2018.11.30

間違った常識が仇となる? 注意したいフローリングのお掃除

暮らしのQ&A

現代日本の床材として広く浸透しているフローリング。カーペットや畳と比較してお掃除が簡単で、ハウスダストなどが起こりにくいことから人気を呼んでいます。他の床材と比べてお手入れが簡単と言われるフローリングですが、長期間使用していると本格的に掃除する必要が出てきます。

実はこのフローリングの掃除、正しい方法で行わないと失敗しやすく、最悪の場合傷がついてしまったという事例もあります。今回は、本格的に掃除する際の注意点をまとめました。

フローリングの劣化の原因「水分の侵入」を避ける

フローリングの掃除をする際、ホコリや髪の毛などの汚れを掃除用シートなどで取り除いた後、水拭きしていませんか?実は、水の侵入はフローリングにとって致命傷となり、水分が含まれたまま放置すると表面が剥がれたり変色したりする原因となります。

油汚れなどを落とす際に水拭きをしなければならないときは、汚れを落としてから乾燥させるのではなく、乾拭きするなどして水分の侵入を防ぐことを心がけましょう。

フローリングの中でも特に水に注意しなければいけない「無垢材」の床とは?

注意点

除菌もできるウェットティッシュには要注意

水分が侵入しないようにすぐ乾拭きをすれば、何で拭いても問題ない…というわけではありません。近年増えているアルコールの入った除菌のできるウェットティッシュ。食品をこぼしてしまったときや、カビ対策など、除菌意識の高まりとともに人気を呼んでいます。

しかし、このアルコール入りのウエットティッシュを使って、フローリングを拭いてはいけません。フローリングのワックスとアルコールが化学反応を起こし、表面が変質したり変色したりして汚れてしまいます。また、ワックスの光沢も失われ悲惨な結果になります。アルコールを使わない、フローリングのお掃除に対応したシートを選びましょう。

コーティングを剥がしてしまうようなお掃除グッズを使わない

重曹やクエン酸など、お掃除では定番となっているグッズを使用してフローリングを拭くと、フローリングに施されているコーティングを剥がしてしまう場合があります。

フローリングのメーカーによってコーティングは異なりますが、多くは傷・汚れをつきにくくするものや、ワックス不要のコーティングなど、床にとって重要なものばかりです。研磨作用のある重曹はそのような重要なコーティングを汚れとともに削り取ってしまう危険性があります。

近年では、重曹やクエン酸を使用しても問題ないコーティングが施されたフローリングも登場しているようですが、そうでない場合は重曹やクエン酸の使用は控えた方が賢明と言えるでしょう。

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メラミンスポンジはNG

水に濡らしてこするだけで、頑固な汚れも落ちるメラミンスポンジ。キッチン周りの床の油汚れなどをさっぱりキレイにしたい…という衝動に駆られてもフローリングには使用してはいけません。

メラミンスポンジも重曹と同じように研磨作用を利用して汚れを落とす(削る)ため、ワックスやコーティングを剥がしてしまう危険性があります。

結局、何を使って掃除すればいいの?

フローリング床に付いた頑固な汚れを落とすには、フローリング床に対応した専用の洗剤を使うのがベストです。大きく分けてスプレータイプ・シートタイプがあり、除菌ができるもの、二度拭き不要なもの、光沢を出せるものなど、様々なタイプが販売されています。専用の洗剤を使用するにしても、こすりすぎは傷や劣化の元なので、慎重に掃除しましょう。

傷だらけのフローリングはワックスを塗りなおす

フローリングの手入れが行き届いていたい中古住宅や賃貸住宅に住むことになった場合、ワックスを塗りなおすことで美しさが復活する場合があります。ワックスがうっすらと残っている状態ならば、上から丁寧にワックスがけを行うことで輝きを取り戻せます。

しかし、部分的にワックスが完全に剥がれてしまっていたり、ムラが多かったりする場合は、古いワックスを完全に剥がしてから新たにワックスがけをした方がキレイに仕上がると言われています。

自分で落とせない汚れがある場合や作業量によっては、業者に依頼

フローリング用洗剤を使っても汚れが落とせない、あるいは家中のフローリングをお手入れしたいけれど手が回らない場合は、専門の業者に依頼することも検討するのも良いかもしれません。フローリング用の洗剤やワックスなどの料金と、自分で掃除する手間を考慮し、業者に依頼するか、自力で行うかを判断しましょう。

日頃のこまめなお掃除が重要

フローリングは木材なので、汚れが付着したら染み込んでしまう場合があります。ホコリや髪の毛など、染み込む心配のない汚れは心配ありませんが、食べこぼしや絵の具や油性マジックなど、放置すると染み込んでしまう汚れはなるべく早急にお掃除しましょう。正しいお掃除方法を知り、傷や劣化を抑えて快適なフローリング生活を送りましょう。