
2020.08.24
エアコンの効果的な取り付け位置とは?新築の時だからこそ気をつけたい3つの法則
建てる
法則1:取り付けは壁の「短辺」に

長方形のお部屋にエアコンを取り付ける時、エアコンはお部屋の長辺ではなく短辺の壁に取り付けましょう。
よくある家庭向けの壁付けタイプのエアコンは、吹き出し口から冷たく冷やした空気(冬場は温めた空気)を室内に向かって一方向に吐き出して室温をコントロールする構造になっています。
部屋の四方に向かって風を送る天井型のエアコンとは異なり、ほぼ一方向に風を送るため、部屋の短辺に取り付けた方が、遠くまでエアコンからの風が届くのです。
反対に、長編に取り付けてしまうと、部屋の両端を冷やしたり温めたりするのに時間がかかってしまいがち。室温が変わりにくいということは、その分エアコンのパワーが必要になるため、消費電力が増えてしまいます。
法則2:エアコンの下に障害物を作らない

エアコンの下に風の流れを妨げるような仕切りや家具を置くと、部屋全体に風が行き渡りにくくなるため、冷房・暖房効率が下がってしまいます。
特に、暖房時の風は下の障害物の影響を受けやすいため要注意です。暖かい空気は部屋の天井近くに溜まりやすいため、暖房時のエアコンは下の床に暖かい風を送って、部屋全体の温度を上昇させるのが効果的と言われているのです。
つまり、エアコンの下に何らかの障害物があると、空気が床に届く前に障害物によって跳ね返されて天井に向かってしまいます。そのため、上半身は温まっているのにもかかわらず、足元がいつまでも寒いままになってしまうという非効率的なことになりかねないのです。
冷暖房効率を上げるため、エアコンの下にテレビやソファ、シェルフなどを置かざるを得ないような間取りは避けるのが賢明です。
法則3:可能なら窓の上が効果的

夏場の外の暖気と冬場の外の冷気を最も室内に取り込みやすい場所は「窓」。断熱性に優れた樹脂製サッシを使って対策することはできますが、壁面と比べると外気の影響を受けやすい場所になっています。
エアコンを窓の上に設置することで、他の位置に設置している時よりも外からの熱を早く調節できるため、冷暖房効率が上がります。上述の樹脂製サッシや遮熱性能のあるカーテンなどを併用するとさらに省エネ効果が期待できます。
3つの法則を実現するためには新築時の設計が重要

ここまで取り上げてきた、エアコンの冷暖房効率を上げる3つの法則。しかし、ご存知の方も多いとは思いますが、エアコンの室内機はどこでも取り付けられるものではありません。3つの法則を実現するために、新築の設計の段階で気をつけなければならないことを見ていきましょう。
配管用の穴の位置
エアコンの室内機は、室外機と繋がる配管用の穴よりも高い位置に取り付ける必要があります。
エアコンの配管は、空気の温度を変えるために必要なガスを通すパイプと、温度が変わったことにより発生する水を外に流すためのパイプがあります。
仮に、この配管用の穴が上になってしまうと、水を外に流すパイプが逆流し、水漏れを起こしてしまいます。そのため、冷暖房効率の高まる場所にエアコンをつけることを設計段階から想定して配管用の穴を決めておきましょう。
室内機と室外機の距離
室内機と室外機の距離が遠いと、温度を変化させた風が途中で周りの温度の影響を受け、元の温度に戻った状態でお部屋に送られてしまう可能性があります。
そのため、室内機と室外機の位置がなるべく近くなるよう、新築時の設計段階から計画しておきましょう。
エアコンの機種によって、効果を保障する距離が決まっているため、エアコンを購入する際に販売店に確認することもできます。しかし、距離が近ければ効率よく室内の温度を調節できるという原則は覚えておいて損はありません。
専用のコンセントの位置
エアコンのコンセントは通常のコンセントとは異なります。そのため、家庭用の延長コードで無理矢理接続すると最悪発火し、火災となる危険性があります。
そのため、エアコンを取り付ける位置のすぐそばにエアコン専用のコンセントを設置するようにしましょう。
エアコン周りの余裕のあるスペース
エアコンは、室内の空気を取り込んで温めたり冷やしたりして風を送り出す家電。そのため、室内機の上下左右には一般的に最低でも10cm以上のスペースが必要です。
エアコンの機種によって必要なスペースが異なる可能性もありますが、壁にぴったりとくっつけて設置するということはあってはならない、と覚えておきましょう。
環境にもお財布にも直結する冷暖房効率

ここまで、エアコンの取り付け位置を工夫することで得られる省エネ効果について見てきました。
毎日のわずかな差であっても、長期的に見たら大きな差が生まれる冷暖房効率。家を新築するときは、冷暖房効率を考えたエアコンの位置選びを検討するのはいかがでしょうか。