2019.07.03
相続とどう違うの?生前贈与のメリットとデメリット
暮らしのQ&A
近年、終活(しゅうかつ)と言って、自分がこの世を去った後のために身辺を整理する方が増えています。
金融資産や土地などの財産を子どもなどの近親者に相続する場合、財産の量によっては相続税がかかってしまいます。
また、高齢の単身者で、法定相続人となるような家族がいないという場合は、家族以外の誰かに財産を託したいと考える方もいるかもしれません。
自分がまだ元気なうちに、財産を他の人に送る事は「生前贈与」と呼ばれています。
相続という形を取らずに、生前贈与を選ぶ場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
生前贈与のメリット
財産を送る相手を選べる
生前贈与のメリットは、送る相手を選べる事です。
家族の形は様々ですが、子どもや親戚などと仲が悪く、縁を切っているというような場合、自分に親身になってくれている人に自分の財産を与えたいと思うことがあるかもしれません。
しかし、自分の身に万が一のことがあり、相続をすることになると、血縁関係のある人が法定相続人となるため、仲が悪い子どもや親戚に自分の財産を与えてしまうことになります。
遺言書を残しておくことでも、お世話になった人に財産を送る「遺贈」を行うこともできますが、法定相続人が遺留分減殺請求をすると、最大で遺産の半分が遺族に渡ることになります。
しかも、遺留分減殺請求が出されると、自分が遺産を贈ったお世話になった人の元に請求が行くことになるため、迷惑になってしまいます。
もし、家族よりも自分に対して親身になっている人に財産を渡したい、と真剣に考えるならば、生前贈与という選択肢もありだと言えるのではないでしょうか。
節税対策になる
生前贈与は通常の贈与なので、年に110万円を超える財産を贈与した場合は贈与税の対象になります。
しかし、逆にいうと、年に110万円までで贈与を行うのであれば税金はかかりません。
しかし、毎年110万円をきっちり贈与していると、もともとたくさんあるお金を分割で贈与している「定期贈与」と判断されて贈与した合計の金額に贈与税が課税されるというリスクがあります。
自分が亡くなった後に、子供達に多額の相続税を払わせてしまうのが申し訳ないと感じる時は、元気なうちに財産を送ることができるでしょう。
あらかじめ生前贈与を行なっておけば、亡くなった時点での自分の財産は減っているため、相続税の対象となる額が低くなります。
生前贈与のデメリット
税務署に否認されるリスク
生前贈与は、送る側と受け取る側両方の意思表示がないと成立しません。
そのため、贈与を行うたびに贈与契約書を作成して、生前贈与を立証しやすくしておきましょう。
また、現金の手渡し、名義預金、へそくりによって生前贈与を行うと、税務署に否認されてしまいます。
亡くなる前3年以内の贈与には相続税がかかる
亡くなる前3年以内の生前贈与は、なんと相続税の対象となってしまうため、注意が必要です。
生前贈与を行なっていても、人間いつどこで万が一の事態となるかはわかりません。
しかし、それを恐れて生前贈与をためらうと、メリットを得損なってしまいます。
ただ、万が一の事態となった場合、生前贈与が相続税の対象となり、節税対策が水の泡になってしまう可能性があるということは、本人も周りも覚悟しておく必要があるでしょう。
まとめ
生前贈与には一定のメリットがありますが、税務署に否認されるリスクなどをはらんでいます。
我が子やお世話になった方のためにと思ってやった生前贈与が逆効果になり、却って迷惑になってしまった…。ということにならないように、早い段階からしっかりと計画を立てておきましょう。