
2019.08.22
日本人の「住」を根本から変える!?テレワークという働き方
暮らしのQ&A
現在、日本政府が推し進めている「働き方改革」の一つに定められている「テレワーク」。
国は、2020年までに、テレワーク導入企業を3倍にし、週1日以上、終日在宅で就業する雇用型在宅テレワーカーの数を全労働者数の10%以上にするという目標を掲げています。
テレワークとは、簡単に言うと、IT技術を利用して、オフィスに通勤せずに家や出先で仕事を行う働き方のこと。
2020年まで1年を切った2019年現在、多くの日本人が毎日満員電車に揺られ、交通渋滞に巻き込まれ、過酷な通勤を強いられる毎日を送っているのが現実です。
労働者の10人に1人がテレワークになるなんて、現状では夢のような話だと思う方もいることでしょう。
しかし国は、テレワークを導入する企業に対して助成金を中心とした様々な支援制度を設けており、それが一般に周知されればテレワークという働き方は急速に広がるかもしれません。
そして、この働き方は日本人の「住」の概念を根本から覆すかもしれないのです。
テレワークの定義

テレワークとは、テレ(=tele、遠くという意味)とワーク(=work、働く)という言葉を組み合わせた造語。
ICT(情報通信技術)を使った、就業場所にとらわれない働き方のことです。
具体的に言うと、テレワークで働く労働者は、インターネットを使い、メールやチャットでのデータの送受信、音声通話やビデオ通話を使ったコミュニケーションを行なって仕事を行います。
テレワークの中には、家の中にいながら仕事をする「在宅ワーク」や、インターネットが使えるカフェなどで仕事をする「ノマドワーク」などが含まれます。
企業側のメリット
採用面での競争力UP
働く場所が自由になるテレワークを導入することは、採用面での競争力を上げる要因となります。
テレワークの導入がまだまだ進んでいない現在、この働き方を提示することで優秀な人材を呼び込んだり、他社への人材流出を防いだりすることができる可能性があります。
また、これまで様々な事情で会社に通勤ができず、勤めることができなかった優秀な人材を雇用できるかもしれません。
コスト削減
また、費用面でもメリットがあります。
全就業日のうち半分をテレワークにするだけで、労働者にかかる交通費が半分になります。
また、オフィスを使用しないため、パソコンなどの電気代も削減できることでしょう。
労働者側のメリット
通勤からの解放
全て、あるいは部分的にでもテレワークを行うことになれば、労働者は毎朝の通勤から解放されます。
特に、遠方から苦しい思いをして通勤している人にとってはこのメリットは大きなものとなるでしょう。
通勤で消費される無駄なエネルギーを仕事に向けることで、仕事の効率も上がるでしょう。
住む場所の範囲が広がる

通勤からの解放により、労働者はインターネットが繋がっている限り、好きな場所に住むことができます。
極端な話になりますが、東京の会社に勤めていながら、沖縄の海沿いに住むことだってできるのです。
買い物や医療などのライフラインを確保できるならば、理論上は日本中どこでも住むことができます。
この流れが広がっていくと、都市部の一極集中が和らぎ、過疎化や環境汚染などの問題の改善につながることでしょう。
国の助成金制度がある
厚生労働省は、テレワークを導入するため、以下の条件で企業に助成金を支給する制度を作っています。
条件を満たし、テレワークの目標を達成した企業には、テレワークを行なった従業員1人あたり最大20万円が支給されます(1企業当たりの上限額は150万円)。
労働者の通勤にかかる費用や、オフィスで消費する電気代を削減できるだけでなく、国から助成金までもらえてしまいます。
また、早い段階からテレワークを実践しているということで、周囲からも革新的な企業であると一目置かれることでしょう。
しかし、接客や外回りの営業職など、人と接する仕事をテレワークにすることは現代の技術では不可能です。
しかし、テレワーク化できる職種の人が通勤しなくなると、その分通勤ラッシュが緩和されることになります。
テレワークで日本人の「住」が大きく変わる

21世紀の課題として頻繁に取り上げられている郊外地域の過疎化。
東京都内である多摩ニュータウンや、大阪府内の千里ニュータウンでさえ、その問題から逃れることができていません。
若い労働者たちが郊外地域を捨てて都市部へと流れる理由として、「通勤の不便さ」があるのは、誰もが思うところでしょう。
しかし、企業のオフィスへの通勤がテレワークによって消滅すると、比較的土地の安い郊外地域に住み続けても快適な生活が成り立つようになります。
テレワークは、先進的な企業だけがやっている流行りものの働き方などではありません。
インターネットが全国に広がっている現在、どの企業も比較的簡単に実践できる(しかも補助金がもらえる)取り組みです。
国の指標通り、来年(2020年)に10人に1人がテレワーカーとなるようなことがあれば、現在乗車率100%の満員電車が単純計算で乗車率90%になります。
日本人の「住」、そして生活そのものを大きく変える働き方であると言えるでしょう。



