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そのリフォーム金額は適正?確認方法とみんなのトラブル事情

住宅に不具合が出てきた時や、より快適な環境にしたいと思った時、頭に浮かぶリフォーム。部屋のクロス替えから住宅全体の間取り変更を伴う工事まで、規模や内容は多種にわたります。


リフォームの見積もりは難しい⁉


一般的にリフォームの見積金額を正確に計算するのは難しいとされています。一体なぜなのでしょうか?


リフォーム会社は、図面資料・現場の状況・顧客の希望等を総合的に考慮し、工事内容と金額を見積もります。しかし、築年数が長い住宅における配管や床下等の破損や劣化具合など、工事が進んでから想定外の事実が判明することも珍しくありません。新築当時の古い図面しかない状態で、現状をもとにリフォーム計画を立てなければならないこともあります。


食材からレシピ通りに作っていくのが「新築工事」とすると、誰かが作り時間の経った“物足りない状態”に手を加えておいしく仕上げるのが「リフォーム工事」のイメージです。どのような食材が使われているのか、どういう調理方法で作られたのか、隠し味は入っていないか、調理後どのくらい時間が経ち、どういう環境で保管されていたのか…。あらゆる状況とそれによる影響を考慮し、時には想像した上で対応を検討しなければならず、これが見積もりの難しさにつながっています。


新築工事とリフォーム工事の違い


新築工事とリフォーム工事の違いを「浴室工事」を例に考えてみましょう。


何もないところに新しい浴槽を設置する新築工事とは違い、リフォームは現状に応じて撤去や古い浴槽を取り除いた周辺の修復など付随工事が必要となります。


リフォームに限定した場合においても、ある現場では浴槽の交換だけで済んだとしても、別の現場では浴槽を支える基礎のやりかえや排水管の交換や移動が必要になることもあります。このため、同じ「浴室工事」であっても工事総額にばらつきが出てしまうのです。この金額差こそが相場の幅を広げることにつながり、提示されたリフォーム金額が適正であるのか不安に感じてしまう原因となります。


困ったときの相談窓口はどこ?


もし、工事が始まった段階で想定していなかった状況が判明し追加費用を請求された場合、大抵の人にとってそれが適正な工事や金額であるかの判断は難しいものです。とはいえ、追加金額が発生するなら、と元の状態に戻すのも現実的ではありません。ではリフォーム会社の言う通りにするしかないのでしょうか。


そういった時に利用できる相談窓口の一つとして『住宅リフォーム・紛争支援センター』があります。公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(※住宅品質確保法)、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(※住宅瑕疵担保履行方)に基づき、消費者の利益の保護や住宅紛争の迅速、適正な解決を図るため、住宅相談、住宅紛争処理への支援等の幅広い業務を行っています。

住宅リフォーム・紛争支援センター


①何ができる?

全国どこからでも自宅に居ながら電話相談ができます。住宅に関することであれば、新築、中古、リフォームは問いません。


一級建築士の資格を持つ相談員から専門的なアドバイスを受けられ、必要に応じて弁護士会の紹介を受けて面談相談へ進むことも可能です。弁護士と建築士が同席して相談を聞いてくれることは、とても心強いものです。


利用者を対象に行ったアンケートにおいても、「大いに満足 46.0%」「満足 43.1%」との結果が出ており、合わせて約90%の利用者が満足したという驚異の結果を叩き出しています。


もちろんこの電話相談を利用せず、最寄りの法律事務所へ出向いて個別で弁護士に相談することも解決手段の一つですが、法律だけでなく建築の知識も持ち備えた人となると、母数は極端に少なくなるでしょう。


②どのような相談が多い? ~新築住宅の場合~

他の相談者はどのような問題を抱えているのでしょうか。まず、新築住宅について見てみましょう。


実際にあった電話相談の内、戸建住宅の主な不具合要因は「外壁、基礎のひび割れ 21.6%」、「屋根、外壁の雨漏り 14.7%」、「設備機器、開口部・建具の性能不足 13.5%」でした。


築後年数別の相談件数割合を見ると、「1年未満 34.8%」、「1年以上2年未満 10.5%」、「2年以上3年未満 5.6%」であり、築後3年未満までの相談が全体の約50%を占めます


新築戸建の場合、補修箇所や補修期間、有償か無償かについては各契約内容によって異なります。たとえ新築当時からあった不具合であっても、建築会社への相談が遅れたことで保証対象期間外となり、有償保証になってしまう可能性もあります。


また、これぐらいなら大丈夫だろうと放置していたことで被害が大きくなり、いざ修復しようとした時には被害が広がり費用もかさんでしまう、という事態も考えられます。​​​​​​​逆に、木造戸建てにおける壁面クロスの取り合いにできた隙間など、木材の調湿作用によっておこる想定内の現象など、築後2~3年経ってからメンテナンスした方が良い場合もあります。


③どのような相談が多い? ~リフォームの場合~

リフォームにおける戸建て住宅の主な不具合要因は「屋根、外壁の雨漏り 16.1%」、「外壁、屋根のはがれ 15.0%」、「外壁、屋根、設備機器の性能不足 14.2%」でした。


リフォームにおけるトラブルは、訪問販売に関する相談が多いという特徴があります。さらにその90%以上が契約後の相談であり、半数以上が契約解消を希望している、という結果が出ています。


新築戸建てとの違いは相談者の年齢層にも表れており、最も多いのは「50歳代 27.4%」、次いで「60歳代 22.1%」であり、30~40歳代が60%を占める新築住宅と比較すると年齢層が高い傾向にあります。


④具体的にどういった問題を解決に導いていける?

「リフォーム会社からの見積もりを受け取ったが、工事内容や金額が妥当かどうか不安」

「見積書に諸経費一式とあるが、内訳が不明確で説明を聞いても難しくて判断できない」

「複数業者から相見積もりを取ったものの、項目のまとめ方がバラバラで比較しにくい」

「適正な相場を知りたい」

「契約するつもりだが、注意点がないか聞いておきたい」

という契約前の相談に対して、見積書を送付した上で内容をチェックとアドバイスを受けることができます。実際の金額や項目を共有しながら話ができるため、より具体的な説明を得られます。


上記の他にも、住宅に関する制度や法令に関する知識、検査機関などの照会や住宅会社が倒産した場合など幅広く電話相談を行っています。


まとめ

リフォーム工事の契約内容や工事内容について、リフォーム会社との認識の違いから望まない結果になることを避けるためには、不明点は質問して契約前に解決しておくことが大切です。


どういう基準でリフォーム会社を選べばいいのかわからない、という場合は新築で工事をしてくれた会社にリフォームを打診してみるというのも一つの手です。当時の図面やそれまでの細々とした補修履歴を残している会社であれば、初めて接する会社よりも意思疎通のとりやすさや安心感の面において、任せるメリットがあると言えます。


今回は相談窓口の1つをご紹介しましたが、困ったときは不安解消の糸口として第三者のアドバイスを受けてみましょう。


参照:住宅相談統計年報2018、2017年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析

http://www.chord.or.jp/tokei/tokei.html#toukei