2022.11.04

リビングなしの間取りってアリ?メリット・デメリットまとめ

建てる

家族みんながくつろぎ、コミュニケーションを取る「リビング」。現代の戸建て住宅やマンションでは、リビング・ダイニング・キッチンが一体となったLDKの間取りが一般的ですが、敷地面積やお部屋の面積が狭い場合、リビング・ダイニングが10畳程度の狭めのものになってしまうことも珍しくありません。

最近では、リビングを独立した空間として設けず、ダイニングと一体化した「リビングなし」の間取りを選択する人も増えてきています。今回は、このような「リビングなし」の間取りのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

リビングなしの間取りのメリット

1. 空間を有効的に使える

そもそも、いわゆるLDKの間取りの家では、リビング・ダイニングが一つの空間になっており、明確な区分けがされていないことがほとんど。

キッチンの近くにダイニングテーブルを置き、キッチンから遠い場所をリビングにしてソファやラグ、ローテーブルなどを置く…というレイアウトが一般的ではあるものの、どこまでがダイニングでどこまでがリビングかは基本的に住む人の感覚で決めることができます。

リビングを設けない「リビングなし」の考え方で同じ空間を使うことにした場合、ダイニングテーブルを部屋の中ほどにゆとりを持って設置して、ダイニングテーブルを基点として食事をしたり、テレビを見たり、くつろいだり…という生活になります。つまり、リビング用の家具が不要になる分、ゆとりを持って空間を使うことができるのです。

リビングなしのスタイルを選択する人たちに人気なのが、ダイニングチェアがソファになっている「ソファダイニング」というダイニングセット。ダイニングチェアとしてもくつろぐためのソファとしても使える2 in 1のスタイルです。

2. 間取りの選択肢が増える

リビング・ダイニングが一体化したリビングなしのスタイルの家を新築する場合、スペースに余裕ができて間取りの選択肢が増えるというメリットがあります。

例えば、LDKと水回りをワンフロアにして、家事動線の良い家にしたいと考えていても、リビングありきの間取りで考えていると敷地面積の関係で難しい、ということがあるかもしれません。しかし、リビングなし(LDKの面積が小さい)のスタイルを選べば、その希望を叶えられる可能性があります。

3. 掃除がラクになる

ソファやローテーブルの下、ラグの上など、掃除する箇所が意外と多いリビング。リビングなしの間取りの場合、こうしたリビング用の家具が一式無くなるので、掃除する場所が自動的に減ります。

また、掃除するスペースも少なくて済むため、急な来客時もササッと掃除をすることができるでしょう。

4. 大型の家具も設置しやすい

リビングがあると、リビングのスペースを確保することを考えて小ぶりなダイニングテーブルを選んでしまう…ということもあるかもしれません。リビングという概念を無くして空間に余裕を持たせることで、リビング・ダイニングを分けて使う場合は置けないような大型の家具を置くことができます。

リビングなしの間取りでは、いわばダイニングテーブルが主役となるため、長さ2mを超えるような大人数用のダイニングテーブルを置くこともできます。家族の人数が多かったり、ホームパーティーをよく開いたり、という方にとって、大型のダイニングテーブルを置けるというのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

リビングなしの間取りのデメリット

1. テーブルが散らかりやすい

リビングなしの間取りで主役となるダイニングテーブル。食事の場でもあり、くつろぎの場でもあるため、必要なものをダイニングテーブルの上に置きっぱなしにしてしまいがちになります。

例えばティッシュ類やテレビのリモコン、作業用のパソコンがダイニングテーブルの上に一気に出た状態になっていると、食事の際に料理を並べるのに苦労したり、来客の際に整理整頓に困ったり…という事態になりかねません。

物をダイニングテーブルに置きっぱなしにするのではなく、こまめな整理・整頓を心がけましょう。

2. ソファダイニングにするとソファが汚れやすい

ソファダイニングにする場合、ダイニングチェアがソファになるため、通常のダイニングチェアと比較して座面の面積が広い分、料理がこぼれて汚れるリスクが高くなります。

例えば、「布製のソファに、パスタのソースやサラダのドレッシングが散ってしまった…!」という状況なってしまうと、汚れを落とすのは簡単ではありません。ソファダイニングのソファには、早めに拭き取れば汚れを落としやすい素材のものを選びましょう。

3. 将来的にリビングが欲しくなった時に困る可能性がある

この記事でも挙げたような、「リビングなし」スタイルの合理性に惹かれてLDKを狭くしたものの、やはり広いリビングが欲しいと感じるようになる可能性はゼロではありません。新築の住宅を建てる場合は、将来的にそのような心変わりをすることがないか、よく考えてから決定しましょう。

狭小地の住宅では「リビングなし」は有用性の高い選択肢

土地価格の高い都市部では、30坪以下の狭小地に家を建てるというケースも珍しくありません。この場合、そもそも家の面積が狭くなるため、広いリビングを作ることが困難になります。

限られたスペースを有効的に使えるリビングなしの間取りは、狭小地に住宅を建てる際は非常に有用性の高い間取りと言えます。