2021.06.03

路面電車でGO!?広島の路面電車で行ける有名観光スポット5つ

広島の街

広島の街の中心部、三角州の平地の部分を走っている路面電車。広島駅から八丁堀(はっちょうぼり)、紙屋町(かみやちょう)などの中心街、広島港などを結ぶ路面電車は、移動手段でありながら広島観光の見どころの一つと言える存在です。

今回は、路面電車のみを使ってアクセス可能な、広島市の近場のおすすめ観光スポットをご紹介。広島駅から利用する路線や、所要時間なども見ていきましょう。

「広島平和記念公園」と世界遺産の「原爆ドーム」

広島市の中心部である中区(なかく)にある「広島平和記念公園」は、原子爆弾投下から10年後の1955年に完成した公園です。広大な公園内には世界遺産である通称「原爆ドーム」と呼ばれる「広島平和記念碑」や、原子爆弾による被害を伝える「広島平和記念資料館」、数々の犠牲者を追悼するモニュメントが点在しています。

原爆ドーム

原爆ドームは元々、広島県の様々な物産を展示する広島県産業奨励館という建物でしたが、この建物から東へわずか150m(高さ600m)の位置で原子爆弾リトル・ボーイが爆発したことにより、ドーム部分の構造を除く3階建ての本体部分の多くが無くなってしまい、現在の姿になっています。

​1945年8月6日午前8時15分に世界で初めて投下された原子爆弾の悲惨さを伝える記念碑として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。 わずか数秒で、多くの尊い命を奪い、街を焦土に変えてしまう核兵器の恐ろしさを現代に伝えています。

広島平和記念資料館

公園の南にある広島平和記念資料館は、1945年8月6日に投下された原子爆弾の被害の様子を詳しく伝えている博物館です。原子爆弾の投下によって被害を受けた人々や街の写真や、原子爆弾によって亡くなった方の実際の遺留品などが展示されており、核兵器の恐ろしさや、平和の尊さを深く理解できる内容になっています。

広島駅からの行き方

2号線・6号線で約15分

広島駅から路面電車で広島平和記念公園に行く方法は、2号線もしくは6号線の路面電車に乗車して、10駅目の「原爆ドーム前」電停で下車します。路面電車の乗車時間は15分程度で、車窓からは広島の中心街である「八丁堀」や「紙屋町」の景色が見えます。

ショッピングやグルメが楽しめる「本通」

画像提供:広島県

広島平和記念公園にも程近い位置にある広島本通商店街、通称「本通(ほんどおり)」は、広島の中心地に位置する東西577mのアーケード付きの商店街です。本通は、終日車両通行止めとなっているいわゆる「歩行者天国」の通りで、カフェや飲食店、アパレル、パティスリーなどの、おしゃれな店舗が軒を連ねています。

広島市随一の繁華街

本通の東端はパルコ広島に、西端は地下街の「シャレオ」に通じており、この一帯は広島を代表する繁華街。広島で最もショッピングやグルメを楽しめる一帯になっています。広島観光をするなら外せない定番の場所と言えるでしょう。

広島駅からの行き方

広島駅からは複数路線でアクセス可能

広島駅から路面電車で本通に行く場合は、1号線の電車で9駅目の「本通」電停で下車します。本通の西端の交差点に電停があり、横断歩道を渡ればすぐに商店街へとアクセスできます。1号線の電車に乗れなかった場合、他の路線を使うこともできます。2号線と6号線を使い、8駅目の「紙屋町東」で下車後、南へ徒歩4分程度歩いてアクセスすることも可能です。

路面電車の乗車時間は、「本通」まで乗車した場合は約14分、「紙屋町東」まで乗車した場合は約12分となっています。

美しい庭園を楽しめる「縮景園」

縮景園は、広島市中区の高級住宅街「上幟町(かみのぼりちょう)」にある庭園。1620年に広島藩浅野氏の初代藩主・浅野長晟(あさのながあきら)が作った藩主の別邸(大名庭園)が起源となっている、歴史の深い庭園です。

長年、一般の人が立ち入ることができなかったこの庭園ですが、1940年に県の公園として一般公開。しかし、その5年後に原子爆弾の投下によって一度荒廃してしまい、1970年代に再建されたという複雑な歴史があります。

深い歴史のある都会のオアシス

高層ビルが立ち並ぶ中に佇む美しい庭園はまるでオアシスのよう。縮景園の隣には近代の洋画や伊万里焼などを所蔵する「広島県立美術館」もあり、落ち着いたゆったりとした雰囲気を味わえる場所となっています。広島の桜の名所としても名高い縮景園。広島気象台の桜の開花の基準となる標本木は、ここ縮景園にあります。

広島駅からの行き方

「八丁堀」電停で乗り換えが必要

広島駅から縮景園へのアクセス方法は、広島駅から1号線、2号線、6号線のいずれに乗り、6駅目の「八丁堀(はっちょうぼり)」まで乗り、そこから乗り換える必要があります。八丁堀の電停で9号線に乗り換え、2駅目の「縮景園前」で下車後、徒歩2分のところに縮景園の入口があります。

自然と現代アートが楽しめる「比治山公園」

広島市南区にある比治山(ひじやま)公園は、小高い丘比治山全体が公園になっています。比治山公園内には、現代アートを多く収蔵している「広島市現代美術館(改装のため2023年春まで休館中)」や、漫画本を貸し出している「広島市まんが図書館」があります。

美術館自体は現在休館中のものの、公園の中の至る所に屋外彫刻があり、森の中でアートを鑑賞することが可能です。バーベキューなどを行える広々としたスペースや、桜の木が多く植えられているエリアもあり、レクリエーションを楽しめる憩いの場になっています。

広島駅からの行き方

路面電車でもバスでもアクセス可能

広島駅から比治山公園までの路面電車を利用したアクセス方法は、5号線に乗り、4駅目の比治山下(ひじやました)の電停で下車します。比治山側に横断歩道を渡ったところに公園の入口があります。

また、路面電車ではありませんが、路線バスを利用して、広島駅から「段原中央(だんばらちゅうおう)」のバス停まで乗車し、そこから徒歩3分ほどの場所にある公園の山頂までの直通エスカレーター「広島スカイウォーク」を利用するという方法もあります。

関連記事:緑の中で現代アートを鑑賞!「広島市現代美術館」の魅力とは?

おしゃれな港町「広島港・宇品」

広島港に直結のターミナル駅

広島の海の玄関口・広島港のある「宇品(うじな)」。広島港からは、広島県の呉市や四国の愛媛県松山市などを結ぶフェリーが発着しています。路面電車の「広島港」電停は広島港の入口とほぼ直結しており、フェリーとの乗り換えがとてもスムーズになっています。

開放感あふれる「広島みなと公園」

広島港の北隣にある「広島みなと公園」は、総面積10ヘクタールの巨大な公園。緑地や広大な広場があり、開放的な空間が広がっています。

海沿いを歩ける遊歩道

広島港の東側の海沿いには遊歩道が続いています。広島湾やそこを行き交う船を眺めながらゆったりと散歩を楽しむことができるでしょう。

遊歩道沿いにはおしゃれなショップやカフェが充実

また、この遊歩道沿いには、インテリアショップやカフェ、ライブハウスなど、おしゃれなお店が立ち並んでいます。海を眺めながら楽しむお買い物やカフェタイムは、忘れられない思い出になりそうです。

広島駅からの行き方

ケースバイケースで路線を選ぼう

広島港・宇品エリアへは、1号線、もしくは5号線の「広島港」行きの電車に終点まで乗ってアクセス可能です。 1号線と5号線の違いは、1号線が広島市中心部の八丁堀・紙屋町・本通などの繁華街を経由するルートで、5号線が前述の比治山などを経由するルートです。

※図の赤線は最短の5号線(比治山下経由)のルート

広島駅から宇品に直行する場合は、5号線を利用した方が早く到着できますが、広島市中心部の観光をしてから宇品に行きたい場合は、1号線を利用して中心部を回ってから宇品に行くという選択肢もあります。広島駅から広島港(宇品エリア)までの所要時間は、1号線が約55分、5号線が約33分となっています。

関連記事:瀬戸内海に近い広島のおしゃれなベイエリア「宇品」

おまけ:世界遺産のある「宮島」(フェリーに乗り換え)

広島県廿日市市(はつかいちし)の厳島(いつくしま)は、通称「宮島(みやじま)」として、広島を代表する観光地として知られています。この島には、広島市中区の原爆ドームと同様に、ユネスコの世界文化遺産に指定されている厳島神社があります。

広島市内を走る路面電車は、なんと廿日市市にあるこの宮島へのフェリー乗り場の最寄り駅「宮島口(みやじまぐち)」まで運行しており、フェリーに乗り換えれば宮島まで行くことが可能です。

実はJR山陽本線の方がかなり早く到着する

しかし、この宮島口駅までは、路面電車よりもJR山陽本線を利用したほうが大幅な時間短縮になります。JR山陽本線を利用した場合の広島→宮島口間の所要時間は27分なのに対し、路面電車で行った場合は1時間15分。約48分の差があります。

そのため、広島市内中心部と宮島を短時間で回りたい場合は、JR山陽本線を利用した方が大幅に時間短縮となります。ゆっくりと車窓からの眺めを楽しみながら広島観光を楽しみたい場合は路面電車を利用すると良いでしょう。

路面電車の乗り方・料金

「市内線」エリアは均一運賃

広島の路面電車の料金は、2号線の西広島駅〜宮島口駅間を除く「市内線」は、1回の乗車で大人190円、小学生以下の小児100円の均一運賃です。2号線の西広島駅〜宮島口駅の区間は区間運賃制となり、広島駅から宮島口まで乗車した場合は片道270円になります。

また、観光向けの一日乗車券も発行されているため、広島観光の際に路面電車に何度も乗るという場合は検討してみるのも良いかもしれません。

現金で乗車する場合は、降車時に190円(小児の場合は100円)を運賃箱に入れて支払います。運賃箱はお釣りが出ないため、あらかじめ車内の両替機で両替しなければならないことを覚えておきましょう。

※料金は2021年6月現在

Suica、ICOCAなどのICカードにも対応

路面電車は、SuicaやICOCAをはじめ、全国の主要なICカードに対応しており、もしこれらのICカードを持っている場合、乗車時と降車時にカードをかざせば料金を支払うことができます。

対応しているICカード
PASPY、Kitaca、PASMO、Suica、manaca(マナカ)、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA ※2021年6月現在

なお、「モバイルSuica」にも対応しているため、交通系ICカードを持っていなくても、モバイルSuicaで乗車することもできます。

「被爆車両」が現役で走る路面電車

令和の広島を走る被爆車両の652号

広島の路面電車の車両は、古いものは1900年代前半に製造された車両が現役で活躍しているなど、歴史のあるものが多く存在しています。

特に、1945年の原子爆弾投下後に広島の街を走り、悲しみに暮れる市民を勇気づけた1942年製造の「650形」の電車は、「被爆電車」として広島の復興のシンボルとなり、全国的にも有名であると言われています。「650形」の651号と652号の2両は、1、3、5、7号線で現在も運行されています。

主要な観光地へのアクセスに便利なだけでなく、車両そのものが生ける伝説とも言える広島の路面電車。広島を訪れた際は、ぜひ一度乗ってみてはいかがでしょうか。