2021.07.30

マイホームは木造軸組工法?ツーバイフォー?建てる前に知る工法5つ

建てる

マイホームを建てるまで、多くの方は大変忙しい期間を過ごすことになります。土地探し、不動産・建築会社の選定、ローンのことなど、考えることが多すぎて頭がパンクしてしまうかもしれません。

しかし、忙しい最中でも将来のことを考えるときちんと理解しておきたいのが、家の工法・構造について。建築に関してあまり詳しくない場合、建物の工法については木造かコンクリート造かという大まかなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

日本の家で一般的な工法は5種類

現在、日本の住宅の建築で広く用いられている工法は、下記の5つ。

①在来・木造軸組工法
②2x4(ツーバイフォー)工法
③鉄骨組工法
④鉄筋コンクリート工法
⑤プレハブ(ユニット)工法


それぞれの工法で、メリット・デメリットは大きく異なります。ここからは、各工法の特徴を見ていきましょう。

在来・木造軸組工法の特徴

在来・木造軸組工法は、日本で古来から発達してきた伝統工法を現代の技術でシンプル化し、発展させた工法です。建物の重さを受け止めて地盤に伝える「基礎」の上に、木製の土台・柱・梁・筋交いといった部材を組み合わせて建てられます。

現在の日本においても最も主流な工法と言われ、コンクリート造や鉄骨造と比較するとコストも比較的低く抑えられます。

メリット

設計の自由度が高い

在来・木造軸組工法は、設計の自由度が高くなっており、間取りやデザインの幅を広げることができます。また、しっかりと強度を確保する必要はあるものの、開口部が広く取れるので、明るい室内を作ることができるというメリットもあります。さらに、間取りの自由度が高いのでリフォーム・リノベーションで間取りの変更もしやすい工法になっています。

日本の気候風土に合っている

基本的に、構造部分は全て木で作られる在来・木造軸組工法。木で作られていることで、夏場に高温・多湿になる日本の風土にも合っていると言われています。また、木の温もりを感じながら生活することができるのもメリットと言えるでしょう。

デメリット

シロアリの被害を受けることがある

在来・木造軸組工法の家は、構造部分に木材を使用しているので、対策を怠っていると柔らかい木材を餌にするシロアリの被害を受ける可能性があります。また、シロアリの被害は樹種によっても異なり、シロアリに強い木材には檜やヒバなどがあります。反対に、ホワイトウッドと呼ばれる欧州の針葉樹は、柔らかく加工性が良い反面、シロアリの被害も大きいと言われています。

2x4(ツーバイフォー)工法の特徴

日本にアメリカから伝えられた、材料の寸法などが規格化されている工法です。角材と構造用合板で面を作り、それを組み合わせて箱を作るようなイメージで家が作られていきます。2x4(ツーバイフォー)という名称は、この工法の構造用製材のサイズが2インチ×4インチだったことに由来しています。

メリット

大工さんの力量による差が出にくい

2x4工法では、材料が規格化されているので、大工さんの力量に関わらず一定の品質の家が建てられるというメリットがあります。反対に、前述の在来・木造軸組工法では、大工さんの力量による差が出ることがあるため、業者選びには注意が必要です。規格化されていることで、断熱性や気密性にも優れていると言われ、壁を厚くすればさらに性能が高まります。

デメリット

設計の自由度が低め

2x4工法は、面で建物を支える工法なので、開口部を広くすることができないなど、在来・木造軸組工法と比較すると設計の自由度が低い工法です。将来的にリノベーションをすることになった際も同様で、大規模な間取り変更が難しいと言われています。

鉄骨組工法の特徴

鉄の柱と梁で建物を支える鉄骨組工法。賃貸アパートなどの情報で目にすることの多い「鉄骨造」は、この工法に当てはまります。基本的な考え方は、在来・木造軸組工法の木材を鉄に変えたものになります。

メリット

圧迫感のないすっきりとした空間が作れる

鉄は強くしなやかな素材のため、木材と比較すると細い材料でもしっかりと強度を確保することができます。敷地面積が広くなく、十分な部屋の広さが確保できない時は大きなメリットとなるかもしれません。

デメリット

高熱に弱く熱を通しやすい

多くの方がご存知の通り、鉄は熱を通しやすい素材。そのため、万が一の火災時、他の工法よりも高熱に弱いという弱点があります。また、冬場は室内の暖気が屋外に逃げやすいため、結露が生じやすいというデメリットもあります。

鉄筋コンクリート工法の特徴

鉄製の棒(鉄筋)を網目状に組んで、その周りをコンクリートで固めることによって柱や梁、壁、床などを造っていく鉄筋コンクリート工法。鉄の弱点である「錆びやすさ」と、コンクリートの弱点である「割れやすさ」が、2つを組み合わせることで解消され、強く長持ちする構造となっています。

メリット

丈夫で防音性が高い

鉄筋コンクリート造の建物は他の工法の建物と比較すると頑丈で、マンションやビルのような大型の建築物にも採用されている工法です。その寿命は状態がよければ100年とも言われています。また、コンクリートは重く、音が伝わりにくい素材なので防音性に優れています。

デメリット

工期とコストが掛かる

鉄筋コンクリートは、鉄筋の工事をした後にコンクリートを流し込むための型枠を作り、そこにコンクリートを流し込んだ後固まるまで待つ必要があります。そして、固まったら型枠を外す工事が必要になります。骨組みを作る段階で、他の工法と比べて時間も手間もかかるため工期が長くなり、コストも高くなるというデメリットがあります。

プレハブ(ユニット)工法の特徴

家を複数のパーツ(ユニット)に分け、工場でそれぞれの部分を完成に近い状態まで「製造」した後現場に移送し、まるでプラモデルを組み立てるかの如く作り上げる工法です。2x4工法よりもさらに合理性を高めた工法と言え、工場で作られる部分が8割を超える場合もあるようです。

メリット

工期が早く品質が安定している

工場で既製品として組み立てられているユニットを組み上げるこの工法は、他のどの工法よりも工期が短く済みます。また、工場で生産されているため、大工さんの技量による差もほとんどなく、品質が安定しているというメリットがあります。

デメリット

間取りの自由度がとても低い

前述の通り、この工法は、基本的に工場で製造されているパーツを組み上げるもの。そのため、間取りの自由度やデザインも製造している会社の規格に当てはまるものを選択するしかありません。既製品ではないオリジナリティあふれる家を考えている人には不向きな工法と言えます。

住宅の工法はメリット・デメリットを比較して慎重に選ぼう

冒頭でも述べた通り、マイホームを建てるまでの忙しい期間、家の工法についてゆっくりと考える時間が取れない、という方も多いことでしょう。しかし、住宅の工法は、一度選んでしまうと後から変更することができません。また、住宅メーカーや工務店によって、得意としている工法が異なります。

家づくりの前にはぜひ一度立ち止まって、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた「工法選び」を行いましょう。

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