点)の「広域公園前」から直接アクセスできるようになっており、通学がとても便利になっています。

公共交通は充実しているものの、都会では味わえない大自然を味わえる

アストラムラインと広島高速4号線により、広島の都心へのアクセスが充実している西風新都。しかし、距離的には都心からは遠く離れており、緑豊かな山に囲まれているため、綺麗な空気と広々とした眺めを楽しむことができます。都会の賑やかな雰囲気が好き、という人にはこの街は向いていないかもしれませんが、オンとオフをしっかりと切り替えられる環境を求める人にはぴったりの街だと言えるでしょう。

西風新都へ続く道のりを動画で見る