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ソロ社会にどう備える?賃貸オーナーが知っておきたい制度

国立社会保障・人口問題研究所が2018年にまとめた調査結果によると、2019年現在、日本の全世帯のうち「単身者」の割合は、約35%とされています。今後さらにこの割合は増え、2040年には実に4割程度の世帯が単身世帯となると予測されています。生涯未婚である人、離婚した人、そして配偶者を亡くすことによって単身になる人が少数派ではなくなる「ソロ社会」は、すでに始まっていると言っても過言ではありません。


ソロ社会で賃貸住宅を運営する不動産オーナーは、自分の物件に「単身入居者」がかなりの割合で入居するという経験をすることでしょう。単身者が入居することによって考えられるリスクは、単身入居者が何らかの原因によって亡くなった時、相続人等がわからなかったり、親族などの支援が期待できなかったりして、居室の残置物の処理に困ってしまうという点があります。


また、一人で亡くなった方の発見が遅れ、ご遺体が長期間放置されてしまった場合、その部屋が事故物件となって告知義務が発生したり、家賃を下げざるを得なくなったりするかもしれません。このようなソロ社会突入によるリスクに対処するには、どうすれば良いのでしょうか。


契約前に入居者の情報をしっかりと把握しておく


新たに単身入居者を受け入れる際は、賃貸借契約を締結する前に相続人となる親族が存在しているかどうか、また、その親族がどこに住んでいるかを確認しておきましょう。特に高齢の単身入居者であれば、面倒であっても必ず行っておくべきです。単身入居者の身に万が一のことが起こった際、その部屋の貸借権と残置物の所有権は相続人に継承されるからです。親族にすぐ連絡を取れるようにしておくならば、トラブルを避けることができるでしょう。


それでは、これから入居する単身入居者に、相続人となるような親族が存在しない、あるいはわからない場合は、どのような対策を取れば良いのでしょうか。


終身建物賃貸借契約

終身建物賃貸借契約とは、「賃借人が亡くなった時点で賃貸借契約が終了する」というタイプの契約です。貸借権が相続されないため、契約が安定的に終了でき、相続人やオーナーが契約終了のために手続きを行う必要がありません。終身建物賃貸借契約で家を借りるには、入居する人が60歳以上である必要があります。しかし、入居するのが夫婦である場合、どちらかが60歳以上であればこの契約を締結できるようです。


また、賃貸人は、この契約を結ぶためには事前に都道府県知事の認可を受ける必要があります。認可を受けるには、その住宅が「高齢者の居住に適している」ことが求められます。具体的には段差が少ないことや、手すりなどがきちんと配備されていることが条件です。また、階数が3階以上の場合は、エレベーターの設置が必要になるため注意が必要です。


入居者側からこの契約を解約する場合は、下記の理由に該当する場合にのみ認められます(下記以外の理由では原則認められないようなので、その物件に住み続けても本当に大丈夫なのか事前によく確認しましょう)。


(1)療養、老人ホームへの入所等の理由によって継続居住が困難になった場合


(2)親族との同居等の理由によって居住が不要になった場合


(3)事業者が知事からの改善命令に違反した場合


(4)解約期日が解約申入日から6か月以上先にある場合


相続人がいない、あるいはわからない単身入居者を受け入れる際は、この「終身建物賃貸借契約」を活用することで、万が一の事態に備えることができるでしょう。


賃貸借契約を終了できると言っても、残置物の処理などは通常の賃貸借契約の場合と変わりません。そのため、終身建物賃貸借契約の契約書の、「残置物の引き取り等」に係る項目をしっかり定めておき、相続人がいない場合でも残置物の処理をスムーズに行えるように対策を取っておきましょう。


単身入居者が入居している間のケア


高齢の単身入居者が入居した場合、入居中に様々な対策を行うことで、入居者の孤立化を防ぐことができます。国土交通省では、単身入居者とオーナーが自然と関わり、入居者の状態を確認する方法として、以下のような提案をしています。


(1)自宅にいる時間帯(外出・帰宅時間)やかかりつけの診療所名等を聞き取っている。


(2)家賃の徴収は現金で支払ってもらうなど、できる限り入居者とのコミュニケーションを取っている。


(3)入居者のもしもの時に備えて、対応手順や日頃から気をつけておくことをリスト化している。


このような対策を取っておけば、入居者に何らかの異変が起こっても、素早い対応ができることでしょう。


また、郵便物や新聞が溜まっている、電灯が消灯されていないなどの異変があれば、入居者が動けない状態になっている可能性があります。こまめに観察して、救急車の手配などを迅速に行えるようにしておきましょう。


「ソロ社会」では、これまでとは違う「人との繋がり」が重要


従来型の社会では、家族や職場といった単位のネットワークが主流でした。しかし、家族という単位に収まらない人が4割になる2040年には、その常識は通用しないでしょう。これまでの枠にとらわれず、「近所の人」や、「趣味の友達」、「飲み友達」など、新たな人の繋がりの枠を増やす必要があります。

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