2021.04.28

ダイニングテーブル周りの革命？ソファダイニングのメリットデメリット

インテリア

家族がゆったりとくつろいだり、食事を取ったりするスペース「リビング・ダイニング」。ほとんどの家ではこのリビング・ダイニングが家の中で最も広い部屋となっているに違いありません。また、来客の際はこのリビング・ダイニングで客人をもてなす家庭がほとんどではないでしょうか。

このように、まさに「家の顔」とも言えるリビング・ダイニング空間に置くダイニングセットの新しい形として、特に日本で広まりつつあるのが、ソファに座ってダイニングテーブルで食事をする「ソファダイニング」。ソファダイニングとはどのようなものなのか、そしてどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

ソファダイニングとは？

ソファダイニングとは、その名の通り、リビングでくつろぐ空間に置かれることが多い家具であるソファと、食事を取るダイニングテーブルが一緒になった家具のことを指します。ソファの座面は通常のダイニングテーブル用の椅子よりも5〜10cm程度低いため、ソファダイニングを取り入れるにはソファに合わせた高さの低いダイニングテーブルが必要になります。

ソファダイニングの発祥は定かではありませんが、日本の家具メーカーである「カリモク家具」が、「新しいダイニングのカタチ」と銘打って、現在のソファダイニングと同じようにソファに腰掛けて食事をするダイニングセットである「ベンチスタイル」ダイニングの商品を開発しています。

欧米の家具メーカーのダイニングセットにこのようなスタイルはほとんど見られないことから、ソファダイニングは日本が発祥となったスタイルの可能性もあります。

ソファダイニングのメリット

比較的新しいスタイルのダイニング、ソファダイニング。食事の場とくつろぎの場を合体したこのスタイルにはどのようなメリットがあるかを見ていきましょう。

1. 省スペース

ソファダイニングは、元々別個のものとして存在したソファとダイニングセットをいわば合体させたもの。欧米風のインテリアの通常のスタイルでは、ダイニングにはダイニングテーブルとダイニングチェアのあるダイニングセットが、リビングにはソファとローテーブルがあるのが一般的です。スペースに余裕のあるリビング・ダイニングであれば、この2つ両方を置いてもスペースに余裕がありますが、10畳〜15畳程度の広さのリビング・ダイニングの場合、置き方を工夫しないとやや狭い印象になってしまいがち。

2つの要素を一つにまとめることで省スペースになるソファダイニングは、日本の狭いリビング・ダイニングにピッタリなインテリアと言えるかもしれません。

2. 多少人数が増えても大丈夫

複数人の友人を招いての食事会の際、通常のダイニングセットでは椅子が足りなくなることがあります。来客時に備えて、予備のダイニングチェアを置いておければ問題はありませんが、集合住宅など収納があまりない部屋に住んでいる場合、使っていない椅子を置いておく余裕がないかもしれません。

ソファダイニングであれば、椅子の数を変えなくても詰めて座ることで、ある程度人数が増えても一緒に食事をすることができます。

3. ご飯を食べながらくつろげる

食事の場にくつろぎのアイテムであるソファを持ち込んだソファダイニング。通常のダイニングチェアに座って食事をするよりもリラックスした状態で食事を楽しむことができます。

通常、ソファダイニングは食事以外のリラックスタイムのソファとしても使われることが多いため、食事の時間帯が異なる家族も、同じテーブルに家族が集合している状態で食事をすることができるため、近年問題化しているいわゆる「孤食」問題も解消されるかもしれません。

ソファダイニングのデメリット

省スペースで設置でき、ご飯を食べながらダラダラとくつろげるなど、人によってはメリットの多いソファダイニング。いわば新しく特殊なスタイルのため、通常のダイニングセットにはない思わぬデメリットもあります。

1. 椅子の調節ができないため食べづらい

複数の人が一緒に腰掛けるソファダイニングのソファ。例えば大人と幼い子どもでは体格差が大きく、快適に食事できる座面とテーブルの高さは異なります。ダイニングチェアであれば、子どもには子ども専用の椅子を用意して、大人は通常の椅子に座って食べるという応用が効きますが、ソファダイニングの場合は細かい調節が難しくなります。

2. 奥に座ると外に出にくい

ダイニングテーブルを囲むように、2〜4人掛けのソファを配置するソファダイニング。ソファの両端に座る人はトイレなどに自由に出入りできますが、真ん中に座っている人は当然ながら他の人の前を通らなければならず、出入りが不便になります。

また、ソファは重たいので、人が出入りするたびに後ろに引いて通り道を作ることも困難です。通常のダイニングセットでは、椅子を後ろに引いて立ち上がれば他の人の邪魔をせずに出入りできることを考えると、デメリットと言わざるを得ません。

3. 汚れの心配がある

普通のソファに腰掛けて映画を見ていたら、リラックスしているあまりジュースをソファの上にこぼしてしまった…なんてことはありませんか？ソファダイニングの場合、通常のダイニングセット+リビングのソファのスタイルと比べると、こんな事件が起こる可能性が格段にUPすることは明らかです。

椅子そのものが汚れに強い素材でできていることが多く、洗濯できるクッションが置いて使うことの多い通常のダイニングチェアと比べると、ソファはどうしても汚れやすく、洗いにくいもの。ソファダイニングに使うソファは、汚れに強いレザーやPUレザーのものを選んだ方が良いかもしれません。

取り入れるときはバランスを見て

ソファはくつろぐ場所、ダイニングは食事をする場所として分けているリビング・ダイニング

ソファダイニングは、ソファとベッドが合体したソファベッドと同様に、元々別の機能を持つ家具の性質を同時に持つ家具といえます。そのため、注意して使わないと思わぬ事件が起き、後悔することになりかねません。省スペースという大きなメリットのあるソファダイニングを選ぶか、スペースは取るものの安心感のある従来のスタイルを選ぶか、バランスを見ながら考えていきましょう。