2023.01.17

金利?種類?意外と知らない住宅ローンの基礎知識

建てる

住宅を購入するときに多くの方が利用する「住宅ローン」。 利用するためには借り入れ先はもちろん、金利タイプ、返済方法なども選択しなければなりません。

今回は、住宅ローンの基礎知識をお伝えしていきます。 借り入れ前にしっかりと確認しておきましょう。

住宅ローンの金利の金利タイプ

住宅ローンには変動金利」「固定金利の2種類の金利タイプがあります。 金利タイプはどちらを選択するかによって、総返済額に大きな差が出る可能性もあるため誰もが悩む部分です。

まずは、金利タイプの特徴を確認していきましょう。

変動金利

変動金利は、住宅ローンの返済期間中に金利が変動する商品です。

住宅金融支援機構が発表している「住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローン利用者の約7割が、変動金利を選択しています。

変動金利の大きな特徴は「半年ごとに金利が見直され、金利に応じて返済額が増えたり減ったりすること」です。見直し時に金利が下がっていると、返済額も連動して下がります。

変動金利を利用する一番のメリットは、低金利で月々の返済負担を少なくできることです。返済負担を抑えられる分、生活資金や教育資金、貯蓄などにお金を回せます。しかし、変動金利では金利上昇のリスクを背負うことになるため、金利が上昇した際には返済額が増えてしまう点を理解した上で利用しなければなりません。

固定金利

固定金利は、自分が選択した一定期間の間は金利が変わらない商品です。

10年や20年、全期間固定の35年などから、固定期間を選びます。 固定金利は、固定期間中は金利の変動を受けないので、返済額が変わることはありません。車の購入やお子さんの入学準備金など、大きな出費のための資金計画を立てやすいことがメリットです。

ただし、固定金利は変動金利よりも適用金利が高いことが多く、月々の返済負担は変動金利よりも重たくなってしまいます。

さらに、2022年12月には日銀が長期金利の変動幅を0.25%から0.5%まで引き上げ、実質的な“利上げ”を行ったため、これから金利が多少上昇すると予想されます。実際にメガバンク3行は、2023年1月に固定金利を0.18~0.30%引き上げると発表しました。

住宅ローンの返済方法

住宅ローンの月々の返済は元金返済部分」「利息部分の2つで構成されています。 同じ返済額だとしても、それぞれをどのくらいの割合で返済するのかによって、ローン残高の減りに差が出ます。その割合を決めるのが、返済方法です。 ここでは、住宅ローンの返済方法を確認していきましょう。

元利均等返済

元利均等(がんりきんとう)返済は、ローンの契約から完済まで、「月々の返済額」が一定になる返済方法です。返済額が一定なので資金計画が立てやすく、借り入れ後すぐの返済額を少なくできます。

返済当初は返済額に対して利息が占める割合が大きく、少しずつ元金の割合が増えていきます。そのため、元金均等返済と比べてローン残高の減りは緩やかです。メリットも多くありますが、総返済額は元金均等返済と比べて多くなる点は覚えておきましょう。

元金均等返済

元金均等(がんきんきんとう)返済は、月々の返済額のうち「元金部分」が固定になる返済方法です。「ローン残高を返済回数で均等に割った元金」+「元金に応じた利息」で月々の返済額が決まります。返済が進むに連れて月々の返済額も減っていくため、ローン完済間近になると返済負担が軽くなることが特徴です。総返済額も元利均等返済と比べて少なく済みます。

ただし、元金均等返済は借り入れ当初はローン残高が多く利息も大きくなるため、返済額も多くなります。借入してすぐの負担が最も重いので、返済や家計のやりくりが厳しくなる心配がある点に注意しましょう。

住宅ローンの種類

住宅ローンには、金融機関が取り扱っている民間ローン、全期間固定金利のフラット35、財形貯蓄者を対象とした財形住宅融資があります。

最後に、住宅ローンの種類を確認しておきましょう。

民間ローン

メガバンク、地方銀行、ネット銀行、農協、生命保険会社などが取り扱うローンを、民間ローンといいます。多くの方が利用するのが、この民間ローンです。

変動金利、固定金利、全期間固定金利などの金利タイプが豊富で、固定期間の選択肢が多いことが特徴です。

さらに、各金融機関が独自の商品、特典などを用意しているため、自分にぴったりの商品を選べることも魅力のひとつ。金融機関によっては、買い物の割引やポイント増加など、家計にうれしいサービスもあります。

また、提携ローンであれば、住宅会社や不動産会社などが窓口となって手続きを進める手伝いをしてくれるので、借り入れまでがとてもスムーズです。

フラット35

フラット35は、最短15年、最長で35年の完済までずっと金利が変わらない、全期間固定金利型住宅ローンです。住宅金融支援機構と、民間の金融機関が提携して融資を行います。住宅金融支援機構とは、国土交通省と財務省が管轄する独立行政法人のことです。

取り扱っている商品は全期間固定金利のみで、適用金利は融資率によって決まるのが、民間ローンとの大きな違いです。融資率が高いほど適用金利も高くなるため、自己資金をある程度用意できなければ高い金利でローンを返済しなければなりません。

また、民間ローンでは「団体信用生命保険(通称:団信)」への加入が義務付けられていますが、フラット35では任意です。そのため、健康上の問題で団信へ加入できない方や、生命保険や貯蓄などでしっかりと備えている方にはフラット35を利用するメリットは大きいと言えます。

計画的に返済プランやライフプランを考えていきたいという方は、フラット35を検討してみてください。

財形住宅融資

財形住宅融資は、企業で財形貯蓄制度を1年以上利用している方が、住宅購入をするときに利用できる住宅ローンです。企業の福利厚生の一つであるため個人での利用はできず、企業に財形融資の制度があることが前提条件となります。

財形住宅融資の金利は5年ごとに見直され、場合によっては民間ローンよりも低金利で利用できることがメリットです。また、事務手数料や保証料も無料なので、ローン借り入れ時の諸費用を大きく抑えることができます。

ただし、金利見直し時に上限が設定されていないことや、借り入れ上限額が4,000万円まであること、延床面積や技術基準などに細かく条件があるなどのデメリットがあることに注意が必要です。

知識を蓄えて、後悔のない借り入れを

今回は、住宅ローンの基礎知識をお伝えしてきました。すでに知っている内容もあれば、初めて知ったという情報もあったのではないでしょうか?

住宅ローンは長期間にわたって返済していくものです。どんな条件で借り入れ、そしてどんな返済方法で返していくのかによって、返済プランやマネープランの考え方も変わってきます。

どれが自分たちにとって最適な方法なのか見極めるためにも、住宅ローンの知識をしっかりと蓄えておきましょう。

オールハウスでは、マイホーム計画の相談はもちろん、資金計画や住宅ローンについても相談も承ります。住宅購入は一生に一度の大きな買い物です。どんなささいなお悩みでも、ぜひ弊社にご相談ください。